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チェルシー、マレスカ監督退任の理由は? CWC、ECL制覇に導いた指揮官と袂を分かった背景

Dom Farrell

浄見耕志 Koushi Kiyomi

チェルシー、マレスカ監督退任の理由は? CWC、ECL制覇に導いた指揮官と袂を分かった背景 image

新年を迎えても、チェルシーは相変わらずだった。

プレミアリーグの名門チェルシーは、エンツォ・マレスカ監督との決別を決断し、再び新たな指揮官探しに乗り出すこととなった。

昨季、マレスカ監督はUEFAカンファレンスリーグとFIFAクラブワールドカップ制覇という輝かしい成果を残し、チャンピオンズリーグ出場権も確保していた。それだけに、イタリア人指揮官の急転直下の失速は、驚きをもって受け止められている。

欧州最高峰の舞台でも、チェルシーは確かに前進しているように見えた。11月にはスタンフォード・ブリッジでバルセロナを3-0で下し、続くアーセナル戦でも、モイセス・カイセドが前半に退場となり数的不利に陥りながら、1-1の引き分けに持ち込む粘りを見せた。

この試合内容は、ウェストロンドンのクラブを優勝争いの候補と見る声を生むほどだった。しかし現実は厳しく、その直後から公式戦9試合でわずか2勝という低迷に陥る。そのうちの1勝は、カラバオ・カップでのリーグ1(3部)所属カーディフ・シティ戦だった。

この不振の最中、クラブと指揮官の関係は修復不可能な段階まで悪化し、ついに決裂へと至った。

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チェルシーはなぜマレスカ監督を解任したのか

チェルシーは1月1日に発表した声明で、シーズンを「軌道に戻す」ために指揮官交代が必要だったと説明した。しかし実際には、マレスカ監督とクラブ首脳陣の亀裂は、単なるピッチ上の結果だけが原因ではなかった。もちろん、直近の不振が大きな要因であったことは否定できない。しかし、それだけではなかった。

本質的には、チームのパフォーマンス低下とマレスカ監督自身の振る舞いが重なり合った結果、退任という結末に至ったと言える。

昨季の目覚ましい成果にもかかわらず、チェルシーにおけるマレスカ監督最大の問題は、大きな前進を見せた直後に、再び後退してしまうという感覚が拭えなかった点にあった。

バルセロナ戦やアーセナル戦での好パフォーマンスの後に、4試合連続未勝利という流れが待っているとは誰も予想していなかっただろう。その中には、プレミアリーグでの降格圏争いに巻き込まれていたリーズ戦の敗戦や、チャンピオンズリーグでのアタランタ戦の黒星も含まれていた。

エバートンに2-0で快勝し、ようやく悪い流れに区切りをつけたかに思われた。しかし、そこでマレスカ監督は公の場で不満を強める選択を取り、それが結果的に、新年を無職で迎えることにつながる一連の出来事の引き金となった。

エバートン戦後、マレスカ監督は「クラブに来て以来、この48時間が最もつらかった。多くの人が私やチームを支持してくれなかったからだ」と語っている。この発言が、右サイドバックのマロ・ギュストの調子について問われた質問への回答だったことからも、マレスカが胸中に強い不満を抱えていたことは明らかだった。

45歳の指揮官は続けてチェルシーのファンへの「愛」を口にしたが、その矛先はスポーツ・ディレクターのローレンス・スチュワート氏とポール・ウィンスタンリー氏に向けられていたと見る向きが強い。退任後の報道では、マレスカがクラブのメディカル部門にも不満を抱いていたとされ、負傷がちな主将リース・ジェームズのコンディション管理を巡る対立が、その一因だったとも伝えられている。

その後、カーディフで行われるカラバオ・カップ準々決勝を前に、問題発言について説明を求められたマレスカ監督は「十分、明確に話した」と主張した。しかし、その説明は必ずしも明瞭とは言えなかった。さらに、その週の後半に浮上した臆測は、彼の発言が意図的な“権力闘争”だった可能性を示唆するものだった。

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マレスカ監督はグアルディオラ監督の後任となるのか

12月18日(木)、『ジ・アスレチック』のデイビッド・オーンスタイン記者は、今季限りでペップ・グアルディオラ監督が退任した場合、エンツォ・マレスカ監督がマンチェスター・シティの次期監督候補として検討されていると伝えた。

マレスカ監督は2020-2021シーズンにシティのU-23チームを率い、コール・パーマーらを擁してプレミアリーグ2制覇に導いている。その後、2022-2023シーズンの三冠達成時には、グアルディオラ監督のスタッフの一員としてエティハド・スタジアムに復帰していた。

その報道について、週末のニューカッスル戦を前にマレスカ監督は、「自分にはまったく影響はない。100%憶測だと分かっているからだ」とコメント。この試合でチェルシーは、前半に精彩を欠いたものの、後半に立て直し、2-2の引き分けに持ち込んでいる。

Guardiola Maresca
Getty Images

同じ週末、ウェストハム戦を前にしたグアルディオラ監督も、同様にこの話題を一蹴した。2027年6月まで契約を結んでいる指揮官は、マレスカ監督の名前が取り沙汰される中で去就を問われると、次のように語っている。

「ここ3、4年、ある時期になると必ず同じ質問をされる。遅かれ早かれ、75歳か76歳になったらマンチェスター・シティを去るだろう。その質問の意味は理解しているが、私はまだ18か月の契約を残しており、今をとても楽しんでいる」

こうして、もともと現実味に乏しかったエティハド・スタジアムへの道が閉ざされると、関心は、マレスカ監督が実際に何を狙っていたのかという点に戻った。今世紀初頭に選手として4年間在籍したユヴェントスも、元パルマ指揮官であるマレスカ監督に関心を示していると伝えられている。

最も有力と見られていたのは、将来的な高い転売価値を持つ若手有望株を集めるという、チェルシーが進める継続的なプロジェクトの一環だった。マレスカ監督の退任後も、クラブが1月の移籍市場で積極的に動く可能性は高いとみられている。

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チェルシー声明の“言葉選び”が示すもの

マレスカ監督の退任を伝えたチェルシーの声明文は、その言い回しから「自ら身を引いたのか、それともクラブに追い出されたのか」を巡る憶測を呼ぶこととなった。

もし再び勝利を重ねることができていれば、これまでに生じた不信感や混乱も収束していたかもしれない。しかし、アストン・ヴィラ戦では1点をリードしながらホームで逆転負けを喫し、続くスタンフォード・ブリッジでのボーンマス戦も、低迷する相手に2-2の引き分けに終わった。この試合では、コール・パーマーが交代させられた際、ホームのサポーターから「何をやっているのかわかっていない」というチャントが飛ぶ場面もあった。

このボーンマス戦終了時点で、チェルシーはプレミアリーグ5位につけていたが、スタンドの一部からはマレスカ監督に対するブーイングも起きていた。試合後、マレスカ監督は記者会見などのメディア対応を行わず、代わりにアシスタントコーチのウィリー・カバジェロ氏が対応。元アルゼンチン代表GKのカバジェロ氏は、マレスカ監督が数日前から体調を崩していたと説明した。

しかし、この説明については疑問も呈されている。1月1日付の『ガーディアン』でジェイコブ・スタインバーグ記者が、マレスカが解任される可能性が高いと最初に報じた記事の中でも、その経緯には不透明な点があると指摘されていた。

チェルシーはマレスカ監督の退任について、次のような声明を発表した。

チェルシー・フットボール・クラブは、ヘッドコーチのエンツォ・マレスカ氏と双方合意のもとで、袂を分かつこととなった。

在任期間中、エンツォはUEFAカンファレンスリーグおよびFIFAクラブワールドカップ制覇という成功にチームを導いた。これらの功績は、クラブの近年の歴史において重要な一部として刻まれるものであり、クラブは彼の貢献に感謝の意を表する。

チャンピオンズリーグ出場権獲得を含め、4つの大会で依然として重要な目標が残されている中、エンツォ本人とクラブは、指揮官交代がシーズンを軌道に戻すための最善策であるとの認識で一致した。

エンツォの今後の活躍を祈っている。

声明に使われた「parted company(袂を分かつ)」という表現、そして発表前から各メディアで用いられていた「parted ways(別れた)」という言い回しは、マレスカ監督が契約満了までの報酬を全額受け取る形ではなく、一定の和解条件が合意された可能性を示唆するものだ。『ESPN』によれば、マレスカ監督の契約は2029年6月まで残っており、年俸は400万ポンド(1ポンド=211円換算で約8億4500万円)とされていた。

『ガーディアン』紙の記事では、マレスカ監督がフットボール面やスカッド編成において、より大きな権限を求めていたとの見方も紹介されている。しかし、若手有望株の獲得に特化した大規模なリクルートメント体制を構築してきたチェルシーのオーナー陣が、その要求を受け入れる可能性は低かったと考えられる。

クラブ側としては、マレスカ監督ほど強い権限を求めず、そうした体制に順応できる指揮官は他にも十分にいる、という主張になるだろう。その意味では、リーグ・アンのストラスブールを率いるリアム・ローゼニア監督が次期指揮官候補の最有力と目されているのも、決して不思議ではない。

ストラスブールは、チェルシー会長のトッド・ベーリー氏とクレアレイク・キャピタルが主導する「BlueCo」によるマルチクラブ・オーナーシップの一員であり、その関係性も背景にある。

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原文:Why did Chelsea sack Enzo Maresca? Reasons why Blues parted ways with trophy-winning Italian coach
翻訳・編集:浄見耕志(スポーティングニュース日本版)

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