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マイカ・パーソンズがトレードでパッカーズに移籍|カウボーイズは2つのドラフト1巡指名権とプロボウルDTを獲得

石山修二 Shuji Ishiyama

Daniel Mader

マイカ・パーソンズがトレードでパッカーズに移籍|カウボーイズは2つのドラフト1巡指名権とプロボウルDTを獲得 image

オールプロ級の選手がその全盛期にトレードされることは極めて稀だ。通常はリーグの規則や契約構造に阻まれ、スター選手はフリーエージェントとして移籍するか、元のチームに残る方法を見つける。

だが現地28日(木)、NFL史上に残る大型トレードが実現した。

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グリーンベイ・パッカーズはダラス・カウボーイズからスーパースター・パスラッシャー、マイカ・パーソンズを獲得し、パーソンズとカウボーイズの間で繰り広げられたドラマティックな物語に幕が下ろされた。この木曜日まで、オーナーのジェリー・ジョーンズ氏らカウボーイズ首脳陣が実際に殿堂入り確実の26歳であるパーソンズのトレードを検討するのかは疑問視されていた。

パーソンズは確かにカウボーイズからの移籍を要求していた。チームがパーソンズの求める高額な契約延長を提示しなかったためだ。それでも、パッカーズへのトレードという形でそのリクエストに応えたのは衝撃的だった。トレード成立後、パーソンズは即座にパッカーズと記録的な契約延長に合意し、今後数年にわたりフランチャイズの中心的存在となる。一方のカウボーイズはスーパースターを手放したものの、見返りとして重要なドラフト指名権を獲得した。

ここではこのトレードの詳細並びに評価についてまとめる。

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マイカ・パーソンズのトレードの詳細と評価

カウボーイズが獲得 :

  • 2026年ドラフト1巡指名権 
  • 2027年ドラフト1巡指名権 
  • DTケニー・クラーク

パッカーズが獲得 :

  • EDGEマイカ・パーソンズ

パッカーズ:A+

NFLにおいて、複数の1巡目指名権をトレードで手放してまで獲得する価値がある選手は限られている。エリート級のクォーターバックやパスラッシャーなど、チームの枠組みを超えるような存在の選手たちだからだ。パーソンズはまさにそのクラスの選手だ。

確かに、2026年と2027年の1巡目指名権を放出したことでパッカーズは今後数年間、ドラフト以外の方法で優れた若手選手を獲得する策を模索しなければならない。しかしパーソンズを獲得したことで、即座にスーパーボウル制覇を狙うことができる。ジョーダン・ラブ率いる攻撃陣にはまだ課題が残るが、パーソンズを擁したパッカーズがスーパーボウルに到達できると考えるのは合理的だ。

ペンシルベニア州立大出身のパーソンズは現在26歳、どのように起用されようとNFL屈指の破壊力を持つ守備の要となる選手だ。過去5シーズンのうち4シーズンで12サック以上を記録した選手はパーソンズを含め3人しかおらず、彼の全盛期はまだこれからだと考える根拠は十分にある。

4年間の契約延長をしたことで、パーソンズに故障さえなければ、パッカーズは今後数シーズンにわたってNFLでトップ10の守備力を維持できるだろう。彼はディフェンスを、ひいてはチームを変えることのできるNFLでも数少ないディフェンダーだ。パーソンズ、ラシャン・ゲイリー、デヴォンテ・ワイアットらを擁するパッカーズは、様々な方法で攻撃陣を攻め立てる強力な守備フロントを手にした。

昨シーズン、パッカーズはトータル・ディフェンスでリーグ6位(1試合平均315.6ヤード)、1試合平均失点で6位(19.9点)、チーム・サック数で8位タイ(45サック)だった。そこに、リーグ随一の万能パスラッシャーが加わった。いつの日か殿堂入りする可能性すら秘めている選手だ。たった一人の選手だが、彼の加入でパッカーズの守備は「非常に優れている」レベルから「エリート」レベルへ飛躍するはずだ。

ケニー・クラークはパッカーズで優れた選手に成長したが、パーソンズが加入すれば彼の不在は気にならないだろう。それだけにあえて言うならば、グリーンベイが1人の選手のために今後2シーズンの1巡指名権を差し出したことは気に掛かる。NFLでは1巡目指名権がそれほど貴重だ。しかし、このケースで細かいことを言うのは賢明ではない。たった1人とはいえ、その選手がマイカ・パーソンズならこのトレードは充分に価値がある。彼の存在はパッカーズを真のスーパーボウル優勝候補に変えた。

カウボーイズ:B

パーソンズをトレードで放出するのはカウボーイズにとって決して理想的な選択肢ではなかった。最善のシナリオは、パーソンズとジェリー・ジョーンズ氏、そしてこの契約問題に関わった全員が話し合い、双方がパーソンズのダラス残留を望んでいることを認識し、契約延長をまとめることだった。だが理由はどうであれ、それは実現しなかった。

だがもしカウボーイズがこの問題に「パーソンズを放出せざるを得ない」という姿勢で臨み、彼の要求を現実的な選択肢と見なしていなかったとするなら、トレードの見返りとしてはまずまずの結果を得られたと考えられる。ジョーンズがパーソンズとの決別を覚悟していたのであれば、今後優勝争いをしていくチームを作り上げていく上で成果を得られたトレードと評価すべきだろう。

パーソンズを失ってもなお、1年目のヘッドコーチのブライアン・ショットンハイマー率いるカウボーイズには2025年にプレイオフ出場を争えるだけの戦力を有している。パッカーズの守備ラインで長年安定した存在感を示してきた29歳の守備タックル、クラークの獲得はプラス要素だ。パーソンズほどの存在ではないが、3度のプロボウル選出を果たしているクラークはステップアップが必要なカウボーイズの守備陣を確実に強化するだろう。

パーソンズの不在は、今年のダラスにとって明らかな損失だ。パッカーズが単独で試合の流れを変えられるスーパースターを獲得した一方で、カウボーイズはそれを失った。この文脈でクラークとパーソンズをシンプルに比較するのは難しい。しかし現実に目を向ければ、パーソンズはカウボーイズでプレイする準備が全く整っていなかった。一方クラークはチームが今季のNFC東地区を戦い抜く力になる堅実な選手だ。

さらに言えば、このトレードで最も注目すべき点はクラークではない。前にも書いた通り、NFLにおいて1巡目指名権は極めて価値が高い。一つのトレードで複数の1巡目指名権を獲得できるケースは稀だ。2018年のカリル・マックのシカゴへのトレードや、1987年のエリック・ディッカーソンのインディアナポリスへのトレードなど過去にも多くない。

もしスーパースターを全盛期にトレードするなら、複数の1巡目指名権を獲得すべきで、ジョーンズ氏はそれを確実に達成した。今季の優勝争いを考えれば、1巡目指名権は即戦力にはならないが、カウボーイズはダック・プレスコットやシーディー・ラムらを軸に将来を見据えた体制を整えたと言える。

ラムとパーソンズはこの10年の間にダラスが1巡目で指名した選手だ。1巡指名権がチームに大きなインパクトをもたらすことの証とも言える。パッカーズがプレーオフ進出を果たせば獲得した指名順位は1巡目後半になるかもしれないが、それでも数十年間にわたりスーパーボウルに到達できていないカウボーイズにとって重要な未来への礎となる。

パーソンズをトレードしたことは、ダラスにとって理想的な結果ではなかった。1巡目指名選手がオールプロ級になる保証もない。だが、カウボーイズが「現時点でパーソンズを放出せざるを得ない」と確信したのなら、その代償にプロボウル選手と上位指名権2つを獲得したことには少なくとも一定の評価を下すべきだろう。

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原文:Micah Parsons trade grades: Packers acquire All-Pro defender in his prime, Cowboys eye future with multiple first-rounders
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)

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石山修二 Shuji Ishiyama

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。生まれも育ちも東京。幼い頃、王貞治に魅せられたのがスポーツに興味を持ったきっかけ。大学在学時に交換留学でアメリカ生活を経験し、すっかりフットボールファンに。大学卒業後、アメリカンフットボール専門誌で企画立案・取材・執筆・撮影・編集・広告営業まで多方面に携わり、最終的には副編集長を務めた。98年長野五輪でボランティア参加。以降は、PR会社勤務・フリーランスとして外資系企業を中心に企業や団体のPR活動をサポートする一方で、現職を含めたライティングも継続中。学生時代の運動経験は弓道。現在は趣味のランニングで1シーズンに数度フルマラソンに出場し、サブ4達成。

Daniel Mader

Daniel Mader is a Content Producer for The Sporting News. He joined SN in 2024 as an editorial intern following graduation from Penn State University. He has previously written for Sports Illustrated, NBC Sports, the Centre Daily Times, the Pittsburgh Post-Gazette, The Daily Collegian and LancasterOnline. Daniel grew up in Lancaster, Penn., with a love for baseball that’ll never fade, but could also talk basketball or football for days.