プロスポーツクラブがますます巨大な経済力を持つようになるにつれ、その富はクラブ全体、選手たちにも波及するようになっている。
近年では、世界的に有名な選手たちがその恩恵を大いに受けており、トップレベルのサッカー選手の給与は急激に増加している。
クリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシといった、史上最高クラスの選手たちはキャリア晩年を迎え、巨額のサラリーによって欧州外のリーグへ移籍。残り少ない現役生活での収益最大化を図っている。
世界で最も高額なサッカー選手ランキング
以下は、スポーティング・ニュースによる、世界のサッカー選手の年収ランキング（※原則として「フォーブス」2025年版「世界で最も稼ぐアスリートTOP50」より引用）。
5. ネイマール（ブラジル）
- 総収入：7600万ドル
- 給与：4600万ドル
- スポンサー収入：3000万ドル
30代に突入してからのネイマールは、ケガに苦しみ不安定なキャリアが続いている。2023年にパリ・サンジェルマンを退団後、サウジアラビアのアル・ヒラルと巨額契約を締結し、高額年俸を得ていた。
しかし、度重なるケガ、特にACL断裂が大きな打撃となり、復帰後わずか数分で再びハムストリングを負傷。アル・ヒラルは契約を打ち切り、ネイマールは古巣サントスに復帰。現在も同クラブに在籍しているが、故障は続いている。
それでも、短期契約でありながら年間約5,000万ドルの収入を維持している。年末で契約が切れるが、彼はサントスに残るのか、それともまた新天地を求めるのか、注目が集まっている。
4. キリアン・エムバペ（フランス／レアル・マドリード）
- 総収入：9000万ドル
- 給与：7000万ドル
- スポンサー収入：2000万ドル
パリ・サンジェルマンは必死にエムバペの引き留めを図ったが、レアル・マドリードの魅力には抗えなかった。ラ・リーガのクラブと締結した契約では、2029年まで年間7,000万ドルが支払われる。
この額は、現在ヨーロッパのクラブに所属する選手としては最高額であり、UEFAによる厳しい財政制限がある中で異例の高待遇だ。特にラ・リーガは財務規制が厳しいことで知られるが、マドリードは問題なく処理。一方でバルセロナは資金繰りに苦しみ、明暗が分かれる形となった。
3. カリム・ベンゼマ（フランス／アル・イテハド）
- 総収入：1億400万ドル
- 給与：1億ドル
- スポンサー収入：400万ドル
2023年にレアル・マドリードを退団し、サウジアラビアのアル・イテハドへ移籍。サウジ政府系ファンド（PIF）が多額の資金を投じて海外スター選手を獲得していた時期の象徴的な移籍だった。
年間1億ドルという契約は、現在世界で3番目に高い年収となっている。
ロナウドがサウジリーグで成功を収める一方、ベンゼマは苦戦。1年目はわずか9得点にとどまり、移籍の噂も浮上した。2年目は21得点と巻き返したが、レアル時代と同様、ロナウドの影に隠れた存在となっている。
2. リオネル・メッシ（アルゼンチン／インテル・マイアミ）
- 総収入：1億3500万ドル
- 給与：6000万ドル
- スポンサー収入：7500万ドル
バルセロナ、そしてPSGを不本意な形で退団したメッシは、アメリカのMLSのインテル・マイアミと契約し、新たな報酬を得た。
マイアミからの直接的な年俸は年間2,000万ドル超と報じられているが、Apple（MLS放映権を保有）などからの報奨金も含めると、その額はさらに増加。また、米国での活動はスポンサー収入の拡大にもつながっている。
興味深いのは、メッシがインテル・マイアミに加入する際、サウジアラビアから年5億ドル×3年＝15億ドルという破格のオファーを断ったとされる点だ。もし受けていれば、歴史的な契約となっていたことは間違いない。
1. クリスティアーノ・ロナウド（ポルトガル／アル・ナスル）
- 総収入：2億6100万ドル
- 給与：2億1100万ドル
- スポンサー収入：5000万ドル
サウジのアル・ナスルと結んだ信じがたい契約によって、ロナウドは2025年現在、世界で最も稼ぐサッカー選手、いやアスリート全体の中でも断トツのトップとなっている。
2025年夏に更新した新契約では、年俸が2億1,100万ドルに設定されており、前契約の2億2,500万ドルより若干減額されたとはいえ、世界最高額の年俸であることに変わりはない。スポンサー収入を合わせると、年間2億5,000万ドル以上という驚異的な額に達する。
原文：Who is the highest-paid soccer player in the world? Inside biggest salaries, from Cristiano Ronaldo to Neymar
翻訳：小鷹理人（スポーティングニュース日本版）
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