本サイトに掲載されているリンクから商品の購入やサービスの契約をされた場合、本サイトが収益を得ることがあります。

サンダーはNBAで新たな王朝を築けるか? 2026年も有力な優勝候補となる理由

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

サンダーはNBAで新たな王朝を築けるか? 2026年も有力な優勝候補となる理由 image

近年のNBAは拮抗しており、複数回の優勝を飾るのがほぼ不可能になっている。2018年のゴールデンステイト・ウォリアーズを最後に、連覇を達成したチームはない。

その流れを変えるかもしれないのが、2024-2025シーズンのNBA王者となったオクラホマシティ・サンダーだ。彼らは月並みな優勝チームではない。レギュラーシーズンの平均得失点差はプラス12.9点だったが、これはNBA史上最高の数字だ。そして守備も現代のNBAで有数の出来だった。

ほかのチームたちにとってもっと恐ろしいのは、今が彼らの最終形態ではないということだ。今後数年、サンダーはもっと向上していくだろう。史上屈指の王朝の始まりとなるかもしれない。

▶楽天モバイル『最強プラン』ならどこよりも安くNBA全試合見放題

サンダー王朝の幕開け

サンダーは若い主軸を容易に維持可能

財政的にサンダーは素晴らしい状況にある。ローテーション選手は全員、来季も契約が残っている。ジェイレン・ウィリアムズとチェット・ホルムグレンはいまだ安価なルーキー契約のため、570万ドル(約8億3220万円/1ドル=146円換算)のタックスペイヤー・ミッドレベル例外条項でフリーエージェント選手を獲得しなければ、ラグジュアリータックス(ぜいたく税)の対象にならない。

今から2年後からは、高額な年俸負担が始まる。ウィリアムズとホルムグレンは新契約を結ぶだろう。だがそれでも、オーナーにタックスを払う気があれば、サンダーは全員を維持することができるのだ。

数年前にジェームズ・ハーデンを放出したことで大きな批判を浴びたサンダーだが、優れたチームには投資をしてきた。球団の歴史で通算1億ドル(約146億円)超のタックスを支払っている。これはNBAチームの中で平均以上の数字だ。

これらに基づくと、シェイ・ギルジャス・アレクサンダー、ウィリアムズ、ホルムグレンの主軸トリオは、当面一緒にとどまるはずだ。

今後、失うかもしれないリスクがある程度存在するローテーションプレイヤーは、アイザイア・ハーテンシュタイン、ルーゲンツ・ドート、ケンリッチ・ウィリアムズ。だが、彼らはいずれも2027年夏までの契約を結んでいる。

さらなる成長が見込まれるサンダーの選手たち

今季のサンダーはリーグで7番目に若いチームだ。平均年齢は24.8歳。歴代の優勝チームで2番目に若い。

主力選手たちはさらに成長するだろう。ギルジャス・アレクサンダーはまだ26歳だ。ジェイレン・ウィリアムズは24歳、ホルムグレンは23歳。ステフィン・カリーが26歳で、クレイ・トンプソンとドレイモンド・グリーンが24歳だった2015年のウォリアーズのようだ。

主力トリオ以外でも、サンダーにはルーキー契約の選手が6人いる。NBAドラフト2024で全体12位指名されたニコラ・トピッチもそのひとりだ。ひざの前十字じん帯のケガのため、今季を全休している。

さらに、サンダーには次のドラフトで全体15位、24位、44位の指名権があり、引き続きタレントを加えていくことが可能だ。31歳のアレックス・カルーソと30歳のケンリッチ・ウィリアムズを除き、主力選手全員がまだ向上できる年齢にある。

無限のトレード可能性を持つサンダー

通常、優勝を競うチームはそれまでに大きなトレードに踏み切り、ドラフト資産を手放している。優勝チームの中でサンダーが独特な状況なのは、この点だ。サンダーは逆に、再建時代からの指名権を多く保っている。

サンダーは今後のドラフトにおける自前の指名権をすべて保有したままだ。また、3つの指名権交換権、最大5つの保護条件つき1巡目指名権、そして18の2巡目指名権がある。過去の王者にはなかったほどの資産だ。

例えば、もしもヤニス・アデトクンボを獲得できるとなったら、サンダーには狙いにいくだけの駒がある。ジャ・モラントやトレイ・ヤング、その他の希望するスーパースターなどについても同じだ。そこまでの大型補強でなくても、例えばボストン・セルティックスがドリュー・ホリデーやデリック・ホワイトのような質の高いスターターを手放すとなれば、サンダーはほぼすべてのチームを上回る条件をオファーできるだろう。

まだサンダーは引き金を引いていない。すでに優れたロスターがあり、アップグレードできるところを見つけるのは簡単ではないからだ。本当に、彼らの悩みはぜいたくである。

サンダーはほかのチームとの差を広げており、優勝を競うライバルとなるチームたちは、急いで追いつこうとしている状況だ。セルティックスは2023-2024シーズンから後退した。デンバー・ナゲッツは財政的な問題で強化するための方法が少ない。インディアナ・ペイサーズはタイリース・ハリバートンのケガが深刻なら、彼を失うことになる。

先日デズモンド・ベインを獲得して補強に踏み切ったオーランド・マジックは、ファイナルに勝ち進めるだけの良いチームかもしれない。だが、彼らやニューヨーク・ニックス、クリーブランド・キャバリアーズ、ヒューストン・ロケッツが、サンダーを倒せるだろうか?

2025-26シーズンもサンダーは優勝候補の最右翼だ。2027年も同様だろう。今のサンダーには、2020年代の最後まで独走するだけの可能性があるのだ。

原文:Thunder could be the NBA's next dynasty: Why Oklahoma City should be favored for 2026 title and beyond(抄訳)
翻訳:坂東実藍


NBA関連記事

Stephen Noh

Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

坂東実藍 Miran Bando

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。