ロケッツ対サンダーのNBA開幕戦で起きた物議の的となった結末とは?ケビン・デュラントのタイムアウト要求が認められなかった理由

Gilbert McGregor

佐藤瑞紀 Mizuki Sato

ロケッツ対サンダーのNBA開幕戦で起きた物議の的となった結末とは?ケビン・デュラントのタイムアウト要求が認められなかった理由 image

2025-26シーズンのNBA開幕から、わずか1試合で審判が物議の中心に立たされることになった。

ヒューストン・ロケッツとオクラホマシティ・サンダーが開幕戦で激突し、2度のオーバータイムにもつれ込む接戦となった。延長の終盤、両チームは同点のまま激しく競り合っていた。

そして、試合終了間際に“ある物議”が起きた。

ここでは、そのときに何が起きたのか、そしてサンダーが最終的に125対124で勝利したにもかかわらず、なぜ論争の的となっているのかをまとめた。

▶15日間無料お試し! プライムビデオのNBAリーグパスで全ての瞬間を

ロケッツ対サンダーの開幕戦で何が起きたのか

延長戦残り10秒を切ったところで、ロケッツのアルペレン・シェングンがダンクを決め、試合を同点に戻した。

同8.8秒、ペイコム・センターの誰もが、ボールが昨季MVPのシェイ・ギルジャス・アレクサンダーに託されることを分かっていた。

しかし、ヒューストンのタリ・イーソンがギルジャス・アレクサンダーにタフショットを打たせることに成功。そのリバウンドを掴んだケビン・デュラントはすぐにタイムアウトを要求した。

問題はロケッツにはタイムアウトが残っていなかったということだった。

通常、チームにタイムアウトが残っていない状態でタイムアウトを要求すると、テクニカルファウルが科せられる。

しかし、審判団はデュラントのタイムアウト要求を認めず、その結果テクニカルファウルも宣告されなかった。

もしテクニカルファウルがコールされていれば、サンダーにはテクニカルフリースローが与えられ、さらにボール保持権も得られていた。フリースローを1本決めれば試合はほぼ決まり、サンダーが勝利を手にしていたはずだった。

ところが、実際には笛は鳴らず、時間がそのまま経過してダブルオーバータイムへ突入した。

試合後、主審は「3人の審判のうち誰もケビン(デュラント)がタイムアウトを要求するジェスチャーを見ていなかった。そのため、時間切れ前にタイムアウトを認めることはできなかった」と説明。

そのため、タイムアウトが認められなかった以上、テクニカルファウルを取ることもできなかったという。

サンダーのマーク・デイグノートHCはもちろん、オクラホマシティの満員の観客もこのノーコールに激怒。もし正しくコールされていれば、サンダーは延長1回で勝負を決めるチャンスがあったからだ。

試合後、デイグノートHCは「言うべきことはもう言った。もうこの件は終わりだ」とだけ語り、それ以上のコメントを控えた。

ギルジャス・アレクサンダーはこの件について率直に語り、「ケビンは間違いなくタイムアウトをコールしていた。3回も。…声でも、ジェスチャーでもね」と発言。

さらに「審判が単に見逃しただけだと思う。まあ、人生ってそういうものだ。誰だってミスはする。故意じゃなかった」と続けた。

審判団がロケッツのタイムアウトを認めなかったことで、デュラントは“クリス・ウェバーの悲劇”を回避することになった。

殿堂入り選手であるウェバーは、1993年のNCAA決勝戦でタイムアウトが残っていないのにタイムアウトを要求し、テクニカルファウルを取られてしまった。その結果、相手のノースカロライナ大がフリースロー2本を得て優勝を決めたという有名な出来事だ。

Senior Content Producer

Senior Editor

News Correspondent