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【NFL】前年度AFC王者カンザスシティ・チーフスが早々にプレイオフ争いから脱落した6つの理由

Vinnie Iyer

石山修二 Shuji Ishiyama

【NFL】前年度AFC王者カンザスシティ・チーフスが早々にプレイオフ争いから脱落した6つの理由 image

2018年にカンザスシティ・チーフスの先発クォーターバックになって以来初めて、パトリック・マホームズはスーパーボウル進出の機会を失った。チーフスは11シーズンぶりにAFCプレイオフ進出を逃したからだ。

チーフスは第15週、AFC西地区のライバルであるチャージャーズにホームで16-13で敗れたことで、ポストシーズン進出の可能性が消滅した。今季の成績は6勝8敗となり、チーフスの地区優勝連続記録は10年連続で幕を閉じた。

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今年2月の第59回スーパーボウルでイーグルスに40-22の大敗を喫した後、チーフスに何が起きたのか? ここではチーフスが崩壊に至った6つの理由を分析していく。

パトリック・マホームズの調子が上がらなかった(またしても)

ここ3シーズンのマホームズの出来は決して良いものではなかった。さらに第15週のチャージャーズ戦では軽度の膝の負傷を抱えた状態で出場した。そのプレイぶりに3度のスーパーボウル制覇を成し遂げたエリートQBの輝きは見られなかった。

第15週時点でマホームズのパス成功率は先発QBとしてキャリア最低の63.1%に沈み込んだ。QBレイティングもまたキャリア最低の91.2に留まっている。パス1回あたりの獲得ヤードは7.2ヤードに留まり、過去2シーズン(7.0、6.8)同様に低迷していた。

マホームズがプレーオフ進出を逃すのは避けられなかったのかもしれない。マホームズだけでなくチーム全体に問題が山積し、魔法のような一発逆転を決められる状況を生み出すことはできなかった。

攻撃ラインは負傷者だらけの混乱状態に

Jawaan Taylor
(Getty Images)

センターのクリード・ハンフリーはシーズンを通して岩のように堅い存在感を放っている。だが、新加入のジェイロン・ムーア、ルーキーのジョシュ・シモンズ(現在は負傷中)、そしてペナルティの多いジャワーン・テイラーらタックル陣はリーグ最低レベルだった。左ガードのキングスレイ・スアマタイアはよくて平均レベルだ。そしてチーフスは信頼できる右ガードのトレイ・スミスが欠場する事態に直面した。

ランブロックであれパスプロテクションであれ、このグループはマホームズやRBカリーム・ハントらを助けることはできなかった。ラン・パスのいずれでも劣っていた攻撃ラインの弱さはチーム全体の弱さにつながった。

鍵となるプレイメイカーたちは十分に活躍できず

WRラシー・ライスは序盤6試合を欠場し、チームに穴を開けた。2年目のWRゼイビア・ワージーは期待されたようなトップクラスのディープスレットに成長しなかった。TEトラビス・ケルシーの動きは明らかに鈍っていた。ラン攻撃ではハントの強力な走りが助けになったものの、アイザイア・パチェコとブラシャード・スミスはその若さとフレッシュな脚力で大きな役割を担うことができなかった。

タイクアン・ソーントン、ハリウッド・ブラウン、ジュジュ・スミス=シュスターは、ライス以外のパスターゲットが必要となった時にもっと試合に絡むはずだった。ターゲットの数が増えればリーグ屈指の豪華なパス攻撃にも対抗できるだけの質の高さを生み出すと期待された。しかし実際には、不安定な選手たちが同じ問題を繰り返し、ターゲットが増えた分だけ失望が増えただけだった。

クリス・ジョーンズがいてもパスラッシュは効かず

第15週を迎える時点でチーフスのサック数(25)がリーグ最下位近くまで沈み込んでいる。この試合でチャージャーズのQBジャスティン・ハーバート相手に4サックを記録できたのは、チャージャーズの攻撃ラインがチーフスのフロントライン以上に崩壊状態だったからだ。

インサイドにタックルのジョーンズ、外側のエンドにジョージ・カーラフティスらがいるにもかかわらず、チーフスはフロント4人でパスラッシュを効果的に仕掛けられなかった。パスラッシュはスティーブ・スパグニョーロ守備コーディネーターのプレッシャーディフェンスにおける重要な要素だ。チーフスは依然として優れたセカンダリーを擁していたが、追加のパスラッシャーを投入する必要が生じ、QBに時間を与えすぎた結果、らしからぬカバレッジの課題が生じた。

過酷なスケジュールの前に歯が立たず

AFC西地区にはブロンコスとチャージャーズがいることで既に厳しい戦いを強いられる。加えてジャガーズとテキサンズの対等によりAFC南地区も過酷な地区になった。これら4チーム相手にチーフスは今季5戦5敗を喫している。

残りの3敗はイーグルス、ビルズ、カウボーイズを相手に喫したもの。ライオンズ、レイブンズ、コルツ(オーバータイムの末)になんとか勝ったのが救いだった。

アンディ・リード・ヘッドコーチは試合のマネージメント、状況判断でミスを犯してきた。その結果、第15週までに1ポゼッション差の試合で1勝7敗と僅差のゲームで競り負けてきた。相手が強豪であればミスが許される余地ほとんどなかったということだ。

チーフスはスペシャルチームでの優位性を失った

肝心なのはここだ。ハリソン・バトカーは確実なキッカーじゃなかった。そしてマット・アライザは不安定なパントキッカーだった。ダイナミックなリターンは光ったが、チーフスには攻撃と守備を助ける武器が全くなかった。ニッコ・レミジオがいたにもかかわらずだ。リードとスパグニョーロ守備コーディネーターには戦術と選手をうまく組み合わせられなかった責任があるものの、スペシャルチーム・コーディネーターのデイブ・トゥーブも同様に責任があると言える。

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