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移籍したドラ1右腕、ロッテとの違いに驚き…覚えた違和感、中日の若手は「ビビっている」

尾辻剛 Go Otsuji

移籍したドラ1右腕、ロッテとの違いに驚き…覚えた違和感、中日の若手は「ビビっている」 image

Jiji Press

移籍した中日で投球練習する大嶺祐太

■大嶺祐太氏、プロ16年目は中日でプレー

2006年の高校生ドラフト1位指名を受けてロッテに入団した大嶺祐太投手は、15年間ロッテでプレーし2021年に戦力外通告を受けた。2019年の右肘手術から復活勝利を挙げた年でもあり、現役続行を選択。中日と育成契約を結んで初めてのセ・リーグに身を置き、今までになかった経験を重ねていった。

夫人と2歳の長男を残し、単身で新天地での挑戦。「野球と区切りをつけに行ったつもりでした。ダメだったら野球を諦める。そういう気持ちで中日に行きました」。背水の覚悟で名古屋に向かった。

沖縄での春季キャンプは1軍スタート。ただ2月下旬に右肩を痛めて2軍調整を余儀なくされた。6月に実戦復帰して好投を続けていたものの、無理な登板が続いて右肩痛を再発し再び戦線離脱。支配下登録を勝ち取ることはできなかった。

それでもロッテとのチームカラーの違いを知ることができたのは大きいという。「ロッテとは雰囲気が全然違いました。名古屋駅からセントレア(中部国際空港)まで車両を貸し切って全員で移動したんですけど、誰もしゃべらなくてシーンとしたままなんです。翌日のクラブハウスでも誰もしゃべらないんですよ」。私語は慎むべきという雰囲気だったようである。

どんな時でも会話が飛び交うロッテとあまりの違いに「『ドラゴンズの選手たちって仲が悪いのかな?』って聞いたぐらいです」と回顧。仲が悪いわけではなく、それが中日の“色”だと理解した。

■「人生の中で、いい経験ができたと捉えています」

練習中の様子にも違いがあったそうだ。「中日の2軍の選手は、周りの目を気にしながら練習をしている感じがしました。他人と違うことをすることにビビっているように見えたんです」。大嶺氏の目には、首脳陣から指示された通りにしか動いていないように映った。

「練習することはいいことですけど、やり方が問題です。ドラゴンズの若手には『コーチに言われたことだけをやってると、やめた時にコーチのせいにする可能性がある』とか『自分がやりたいことをやっておかないと後悔するんじゃないかな』って言いました」

他にも疑問に感じた部分がある。実績十分の左腕・大野雄大、右腕・柳裕也が2軍調整中、2人に助言を求めようとする若手がいなかったそうである。「球界を代表する投手が2人も、しかも右と左がいるのに話を聞きに行かないのはもったいない。『アドバイスを聞いてくれば?』と言っても『恐れ多くて質問なんかできないです』となるのが中日でした」。ロッテでは若手が先輩に助言を求めるケースが普段から多かっただけに、戸惑いを覚えた部分だった。

もちろん、どちらの球団も間違ってはいない。考え方は人それぞれである。「ロッテでは当たり前のことが中日では当たり前じゃないし、ロッテでは当たり前じゃないことが中日では当たり前でした。その違いを知ることができたのは僕の中では凄く大きかったです」。いいことも悪いことも、全てが糧になる。

10月に戦力外通告を受けて現役を引退。「ドラゴンズでは野球は何もできなかった。でも人生の中で、いい経験ができたと捉えています」。わずか1年だけだったが、中日での経験もまた濃厚なものだった。

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