ペップ・グアルディオラ監督、最大の危機? 欧州CLボデ/グリムト戦が示すマンCの現在地

Dom Farrell

小鷹理人 Masato Odaka

ペップ・グアルディオラ監督、最大の危機? 欧州CLボデ/グリムト戦が示すマンCの現在地 image

ペップ・グアルディオラ監督は、マンチェスター・シティでこれまで困難な時期を経験してきた。エティハド・スタジアムに就任してから、すでに9年半が経過しているのだから、それは避けられないことでもある。

チャンピオンズリーグでは、いくつかの苦い記憶がある。2018年準々決勝でのアンフィールドにおけるリバプール戦の大敗、2年後の同じ準々決勝でのリヨン戦での惨憺たる崩壊、そして2021年にポルトで行われた決勝でのチェルシー相手の精彩を欠いた0-1敗戦である。

指揮官就任初年度の2016-2017シーズンには、バランスを欠いたシティのスカッドがレスター・シティやエバートンに4失点を喫し、名将としてバルセロナおよびバイエルン・ミュンヘンの元監督であるグアルディオラが、イングランド・フットボールの激流に飲み込まれるのではないかと一時は思われた。

しかし、周知の通り、その後7シーズンで6度のプレミアリーグ優勝を達成し、2020-2021から2023-2024にかけては史上初の4連覇も成し遂げた。さらに2022-2023シーズンには、プレミアリーグ、FAカップ、チャンピオンズリーグの三冠を達成し、これはイングランドではマンチェスター・ユナイテッドしか成し遂げていなかった偉業である。

こうした実績により、グアルディオラ監督の評価は揺るぎないものとなり、昨季中盤に公式戦13試合でわずか1勝しか挙げられなかった不振も受け止めることができた。その結果、トップチームの再建が急ピッチで進められ、シティは過去12か月で約4億5,000万ポンド(約6億400万ドル)を新戦力に投じた。一方で、ケビン・デ・ブライネ、イルカイ・ギュンドアン、カイル・ウォーカー、エデルソンといったクラブの象徴的存在がチームを去った。

そうした背景を踏まえると、チャンピオンズリーグで未勝利の歴史しか持たないボデ/グリムトに3-1で敗れたという結果は、シティがたどり着くべき地点とは言い難い。

なぜボデ/グリムト戦の敗北が、ペップ体制下で最悪の試合となり得るのか

極寒の地・北極圏での敗戦というだけでも十分に屈辱的だが、この敗北が「最悪」と言われ得る理由は、わずか4日前にも同等、あるいはそれ以上に悲惨な試合を演じていた点にある。オールド・トラッフォードでのマンチェスター・ユナイテッドとのダービーでは0-2で敗れたが、そのスコアでさえ、内容を考えれば不当に軽いものだった。

UEFAチャンピオンズリーグでマンチェスター・シティ相手に3点以上のリードを奪ったチームは以下の通りである

昨季の不振時と同様、現在のグアルディオラ監督は守備陣の負傷者続出に苦しんでいる。ルベン・ディアス、ヨシュコ・グバルディオル、ジョン・ストーンズ、マテウス・ヌネスが離脱中であり、ナタン・アケもボデ戦ではベンチから出場できる状態ではなかった。その一方で、若手のマックス・アレインは苦戦を強いられ、ロドリは退場処分を受けている。アレインはチャンピオンシップ(2部)のワトフォードへのレンタルから呼び戻されて以降、5試合連続で起用されている。

それでも、この高額な補強を施したシティの陣容には、このボデとの試合、さらにはユナイテッドとの一戦を乗り切るだけの戦力が十分に備わっていたはずだ。両試合で相次いだオフサイドによるゴール取り消しがなければ、スコアはさらに大差となっていても不思議ではなかった。

以下では、現在の危機を招いている根本的な問題点をいくつか挙げていく。

アーリング・ハーランドの不振

アーリング・ハーランドは、精彩を欠いたマンチェスター・ダービーを終え、交代でピッチを退いた。フルタイムの10分前にベンチへ下がった彼は、その後ノルウェーの母国へ戻っている。直近8試合での得点は、1月7日のブライトン戦で決めたPKによる1点のみである。

ハーランドが超人的な得点力を発揮できないとき、シティにとって大きな問題となる。なぜなら彼は、ゴール以外でチームに貢献できる要素がほとんどなく、単なる「問題点」になってしまうからである。

25歳のハーランドは、2022年にシティへ加入して以降、総合的にプレーの質を向上させてきた。しかし、フィル・フォーデンやラヤン・シェルキがライン間で繰り出す流動的なビルドアップを、彼が自ら高める存在になることは今後も期待しにくい。負傷により主力選手を欠くチーム状況の中で、ハーランドの主な貢献は、前半に2度の平凡な決定機を逃したこと、そして腕を振り回して味方に不満をぶつける姿だけだった。現状の彼のパフォーマンスは、明らかに不十分であり、もっと、はるかに良い内容を示す必要がある。

リーダーシップの欠如

守備陣と、グアルディオラ監督が選択している守備的セットアップ(これについては後述する)は、ルベン・ディアスの不在を強く感じさせる。ポルトガル代表DFは、シティにおいて最も明確なピッチ上のリーダーであり、彼がいないとチームは脆さを露呈しがちである。

キャプテンのベルナルド・シルバはノルウェー遠征で出場停止となり、キャプテンマークはロドリが託された。しかし、シェルキが反撃のゴールを決めた直後に、わずか1分の間に2枚のイエローカードを受けて退場した2024年バロンドール受賞者の行動は、リーダーシップや責任感とは最もかけ離れたものだった。

若手のマックス・アレインは、ボデ/グリムトの最初の2得点に直接関与してしまい、チームは彼を守る形を作ることができなかった。平均年齢で見て、24歳と84日というシティ史上最年少のチャンピオンズリーグ先発メンバーであり、その未熟さが如実に表れた試合でもあった。25歳のフィル・フォーデンは、かつての神童でありながら、今やこのチームでは「年長者」の立場にある。2023-2024シーズンの年間最優秀選手級のフォームを今季序盤に取り戻しつつあったが、ここ数週間の存在感のなさは到底容認できるものではない。

グアルディオラ監督の戦術

これまで幾度となくシティの勝敗を分けてきた指揮官だが、現在はその戦術がむしろ足かせとなっているように見える。

過去のチャンピオンズリーグでの大敗は、大舞台でグアルディオラ監督が奇策に走り、裏目に出た結果だと語られてきた。しかし今季は、レアル・マドリードでの2-1勝利のような印象的な結果を残した試合ですら、シティの基本的な布陣は極めて脆弱に映る。

昨季の不振を乗り切るきっかけとなった戦術、すなわち中盤中央に創造性のあるMFを密集させ、幅はSBに任せる形を発展させ、今季のシティはボール保持時に3-1-6の配置を採用してきた。その6人の前線のうち1人はSBが加わる形である。

問題は、相手守備を圧倒できず、かつ最終局面でのパス精度が低下した場合に、チームが極端に無防備になる点にある。皮肉なことに、ボデ/グリムトの人工芝では、その精度がまさに欠けていた。しかも、その「1」を担うロドリ自身が、深刻なコンディション不良からの復帰途上にあることを考えれば、なおさらである。

ボデでは、ラヤン・アイト=ヌーリ(本来とは逆のサイド)とニコ・オライリーの両SBが攻撃に参加し、相手にボールを奪われるたびに、アレインとアブドゥコディル・クサノフが対応に追われる状況を生んでいた。アイト=ヌーリは今夏加入後、調子とフィットネスに悩まされており、本来のポジションで輝く機会を与えるべき試合だったはずだ。それにもかかわらず、ダービーで苦戦したリコ・ルイスを右SBから外し、結果的にアイト=ヌーリを厳しい状況に追い込んだ。

マーク・グエイの加入はタイミングとしては悪くないが、この布陣のままでは、イングランド代表DFをいきなり過酷な環境に放り込むことになりかねない(今週末の相手はウルブズである)。ニコ・ゴンサレスが復帰すれば、ロドリと並ぶスペイン人2ボランチを形成し、秩序を取り戻す試みを行うべきだろう。

グアルディオラ監督、ボデ/グリムト戦敗北後のコメント

「立て直さなければならない。2025年に入ってからの結果は、プレミアリーグでも、そして今日も良くない」とグアルディオラは試合後の記者会見で語った。週末のマンチェスター・ユナイテッド戦の敗戦は、その前のプレミアリーグ3試合連続ドローに続く結果だった。

「それでも前に進む。次はウルブズ、その次はガラタサライだ。すべてがうまくいっていないという感覚はある。細かい部分だが、それを変えようとしなければならない。この大会について疑いは一切ない。何一つ当たり前のことはない」

「ユナイテッドは我々に勝ち、彼らの方が良かった。今日は(ボデ/グリムトが)勢いを持っていた。しかしチームは戦えていたし、チャンスも作った。トランジションでは、彼らは本当に優れていた」

グアルディオラは、オールド・トラッフォードでの敗戦と比べればパフォーマンスは改善されていたと感じており、ロドリ退場後のチームの闘争心を称えた。

「10人対11人でも戦った。次のウルブズ戦、そしてガラタサライ戦に向けて流れを変えなければならない」と付け加えた。

「ユナイテッド戦では精彩を欠いていたが、今日は違った。サヴィーニョやジェレミー(ドク)、ウイングの選手たちがいなかった。他のポジションでも欠けている選手がいて、彼らがいればもっと安定感をもたらしてくれるはずだ」

なお、注意深い観察者であれば、ドクがこの試合で未出場の交代要員だったことに気づくだろう。しかしグアルディオラ監督が、コンディションが万全でない選手を、特定の状況でごく限定的に使う前提でベンチに置くことは珍しくない。明らかに、ベルギー代表ウインガーはボデでフルにプレーできる状態ではなかった。

シティはチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに進出できるのか?

ボデ/グリムト戦の敗北後も、シティは順位表で7位を維持しているが、11位のリバプールとの差はわずか勝ち点1である。

第7節の他会場の結果次第では、1月28日に行われるホームでのガラタサライ戦に勝利し、リーグフェーズ8位入りを果たして、ラウンド16へストレートインする必要が出てくる可能性が高い。

ボデ/グリムトはどこに本拠地を置くクラブか

ボデ/グリムトは、ノルウェー北部で2番目に大きな町であるボードーを本拠地としている。人口は約5万5,000人で、北極圏の上に位置し、首都オスロからは500マイル以上北にある。

1916年に「フォトバルクルッベン・グリムト」として創設され、ノルウェー1部リーグ(エリテセリエン)で4度の優勝を誇るクラブは、1948年に現在のボデ/グリムトへと改称した。

本拠地は収容人数8,270人のアスプミラ・スタディオンで、厳しい冬の気候のため、人工芝が採用されている。

原文:Man City embarrassed by Bodo/Glimt: Why Champions League loss might be their worst game under Pep Guardiola
翻訳:小鷹理人(スポーティングニュース日本版)

関連記事