日本代表の鎌田大地が所属するクリスタル・パレスは、UEFAに対するスポーツ仲裁裁判所(CAS)での控訴が棄却されたことを受け、法的手段の可能性を検討している。
パレスは、複数クラブ所有規定の違反により、ヨーロッパリーグ(EL)からUEFAカンファレンスリーグ(ECL)へ降格処分を受けたことに対し控訴していた。
パレスは2025年FAカップ決勝でマンチェスター・シティを1-0で下し、ヨーロッパリーグ出場権を獲得していた。
しかしUEFAは、3月1日時点で米国人実業家ジョン・テクスターがパレスとフランスのリヨン双方に影響力を持っていたと認定し、規定違反としてパレスをカンファレンスリーグに降格させた。
両クラブともヨーロッパリーグに出場資格を得ていたが、この違反により不運にもパレスが降格の対象となった。
パレスは判定を不服として控訴し、8月8日にスイス・ローザンヌで10時間に及ぶ審理が行われ、スティーブ・パリッシュ会長も出席した。
CASは8月11日、UEFAの当初の決定を支持する裁定を下した。
スカイスポーツによると、パレスは今後、損害賠償請求の可能性について弁護士と協議する予定だという。
CASは、関係する全当事者がそれぞれ自分の法的費用を負担するよう命じた。
今後のクリスタル・パレスの行方は?
パレスがカンファレンスリーグに降格したことで、ノッティンガム・フォレストがヨーロッパリーグに繰り上がることになった。両者は8月24日のパレスのプレミアリーグ本拠地開幕戦で対戦する。
南ロンドンのクラブにとっては、8月21日と28日に行われるカンファレンスリーグ予選プレーオフが新たな戦いの場となる。
パレスは控訴審で、フォレストやリヨンと比較して不公平な扱いを受けたと主張したが、CASはこれを退けた。
では、なぜイーグル・フットボール・ホールディングスのオーナーであるジョン・テクスター氏は、3月1日の期限前に株式を売却しなかったのか。
その必要がなかったからだ。株式を「ブラインド・トラスト」と呼ばれる法的信託に預ければ規定違反を回避できる抜け道があるが、それを行わなかったため、パレスは不利な立場に置かれた。
テクスターはその後、7月下旬に株式を米国人実業家ウッディ・ジョンソン氏に売却した。
CASの棄却判断は、「ルールはルール」という明確なメッセージをパレスに突きつけた形だ。
この争いにおいて、パレスの道は事実上閉ざされた。損害賠償請求が認められる可能性は低く、今後はプレミアリーグとカンファレンスリーグに集中する必要がある。
原文:Crystal Palace assess legal options after appeal rejection
翻訳:小鷹理人(スポーティングニュース日本版)
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