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大塚明・前ロッテコーチ「責任を取らないといけない」…退団した舞台裏を説明

尾辻剛 Go Otsuji

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Go Otsuji

ロッテを退団し、今年は外からプロ野球界を見守る大塚明氏

■最下位に終わった責任を取り…2025年オフに退団

男のけじめだった。ロッテでチーフ打撃コーチ兼走塁コーチを務めた大塚明氏は2025年オフ、32年間所属したチームを退団。入団後初めて球界を離れ、今年は外からプロ野球を見守る。新たな一歩を踏み出した50歳。人生の節目を迎え、ロッテ退団に至った2025年シーズンの舞台裏を明かした。

「やっぱり一番の理由は、責任を取らないといけないということ。打撃コーチとしてチームの成績が全然良くなかったわけですからね。それが責任の取り方だと思います。それに僕が現役の時もそうでしたけど、結果が良くないのにチームに残って指導しても、選手がついてこない。それは強く感じました」

コーチ兼任だったプロ17年目の2010年に現役を引退。2011年から外野守備・走塁コーチを務め、荻野貴司や角中勝也、髙部瑛斗、藤原恭大らを主力に育て上げてきた。

「足が速くて守備が良くても、打てないとレギュラーにはなれない。ロッテというチーム環境だからこそ、任せてもらえた部分もあったと思うんですけど、打撃面でも口を出していました。打って守れて走れる3拍子そろった選手を育てる。外野陣の底上げを意識していました」

そんな中で迎えた2025年。肩書がチーフ打撃コーチ兼走塁コーチに変わった。打撃面の責任者となったのである。ロッテはソフトバンクとの開幕3連戦に3連勝。絶好のスタートを切ったが徐々に失速し、最下位に低迷した。

最終的にシーズンのチーム打率.241、73本塁打、421打点、441得点はいずれもリーグ5位。攻撃陣が振るわなかったことも、8年ぶり最下位に終わった一因となったのだ。

何も手を打たなかったわけではない。チームは6月にサブロー2軍監督(現1軍監督)をヘッドコーチに配置転換。テコ入れを図った。同時に、将来も見据えてルーキーの西川史礁外野手や高卒2年目の寺地隆成捕手ら若手を積極的に起用するようになった。

「サブローヘッドコーチとなったと同時に、若手に大きく切り替えました。もちろん、若手にスイッチするタイミングはうかがっているし、そうあるべきだとは思います。でも、そこでガラッと変わることは想定していなかったんです。若手も定位置を奪ったのではなく、最初は与えられた状況でした」

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■若手への切り替え…中堅やベテランの出番激減「責任は重い」

チームの方針に異論はない。ただ、それまでは「中堅どころの踏ん張りと頑張りで柱になってもらうことで、シーズンを勝っていこうとしていました」と振り返る。前年までレギュラーだった中村奨吾内野手が20試合出場にとどまるなど、中堅やベテランの出番が激減する1年でもあり、複雑な思いを抱いたのは事実だった。

「中堅どころの生活もある。生活を奪ったというのであれば、この責任は重い。あのポジションにいると、凄く感じるんです。『けつを拭かないといかんよな』と思いました。だから、やめることに違和感はなかったです」

最下位の責任と、中堅やベテランに対する責任。ロッテ一筋で32年間着続けてきたユニホームを脱ぐ覚悟が固まったのだ。球団からは再三の慰留を受けたが「コーチとして、やり尽くした感がある」と気持ちは変わらなかった。

もちろん、わだかまりはない。コーチ時代は本拠地での試合の際は午前9時に球場入りして午前0時過ぎまで球場に残ってデータ整理する激務の日々でも「充実していた」と振り返る。「現役時代はケガもあって苦しいことが多かったけど、コーチ時代は物凄く楽しかったです」と笑みを浮かべた。

「球団には『自分のけじめだけはしっかりつけたい』という思いをのんでもらいました。今でも僕のことを応援してもらっていますし、長い間お世話になり、本当に感謝の思いしかありません」

他球団からコーチとしての誘いや、海外球団から監督就任のオファーもあったが、諸事情で立ち消えに。今年は球界を外から見守ることになる。プロ野球以外にも視野を広げたい考えもあり「可能なら高校野球や大学野球、社会人野球で指導するのもありかなと思っています」という。

女子野球を指導する可能性も出ており「どのカテゴリーでもいいので、監督をやってみたい気持ちはあります。自分の裁量で勝負して、みんなで勝利に向かってやっていきたい」と指導意欲に衰えはない。まだ50歳。さまざまな挑戦が可能で「いろいろなことを勉強する1年にしていきたい」と前を向く。

現役、コーチ時代に培った多くの財産が武器としてある。新たなステージで、球界のさらなる発展に一役買っていく。

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Editorial Team