TL;DR
- 鹿島がレオ セアラの2ゴールで横浜FMに2-1で勝利し、9季ぶりのリーグタイトルに王手をかけた。
- 鹿島は横浜FMのロングボール戦術を封じ、速い判断からの攻撃で優位に立った。
- 鹿島は運動量で互角でも、質の高い走りで横浜FMを上回り、勝利を決定づけた。
鹿島 2-1 横浜FM
■ 戦評
9季ぶりのリーグタイトルが目前に迫った鹿島は、4連勝中と勢いに乗る横浜FMをホーム・メルカリスタジアムに迎えた。
立ち上がりから両チームとも激しくプレスを掛け合い、ボールが前へ進まない展開。
開始15分までのシュートは鹿島の知念が直接FKから放った1本のみだった。
均衡が破れたのは前半20分。
知念のボール奪取から荒木が右サイドに展開し、松村がスピードを生かして突破。
折り返しを受けた荒木は一度シュートを空振りするが、すぐに体勢を立て直しオーバーヘッド気味に中央へボールを送る。
この浮き球にレオ セアラが反応し、冷静に流し込んで鹿島が先制した。
欲しかった先制点を手にした鹿島は、そのまま1-0で前半を折り返す。
後半、横浜FMは加藤蓮に代えて山根陸を投入し流れを変えようとする。
しかし、鹿島の前線からのプレスに押し込まれ、アタッキングサードに運ぶことすら難しい時間が続いた。
すると後半12分、横浜FM守備陣のもたつきを鹿島が逃さない。
前線の圧力からボールを奪うと、松村のクロスをレオ セアラが押し込み、この日2点目。
鹿島が優勝に大きく近づく追加点を奪った。
横浜FMは終盤、途中出場の角田の突破から天野が1点を返すが反撃はここまで。
鹿島が盤石の試合運びで横浜FMを退け、9季ぶりのリーグタイトルを手にした。
■ 勝敗を分けたポイント
横浜FMは連勝時と同様、ロングボールを相手陣地に送り込み、前線の競り合いからセカンドボールを回収して攻撃に繋げる狙いだった。
しかしこの試合では、前に入れたボールを鹿島のDFラインにことごとく跳ね返され、セカンドボールもほぼ鹿島に回収された。
結果、攻撃の形すら作らせてもらえない時間が続いた。
一方の鹿島は、ボール奪取後の判断が速く、松村のスピード、荒木のテクニックを活かして横浜FMの守備が整う前に危険なエリアへ侵入。
2点目の場面はその象徴で、横浜FMのわずかな迷いを突いて一気に仕留めてみせた。
終盤の失点を除けば大きなピンチはほぼなく、90分を通して“王者の試合運び”を体現した。
▼なぜ鹿島は出足で横浜FMを上回り続けたのか
「鹿島の運動量が上回った」と感じたファンも多いが、実際の走行距離・スプリント数は互角だった。
差が生まれたのは 走りの“質” にある。
Kashima held a significant advantage in ball possession at 66% compared to Yokohama FM's 34%. However, unlike their winning streak where Yokohama FM could finish with shots despite lower possession, in this match, Kashima frequently recovered the ball in earlier stages, leading to counter-attacks.
横浜FMは守備に追われる“受け身の走り”が増え、試合の約3分の2を消耗する展開になった。
対照的に鹿島は、攻撃時の連動、守備時のプレス、どれもチーム全体の意図が共有されており、次のプレーを予測した能動的なランニングが大半を占めた。
その結果、運動量の数字では互角でも、出足で上回るように見えたのである。
この “走りの内容の差” こそが、鹿島が横浜FMを凌駕し勝敗を左右した最も大きな要因といえる。
■試合情報・スタッツ
▼試合環境
- 会場:茨城県・メルカリスタジアム
- 観衆: 37,079人
- 天候/風:晴れ/弱風
- 気温/湿度:12.4℃/48%
- 芝状況:全面良芝
▼得点経過
- 前半20分 レオ セアラ <鹿島>
- 後半12分 レオ セアラ <鹿島>
- 後半46分 天野 純<横浜FM>
▼試合スタッツ
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