セレッソ大阪2-0川崎フロンターレ
■戦評
C大阪が今季34試合で65得点とリーグトップの得点力を誇る川崎をホームに迎えた一戦。
開始15秒にC大阪大畑が抜け出しいきなりの決定機。
この場面は川崎GK山口のファインセーブで難を逃れるものの、直後の4分には田中からのダイナミックな展開から、最後はラファエル ハットンが決めてC大阪が先制。
さらに7分には川崎の守備がもたついたところを、最後は田中が豪快に決めてC大阪が早々に2点のリードを奪う。
川崎もC大阪の素早いパスワークに苦戦しながらも徐々に流れを掴み、20分には伊藤が絶妙なファーストタッチからシュートに至るもC大阪GK福井が体を張ったセーブ。
さらに山本のフリーキックからマルシーニョが押し込むも、オフサイドがあったとの判定でノーゴール。
前半はこのまま2-0でホームのC大阪がリードで折り返した。
後半は頭から2人選手を入れ替えた川崎が優勢。
再三C大阪ゴールに迫るもGK福井を中心とした守備陣は綻びを見せることなく川崎の攻撃をシャットアウト。
追加点こそ奪えなかったものの会心の展開で、5月24日第18節福岡戦以来17試合ぶりの完封勝利を収めた。
■勝敗を分けたポイント
C大阪は逆サイドのコーナースポット目がけて蹴るような対角のボールを多用することで川崎は常にゴールを背を向けて守る形になり、ゴール前でフリーの状況を作りやすい展開となった。
対する川崎はロングボール使用時パスの選択肢がCF目がけて出す一辺倒で、エリソンの独力でチャンスになることはあってもC大阪守備陣としては対応しやすく、チャンスを作りにくい状況であった。
C大阪守備陣の集中力も最後まで継続し、特に川崎得点源の伊藤、エリソンに自由をほとんど与えなかったことで川崎攻撃陣を沈黙させた。
■これからの展望
≪C大阪≫
破壊力抜群の川崎の要注意プレーヤー伊藤に対しては大畑をマンツーマン気味に付かせ、エリソンに対しては常に複数で対応し自由を奪うことができた。
後ろが安定したことで前も人数をかけることができ結果厚みのある攻撃につながった。
今季多くの得点を創出したルーカス フェルナンデスがケガして以降不在だったチャンスメーカーのポジションに中島が名乗りを挙げた。
前を向く/向かない、運ぶ/パスをするの判断が良く川崎の守備が常に嫌がることを選択し続けた。
残りの試合でどれだけ得点チャンスを作るのか楽しみな存在。
≪川崎≫
エリソン、伊藤はじめ個人でチャンスを作る能力は健在。
しかし、C大阪戦のように常に正対した守備との一対一を制することが前提の攻撃となると、チャンスになる回数は自然と減ってくる。
マルシーニョや伊藤が裏で優位に受ける機会が増えれば相手DFは裏を警戒するポジションを取り、二人の技術を活かしやすいスペースのある状況を作りやすくなる。
技術もそれに伴うサッカーIQも高い選手たちが揃っているだけに、終盤戦どのような形で締めくくるのか楽しみだ。
■基本データ
- 会場:ヨドコウ桜スタジアム
- 観衆:17,360人
- 天候/風:雨のち曇りのち雨/弱風
- 気温/湿度:22.4℃/62%
- 芝状況:全面良芝
■得点経過
<C大阪>前半4分 ラファエル ハットン(アシスト:チアゴ アンドラーデ)
<C大阪>前半7分 田中駿汰
■試合スタッツ
C大阪 川崎
36% ボール保持率 64%
15(7) シュート(枠内) 11(3)
9 コーナーキック 3
7 フリーキック 13
118.701km 走行距離 112.428km
108 スプリント 107
346(79.2%) パス(成功率) 649(86.9%)