NBAルーキーランキング|フラッグ、カニップルら注目の9選手

Stephen Noh

小野春稀 Haruki Ono

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2025年のドラフトクラスは、期待を裏切らない活躍を見せている。将来のオールスターになりそうな選手も数人現れていて、2巡目後半で指名された選手や、ドラフト外の選手でさえ、今年はチームの主軸としての役割を確立しており、非常に層の厚いドラフトクラスになっている。

2人の選手が他を圧倒しており、彼らは昨年までチームメイトだった。デューク大学の卒業生であるクーパー・フラッグとコン・カニップルは、新人王を巡りデッドヒートを繰り広げている。カニップルが序盤でリードしたが、フラッグが巻き返しNBAのルーキーラダーで1位になった。今回ランクインした選手たちの才能は、通常のシーズンよりも高いレベルだが、この2人は非常に高いレベルでプレイしている。

2025年も終わるが、注目すべきルーキー9名を紹介していこう。評価はパフォーマンスとドラフト順位を考慮している。

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1位:クーパー・フラッグ, マーベリックス (全体1位), A評価

平均スタッツ(日本時間12月31日時点)

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34.519.56.43.91.20.849.428.7

フラッグはシーズン序盤に苦しんだ。振り返れば当然のことだった。彼はドラフトクラス最年少であり、チーム事情もあってポイントガードの役割までこなさなければならなかった。

低調だった序盤を経て、フラッグは彼が「世代を代表する有望株」かつ「間違いなくこのクラスの全体1位指名候補」である理由を示し始めた。彼はNBA史上最年少で1試合40得点を記録し、18歳選手の最多得点記録を更新した。この記録はそれまでレブロン・ジェームズが保持していたが、フラッグがユタ・ジャズ戦で42得点を記録し塗り替えた。

フラッグは攻守両面に優れた選手であり、豪快なダンクに加え守備面でもハイライトシーンを生み出している。NBAのスペーシングやディフェンスローテーションに対する理解は、一般的なルーキーのレベルをはるかに超えている。

2位:コン・カニップル, ホーネッツ (全体4位), A評価

平均スタッツ(日本時間12月31日時点)

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33.119.35.13.50.70.247.842.8

カニップルはこのリストの1位に選ばれてもおかしくない。得点、リバウンド、アシストはフラッグとほぼ同水準だ。3Pシュートではカニップルが優勢で、フラッグはより影響力のあるディフェンスで貢献している(とはいえカニップルも我々が想像するよりも良いディフェンダーだ)。

彼の魅力はなんといってもシュート力だ。カニップルは、ルーキーとして史上最多の3Pシュート成功数を記録するだろう。成功率も42.8%とかなり安定しており、ラメロ・ボールが足首の負傷で離脱した間は、相手チームに最優先でマークされながら得点を取り続けた。また、非常に過小評価されているが、ドライブ能力と、プレイメーカーとしての役割も担っている。

3位:デリック・クイーン, ペリカンズ (全体13位), A評価

New Orleans Pelicans center Derik Queen

Stephen Lew-Imagn Images

平均スタッツ(日本時間12月31日時点)

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25.813.37.04.01.00.849.921.2

ジェームズ・ボレゴが暫定ヘッドコーチになってから、最初に行ったことは、クイーンをスターターに抜擢することだった。

クイーンはその信頼に応えている。クイーンは、この世代において本当にに特別な選手のように見える。彼のようにパスと得点の両方をこなせる選手は多くなく、すでにペリカンズの攻撃の要として十分に機能している。彼は11月のスパーズ戦で33得点、10リバウンド、10アシスト、4ブロックを記録し、ルーキーセンターとして史上初の30得点トリプルダブルを達成。これは数々の傑出したパフォーマンスの一つに過ぎない。

4位:ジェレマイア・フィアーズ, ペリカンズ (全体7位), A−評価

Jeremiah Fears

平均スタッツ(日本時間12月31日時点)

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26.814.43.63.11.30.143.533.0

ペイントエリアでフィアーズほど輝くルーキーはいない。優れたハンドリングを武器にNBA入りし、自分よりもはるかに大きな選手をかわして巧みにゴールを決める。スピード、機敏さ、創造性に富んでいる。大学時代不安定だった3Pシュートも、成功率33%と悪くはない。今後、質の高いポイントガードとして成長する可能性を秘めており、ペリカンズのスターターの座をしっかりと守っている。

5位:ディラン・ハーパー, スパーズ (全体2位), A−評価

Dylan Harper

平均スタッツ(日本時間12月31日時点)

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21.511.93.44.11.00.046.025.9

ハーパーはシーズン序盤のふくらはぎの肉離れから復帰後、素晴らしいプレイを見せている。リム付近でのフィニッシュ能力は驚異的で、NBAカップ決勝では21得点を挙げ5本の3Pシュートを成功させており、3Pシュート精度も向上しつつある。19歳の新人とは思えない落ち着きを見せており、多くの専門家が「ベテランのようなプレー」と評するほどだ。 

彼は試合終盤にギアを上げる選手で、ヴィクター・ウェンバンヤマが離脱した期間には、勝利に直結する活躍を幾度も披露した。今月初めのペリカンズ戦では、複数のクラッチシュートに加え、最終的にはゲームウィナーも決めた。

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6位:VJ・エッジコム, 76ers (全体3位), B+評価

平均スタッツ(日本時間12月31日時点)

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35.015.55.44.01.20.441.736.6

エッジコムは76ersにおいて堅実なオールラウンダーとして活躍し、ここまで26試合で平均15.5得点、5.4リバウンド、4.0アシストを記録している。彼の卓越した運動能力はペネトレイトを容易にし、優れたディフェンスを可能にしている。ベイラー大学での1年間で3Pシュート成功率34%に留まったにもかかわらず、安定した確率で3Pシュートを放ち続けている点も特筆すべきだ。

7位:セドリック・カワード, グリズリーズ (全体11位), A−評価

Cedric Coward

平均スタッツ(日本時間12月31日時点)

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26.913.56.22.90.50.346.632.4

シーズン序盤のカワードの強力なシューティングはかなり落ち着いてきた。それでも彼はグリズリーズにとって欠かせないウィングであり続けている。身長198cm、ウィングスパン218cmという優れた体格は、即座に守備のプラス要素となる。守備面で彼の運動量は非常に高く、ルーズボールに飛び込み、リバウンドを奪い、ハッスルプレーを厭わない。またシュートスランプにであっても、カッティングやチームオフェンスへの適応により、攻撃面でも貢献する方法を模索し続けている。

8位:ライアン・コークブレンナー, ホーネッツ (全体34位), B評価

Ryan Kalkbrenner

平均スタッツ(日本時間12月31日時点)

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25.68.76.40.60.71.878.70.0

コークブレンナーは今シーズン、驚異的なリムプロテクターとして活躍しており、1試合平均1.8ブロックを記録。216cmの長身を最大限に活かしている。また、この能力は彼をリーグ屈指のフィニッシャーにも押し上げている。ここまでの26試合で、フィールドゴール成功率78.7%という驚異的な数字を叩き出している。

コークブレンナーは得意分野で卓越した能力を発揮する。ただし守備範囲が限定的で、外からのシュートを打とうとしない点でやや制約のある選手だ。また1月17日に24歳となるため、このリストでは比較的年長の有望株に分類される。それでも既にNBAで通用するビッグマンとして確固たる基盤を築いているのは評価すべきだ。

9位:ライアン・ネムハード, マーベリックス (ドラフト外), A−評価

平均スタッツ(日本時間12月31日時点)

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20.87.71.85.30.30.047.038.5

ネムハードはシーズン序盤にほとんど出場機会を得られなかった。それは間違いなく誤りだった。彼はベテランのディアンジェロ・ラッセルを先発から押し出し、ナゲッツ戦で28得点10アシストを記録して全米の注目を集めた。ネムハードのプレイメイクの下で、マーベリックスはターンオーバーを大幅に減らし、より組織的なプレイを遂行している。彼は、身長わずか180cmでもNBAで生き残る道があることを証明している。

その他のランクイン候補者: ウーゴ・ゴンザレス、シオン・ジェームズ、 ウィル・リチャード、ウォルター・クレイトンJr、トレ・ジョンソン、エース・ベイリー、イゴール・ディヨミン、コリン・マリン・ボイルズ、エイサ・ニューエル、マクシーム・レイノー

原文:Ranking NBA rookies: Cooper Flagg, Kon Knueppel in a race for highest mark in draft class grades

抄訳:小野春稀(スポーティングニュース日本版)

Senior Writer

News Correspondent

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