インディアナ・ペイサーズのタイリース・ハリバートンは、NBAファイナル2025第1戦での終盤の活躍で大きな話題となった。だが、第2戦はやや異なる展開となっている。
6月8日(日本時間9日)に行われた第2戦で、ハリバートンはオクラホマシティ・サンダーのペリメーターでの守備に序盤から何度も苦しめられた。そのために明らかに敵陣で消極的となり、チームは107-123で敗れている。第1戦でも見え始めていた傾向だが、この時はハリバートンの決勝ショットで見過ごされていた。
『ABC』の中継ではハリバートンの苦戦が話題となった。アナリストのリチャード・ジェファーソンは、攻撃面でのハリバートンの積極性の欠如を指摘している。第4クォーターでの得点はスタッフに役立ったが、時すでに遅しだった。
ここでは、NBAファイナル2025第2戦におけるハリバートンのパフォーマンスと、サンダーの守備が彼をどのように抑えたかを見ていく。
NBAファイナル第2戦のタイリース・ハリバートンのスタッツ
- 出場時間:34
- 得点:17
- リバウンド:3
- アシスト:6
- スティール:2
- ターンオーバー:5
- ファウル:1
- フィールドゴール:13本中7本成功(53.8%)
- 3ポイントショット:8本中3本成功(37.5%)
- フリースロー:試投なし
ハリバートンは17得点を記録したが、そのうち12得点は第4Qにあげている。その第4Qに突入した時点で、ペイサーズは19点のビハインドを背負っていた。ハリバートンの得点の大半は、勝負がついてからのものだったのだ。
もっと競っていた時は、オールディフェンシブチームに選出されたサンダーのルーゲンツ・ドートに最も苦しめられた。第3QまでのハリバートンはFG7本中2本成功の5得点にとどめられている。4アシストするまでに3ターンオーバーを強いられたのも珍しい。
第4Q開始前のインタビューで、ジェイレン・ウィリアムズはハリバートン苦戦の理由について尋ねられると、シンプルに「ルー・ドートさ」とだけ答えた。
功績の多くはドートの奮闘だったが、チームの努力も大きかった。アレックス・カルーソ、ケイソン・ウォレス、そしてチェット・ホルムグレンまで、順番にハリバートンを苦しめたのだ。
第1Q終盤には、カルーソに守られていたハリバートンが、不注意なバックコートバイオレーションを犯す場面もあった。
#Pacers Haliburton with a back court violation.
— Lawrence Owen (@Colts_Law) June 9, 2025
(He had one from last game that wasn't called, they are watching this closely now) pic.twitter.com/s6oWNMiim6
第2Q中盤には、ホルムグレンがスイッチでハリバートンにつき、サンダーがベン・シェパードへのキックアウトを阻んでターンオーバーを強いている。
First, great defense from Chet on Haliburton. Second, Sheppard has to lift up, give a passing angle. pic.twitter.com/rv88GtQucn
— Mo Dakhil (@MoDakhil_NBA) June 9, 2025
これらはサンダーの守備により、ハリバートンが第3Qまで消極的にさせられた例だ。ハリバートンのFG試投7本は本来のペイサーズの攻撃において非常に少ない。ホームに戻る今後のシリーズに向けて修正の必要があるだろう。
試合後、ハリバートンはNBAファイナル最初の2試合で自身にとって「どちらも本当にひどい前半だった」と話している。さらに「試合のもっと早い段階で良くならなければいけない」とも述べた。
タイラー・スミス記者によると、ハリバートンは「僕がもっと良い仕事をしなければならない。良いところも悪いところも受け止める。映像を見てみるよ。彼らはペイントに入れさせてくれないチームだ」と話している。
「僕らはペイントが自分たちにとって大切だと分かっている。もっと良い仕事をして、ショットクロックぎりぎりにならないようにしなければいけない」
Tyrese Haliburton:
— Oh No He Didn't (@ohnohedidnt24) June 9, 2025
"I think I've had two really poor first halves. I just gotta figure out how to be better earlier in games" pic.twitter.com/xAqlLlB6Fd
第4Qにハリバートンが活躍したのも、偶然ではない。ボールを持たないところから得点機会を得るようになったのだ。この点についてハリバートンは今後も続ける可能性に言及している。
ハリバートンは「あそこはうまくいった。僕が少しボールを持たずに動き回ってね」と話した。
「高い位置でのボールスクリーンでプレイすると、相手にペイントを閉ざす機会となる。それで何度かスティールされたんだ。僕も今夜は本当にひどいターンオーバーがいくつかあった」
"Even in the games that you lose, you're trying to learn from them."
— NBA TV (@NBATV) June 9, 2025
Haliburton looks ahead to Game 3 as the #NBAFinals shift to Indiana 🗣️ pic.twitter.com/yv4fxBtyKK
「彼らは異なるやり方をしてくるから、僕がもっと良い仕事をし、自分がもっとうまくやれるところを見いださなければいけない。後半、ああやって大差がつけば、とにかく受け止めて試合を終わらせるか、異なることを学び続けようとするかを選べるんだ。シリーズを通じてそうだと思うし、この最初の2試合でもそうだった。自分がもっとうまくやれるのはどこかを学んでいるところだ」
今ポストシーズンのペイサーズは13勝5敗という成績だが、ハリバートンが18得点超をあげた時は8勝1敗だった。逆に18得点に満たないと、5勝4敗という成績だ。
6月11日(同12日)に行われる第3戦では、これらの数字に注目だ。
原文:Tyrese Haliburton stats today: How Thunder defense stymied Pacers star in Game 2 of NBA Finals(抄訳)
翻訳:坂東実藍