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なぜニックスはトム・シボドーを解任したのか? 25年ぶり地区決勝進出もヘッドコーチ交代へ

Gilbert McGregor

坂東実藍 Miran Bando

なぜニックスはトム・シボドーを解任したのか? 25年ぶり地区決勝進出もヘッドコーチ交代へ image

NBAプレイオフ2025でイースタン・カンファレンス・ファイナル敗退となって数日、ニューヨーク・ニックスが動きを見せた。

6月3日(日本時間4日)、ニックスはトム・シボドー・ヘッドコーチの解任を発表した。2020年に就任した同HCは、リーグで3番目に在任期間が長い指揮官だった。

ここでは、ニックスがシボドーに別れを告げることを決めた理由をみていく。

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なぜニックスはトム・シボドーを解任したのか?

ニックスは東地区決勝で敗退してからわずか3日後にシボドー解任を決めた。球団にとって25年ぶりの地区決勝進出を果たしたが、さらに上を目指すための決定という。

球団の声明で、レオン・ローズ社長は「ファンのために優勝することに球団は専念しています。そのために、別の方向に進むことを決めたとシボドーに伝えるという難しい決定を下すことになりました」と話している。

「最終的には、球団の前進に最善と考える決定を下しました。トムはずっとニックスファミリーの一員であり、今後の彼の活躍を本当に願っています」

ニックスは2024年のオフシーズンに、ミケル・ブリッジズやカール・アンソニー・タウンズを獲得。オールスターガードのジェイレン・ブランソンとOG・アヌノビーのコンビに加えるという大きな動きに出た。

2024-2025シーズンのレギュラーシーズンは、51勝31敗で東地区の第3シードを獲得。プレイオフ・ファーストラウンドでは第6シードのデトロイト・ピストンズに第6戦で、地区準決勝では昨季王者ボストン・セルティックスを第7戦で下し、シリーズを勝ち抜いている。

『ESPN』のシャムズ・シャラニア記者は、『Pat McAfee Show』で、ニックスが次のステップとして「もっとベンチメンバーを信頼する指揮官を探すかもしれない」と報じた。レギュラーシーズンとプレイオフを通じてニックスがスターターに頼り、出場時間負担が大きかったことへの懸念からくるものだ。

トム・シボドーの契約

シボドーは2023-2024シーズン終了後にニックスと3年の延長契約を結んでいる。2027-2028シーズンまでの契約が始まるタイミングでの今回の解任となった。

延長契約の内容は不明だが、シボドーは年俸約800万ドル(約11億5200万円/1ドル=144円換算)でニックスから総額4000万ドル(約57億6000万円)を手にしてきたとされる。延長契約は年俸1000万ドル(約14億4000万円)と見られている。

シーズン年俸
2020-21800万ドル(約11億5200万円)
2021-22800万ドル(約11億5200万円)
2022-23800万ドル(約11億5200万円)
2023-24800万ドル(約11億5200万円)
2024-25800万ドル(約11億5200万円)
合計4000万ドル(約57億6000万円)

トム・シボドーの成績

シボドーはニックスで5シーズンを過ごした。NBAでは13シーズンにわたって指揮をとり、10シーズンで勝ち越している。ニックスでは直近の3シーズンすべてで前年を上回る白星をあげていた。

シーズンチーム成績勝率
2010-11ブルズ62勝20敗75.6%
2011-12ブルズ50勝16敗75.8%
2012-13ブルズ45勝37敗54.9%
2013-14ブルズ48勝34敗58.5%
2014-15ブルズ50勝32敗61.0%
2016-17ウルブズ31勝51敗37.8%
2017-18ウルブズ47勝35敗57.3%
2018-19ウルブズ19勝21敗47.5%
2020-21ニックス41勝31敗56.9%
2021-22ニックス37勝45敗45.1%
2022-23ニックス47勝35敗57.3%
2023-24ニックス50勝32敗61.0%
2024-25ニックス51勝31敗62.2%
通算 578勝420敗57.9%

トム・シボドーの年齢

シボドーは1958年1月17日生まれの67歳だ。

ヘッドコーチ初就任は2010年だが、NBAの指導者としては40年近くにわたって働いている。最初の仕事は1989年、ミネソタ・ティンバーウルブズのアシスタントコーチだった。

原文:Why did the Knicks fire Tom Thibodeau? New York makes stunning decision after Eastern Conference Finals loss(抄訳)
翻訳:坂東実藍


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Gilbert McGregor

Gilbert McGregor first joined The Sporting News in 2018 as a content producer for Global editions of NBA.com. Before covering the game, McGregor played basketball collegiately at Wake Forest, graduating with a Communication degree in 2016. McGregor began covering the NBA during the 2017-18 season and has been on hand for a number of league events.

坂東実藍 Miran Bando

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。