ブラウンズを牽引する“危険な”リーダー、ベイカー・メイフィールド【前編】

Bill Bender

ブラウンズを牽引する“危険な”リーダー、ベイカー・メイフィールド【前編】 image

クリーブランド発―クリーブランド・ブラウンズのクォーターバック、ベイカー・メイフィールドは、インサイドにカットを切ったワイドレシーバーのジャービス・ランドリーへパスするのではなく、アウトサイドへと投げてしまった。現地11日のアトランタ・ファルコンズ戦、第3クォーター残り11分14秒でのことだった。

▶スポーツ観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう

これは特筆すべきエラーだった。なぜなら、この試合はじめてのパスインコンプリートだったからである。ファーストエナジー・スタジアムで、ルーキーの彼は、前半でパス13回中13回成功、165ヤード獲得、2タッチダウンをマークして自身の能力を見せつけ、滅多にないような出来事へと導いた。

ブラウンズ(3勝6敗1分け)はファルコンズ相手に28-16で快勝し、これは2015年12月13日にサンフランシスコ・49ersに24-10で勝って以来の2ケタ勝利となった。メイフィールドは、パス20回中17回成功、216ヤード獲得、3タッチダウンを記録し、この結果を予測していたと、おどけながら語った。

「今朝目が覚めたら、自分がかなり“危険な”感じがしたんだ」メイフィールドは言った。「目が覚めて、とにかくものすごく“危険な”感じがしたんだよ」

ものすごく“危険”だって? それは驚きだ。シーズン前半、ブラウンズは“オーバータイムでどうぞお好きなように試合を運んでください”というチームだった。そこから、今度は4連敗で最下位に沈み、これによりコーチのヒュー・ジャクソンと攻撃コーディネーターのトッド・ヘイリーが10月29日に解任された。彼らの解任は、ジェネラルマネージャーのジョン・ドーシーの強い意志によるものだった。

ここまでメイフィールドは、コーチのグレッグ・ウィリアムズと守備コーディネーターのフレディ・キッチンズと連携を深めてきた。1999年以来、組織は回転木馬のように、次々とクォーターバックとコーチを変えてはチームを苦しめてきた。このことから、クォーターバックとコーチが一丸となって取り組むことは、フランチャイズ・クォーターバックを成長させるうえで、一見無意味なようにも思える。

だが、メイフィールドは全くもってそのようには捉えていない。ウィリアムズも同様で、日曜の試合でのメイフィールドの卓越したプレーに至るまでのプロセスに驚嘆した。

「彼が試合のなかでハドルをどう指揮していたかなどを客観的に見てみると(わかる)」ウィリアムズは言った。「どのようにクロックマネージメントをしたか。どのようにチェック・システムに対応したか。彼はオフェンス時に、全体的によくコミュニケーションをとっていた。彼にとってよいステップとなった」。

ファルコンズ(4勝5敗)は3連勝と好調な状態でクリーブランドに乗り込んだが、結果をもたらしたのはメイフィールドだった。彼は9人のレシーバーに投げ分け、前半はパーフェクトな内容だったが、ブラウンズは他の2度のドライブで自ら勢いを止めてしまった。1度目は、3rd&1でランニングバックのニック・チャブがダイレクトスナップを受ける前に、メイフィールドがサイドラインへ向かって歩くふりをして、フォルススタートの反則が取られた。2度目は、ドントレル・ヒリアードのメイフィールドへのバックパスがインターセプトされてしまった。

機能していないチームでは、責任を追及する声が上がっていただろう。だが、メイフィールドはそうではなかった。彼が自信を深め、リーダーシップを発揮し始めたことの表れだ。

「あれがパスコンプリートになっていたら、みんな俺たちを称賛していただろう」メイフィールドは言った。「あのインターセプトがあったから、みんなフレディのことを非難するのだろう」。

ここで、メイフィールドは非難するようなことはしなかった。代わりに、彼はトリックプレーやウィッシュボーンを含むフォーメーションのゲームプランを受け入れたのだ。そして、ブラウンズがパスゲームでビッグプレーが必要だったときには、クォーターバックが見事にやってみせた。メイフィールドはポケットから出てスクランブルし、ラシャード・ヒギンスへ28ヤードのタッチダウンパスを通し、7-0で試合をリードした。前半残り55秒で、チャブへのスウィングパスで13ヤードのタッチダウンパスを決め、メイフィールドはパスを13回中13回成功させた。

後編へ続く)


【DAZN関連記事】
【必読】DAZN(ダゾーン)の"トリセツ" 最新・2018年版!
ネットでプロ野球中継を視聴する方法を紹介
DAZNでのプロ野球の放送予定や試合スケジュール
DAZNでF1放送を視聴する方法は?
【最新・2018年版】F1の放送予定・レース日程まとめ
ネットでMLB中継を視聴する方法を紹介
MLBの試合日程・放送予定|テレビでの視聴も可能?/2018シーズン

Senior Writer

Bill Bender

Bill Bender is the 2025 president of the Football Writers Association of America. He graduated from Ohio University in 2002 and started at The Sporting News as a fantasy football writer in 2007. He has covered the College Football Playoff, NBA Finals and World Series for SN. Bender enjoys story-telling, awesomely-bad 80s movies and coaching youth sports.