ユルゲン・クロップがクラブワールドカップを痛烈に批判

小鷹理人 Masato Odaka

Dorothy Howard

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元リバプール監督のユルゲン・クロップが、FIFAクラブワールドカップ開催の決定に対し痛烈に批判した。2023-2024シーズン終了後にリバプールを去ったドイツ人のクロップは、現在レッドブル社のグローバルサッカー部門の責任者を務めている。

レッドブル・ザルツブルクは、新フォーマットで開催されたクラブワールドカップ初年度の出場チームのひとつだった。チームはグループステージで敗退したものの、3試合を戦うこととなった。

この大会に対しては以前から懸念が寄せられており、特に天候が大きな問題となっている。過酷な暑さのために複数の試合が中断され、あるチームでは前半の間、控え選手たちがロッカールームにとどまったケースもあった。

クロップは以前から選手の権利や過重な試合スケジュールについて積極的に発言しており、今回もその姿勢を貫いている。

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クロップはクラブワールドカップについて何と言ったのか?

クロップはインタビューでこの大会を強く非難し、次のように語った。

「試合そのものではなく、それを取り巻くイベントばかりに注目が集まっている。それが、クラブワールドカップがサッカー史上最悪のアイデアだと言える理由だ。」

「昨年はコパ・アメリカとユーロがあり、今年はクラブワールドカップ、そして来年はワールドカップ。これでは、出場する選手たちには身体的にも精神的にも本当の意味での回復期間がまったくない。」

試合数の増加は、選手たちの間でも大きな議論を呼んでいる。スケジュールは極度に詰まっており、選手たちには実質的なオフシーズンが存在しない。プレミアリーグとラ・リーガは5月25日に終了し、クラブワールドカップは6月14日に開幕した。他の出場クラブの所属リーグも同時期にシーズンを終えている。

クロップは選手の安全について強い懸念を示し、こう語っている。

「私は本気で心配している。来シーズンには、これまでに経験したことのないようなケガを負う選手が出てくるだろう。もし来シーズンでなければ、それはワールドカップか、その直後に起きる。」

実際、ケガは多発しており、マンチェスター・シティのロドリが9月に前十字靱帯(ACL)の重傷を負った。この選手は以前から、試合数の増加に対するストライキの必要性を示唆していた。

ほとんどのクラブは7月の第1週または第2週にプレシーズントレーニングを開始する予定で、親善試合もすぐに始まる。代表戦やクラブワールドカップで招集された選手たちは、シーズンの合間に十分な休息を取れていないのが現状だ。

原文:Jurgen Klopp expresses outrage over Club World Cup
翻訳:小鷹理人(スポーティングニュース日本版)

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小鷹理人 Masato Odaka

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。埼玉県出身。南アフリカW杯を機にサッカーに魅了され、欧州サッカーを中心に幅広く観戦。大学・大学院でスポーツマネジメントを専攻し、理論と実践の両面からスポーツを追求。フットサル部では全国大会出場経験あり。趣味はスポーツ観戦でサッカー、格闘技、MLBなど幅広く観戦。NBAは現在勉強中。

Dorothy Howard

Dorothy Howard is a freelance soccer writer for The Sporting News. Dorothy loves all things sports, especially soccer. She is unfortunately a hardcore Manchester United fan, but loves the USWNT. Since starting her career, she has published work for multiple sports sites, and is a trusted name in sports reporting.