6月16日(日本時間17日)に行われたNBAファイナル2025第5戦で、オクラホマシティ・サンダーはインディアナ・ペイサーズに120-109で勝利した。優勝に王手をかけたサンダーで存在感を示したのが、ジェイレン・ウィリアムズだ。
サンダーで3年目、今季のオールNBAチームにも選出されたウィリアムズは、チーム最初の得点をアシストすると、第1クォーター残り8分強までに2つのダンクを叩きこむ。2試合連続で、ペイサーズの層が厚くバランスのとれた攻撃にサンダーが対抗する上で方向性を定めた。
最終的にウィリアムズは自身最高級のパフォーマンスを披露。その貢献は大きく、サンダーはオクラホマシティ移転後で球団初となる優勝まであと1勝に迫った。NBAファイナル2025における象徴的な局面というだけでなく、大局的にもっと大きな意味を持つかもしれない。
第5戦で大活躍したジェイレン・ウィリアムズ
第4戦同様、ウィリアムズはアグレッシブに試合に入った。彼が決めた最初の2回の得点以上に大きかったのは、本拠地ペイコム・センターの観客のリアクションだけだ。
You are not seeing double...this happened TWICE 😵💫
— OKC THUNDER (@okcthunder) June 17, 2025
iHart steal 🤝 Dub dunk https://t.co/rN20vkvHae pic.twitter.com/56eWY2yENQ
ウィリアムズは第1クォーターだけで6得点をあげ、さらに2リバウンド、3アシストを記録。ハーフタイムまでにフィールドゴール12本中6本成功で試合最多の16得点とし、守備でもオールディフェンシブチーム選出レベルのプレイを見せた。
サンダーのマーク・デイグノート・ヘッドコーチは、第4戦からシェイ・ギルジャス・アレクサンダーのプレッシャーを軽減させるべく、ウィリアムズにボールを持たせることが増えている。そしてウィリアムズは2試合連続で期待に応えたのだ。
なお、ギルジャス・アレクサンダーは第4戦でアシストがなかったが、この日は試合最多となる10アシストをマークし、自らも31得点をあげている。
ペイサーズが巻き返しを図った後半も、ウィリアムズは応じてみせた。試合で最も重要な局面において、常に素晴らしい冷静さと自信を披露。このターンアラウンドジャンパーは勝負を決定づけた。
WE SEE YOU DUB 🤯 pic.twitter.com/nGdW8Cp8UR
— OKC THUNDER (@okcthunder) June 17, 2025
ウィリアムズは第4Qだけで11得点をあげ、最終的にプレイオフ自己最多の40得点を記録した。自身通算2回目の40得点超だ。
第5戦のパフォーマンスは、ウィリアムズが否定しようのないスターになったことを高らかに宣言するものだった。今季はオールスター選出、オールNBAチーム選出、オールディフェンシブチーム選出を達成したが、このファイナルでの活躍はそれら以上に彼の地位を確かなものとしている。
さらに、ウィリアムズとギルジャス・アレクサンダーのケミストリーは、互いを補完する完ぺきなスターコンビの誕生を示しているだろう。いずれもまだ27歳になっていない選手たちだ。
試合後、ギルジャス・アレクサンダーはもちろんチームメイトを称賛した。
ウィリアムズについて、ギルジャス・アレクサンダーは「今夜の彼は本当に精力的だった。ビッグプレイを見せてくれたね。ショットが必要な時にいつも決めてくれたような感じだった」と話している。
「彼は恐れていなかった。ショットが決まろうが決まらなかろうが、今夜は恐れ知らずだったね」
また、ギルジャス・アレクサンダーは最初にウィリアムズのプレイを見た時を振り返り、「(成功には)まったく驚いていない」と賛辞を続けた。
SGA added: “None of it surprises me. He deserves this moment. Now, with that being said, we have one more game to win… he works hard and we played well because of it”
— Josue Pavón (@Joe_Sway) June 17, 2025
ウィリアムズはまだNBAで3年目。つまり、このコンビも3年目ということだ。まずはあと1勝してタイトルを勝ち取ることが優先となる。だがそれは、このコンビが今後もどれほど安定して活躍していくかという、もっと大きな展望につながるかもしれない。
今季、もしもサンダーがラリー・オブライエン・トロフィーを獲得したら、第5戦のウィリアムズのパフォーマンス、そして彼が真のスターにのし上がったことは、サンダーにとって大きなターニングポイントとなる可能性がある。
NBAファイナル第5戦のジェイレン・ウィリアムズのスタッツ
ウィリアムズはFG成功率56.0%で40得点を記録した。ここ50年のファイナルで40得点超を達成した選手では3番目の若さとなる。マジック・ジョンソン(1980年/20歳)、ラッセル・ウェストブルック(2012年/23歳)に続いたかたちだ。
さらに、ウィリアムズはNBAファイナルで3試合連続の25得点超を達成しており、これは2012年のケビン・デュラント(当時サンダー)以来の数字となる。ウィリアムズは得点をあげ、リバウンドを拾い、チームのためのプレイを決めた。それを、恐ろしいまでの効率でやってのけたのだ。
- 得点:40
- リバウンド:6
- アシスト:4
- スティール:1
- ブロック:0
- ターンオーバー:4
- パーソナルファウル:4
- フィールドゴール:25本中14本成功(56.0%)
- 3ポイントショット:5本中3本成功(60.0%)
- フリースロー:12本中9本成功(75.0%)
原文:Thunder's Jalen Williams signals arrival as bona fide star with takeover in NBA Finals Game 5 vs. Pacers(抄訳)
翻訳:坂東実藍