数十年前にNBAに贅沢税が導入されて以来、チームはロスター作りやキャップスペースの配分に慎重にならざるを得なくなった。
オクラホマシティ・サンダーとインディアナ・ペイサーズがNBAファイナルに進出した今、贅沢税がNBAのコンテンダーに与えてきた影響を覆すような対戦が実現するかもしれない。
サンダー対ペイサーズのNBAファイナルと贅沢税の意外な関係とは?
NBAライターのキース・スミスが、過去数十年間のNBAファイナル出場チームに対する贅沢税の影響について、重要なデータ示した。
The Oklahoma City Thunder and Indiana Pacers would be the first NBA Finals since the luxury tax was in effect where neither team was a taxpayer.
— Keith Smith (@KeithSmithNBA) May 29, 2025
At least one team was a taxpayer in every Finals where the luxury tax was in effect (2002 & 2005 did not have luxury taxes due to lack…
スミス氏によると、2002年8月に贅沢税が導入されて以来、ファイナルに出場した2チームのうち少なくとも1チームが贅沢税を支払っているとのこと。(2001-02、2004-05シーズンは贅沢税支払いチームはいなかった)
また上記の2シーズンを除く22シーズンのファイナル出場44チームのうち26チームが贅沢税を払っていて、優勝した22チームに絞ると16チームが贅沢税を払っていたとのことだ。
つまり、サンダー対ペイサーズの対戦は、両者ともに贅沢税を支払っていないチーム同士のファイナルでの初対戦ということになる。
サンダー、ペイサーズの両チームが、他のチームと比べてサラリー総額が低いにもかかわらず、NBAファイナルに進出したということは、注目に値するポイントだ。
サンダーは非常に若く、3人のスターのうち2人がルーキー契約なのが救いだが、キャリアを始めてわずか数年でこれほどの選手に成長したのは、サンダーのチーム運営と育成の賜物だ。
サム・プレスティは、適切なトレードを行い、将来の1巡目指名権を何十枚も加えるという驚異的な仕事をした。
一方のペイサーズは、サンダーよりも若干多くの年俸を支払っている。
パスカル・シアカムとタイリース・ハリバートンはともに年俸4,700万ドル以上の大型契約を結んでいるが、それ以外に今季ロスターに年俸2,000万ドル以上の選手はいない。
両チームともに今後主力選手の契約延長があることを考えると、贅沢税の支払いが両チームともにないという珍しい事態は、おそらく一度きりのことになるだろう。
とはいえ、両チームが税金の壁を破ることなくロスターを管理し、ファイナル進出を果たしているのは印象的だ。
サンダーとペイサーズのサラリー状況
2024-25シーズンのサラリー・キャップは140,588,000ドル。贅沢税支払いの対象となる上限額は170,814,000ドル。両チームともに、リーグでサラリー総額の低いチームであることが分かり、サンダーに関しては最も低いのだから驚きである。
なお最もサラリー総額が高いのはミネソタ・ティンバーウルブズで237,156,897ドルとなっている。
※spotrac参照
チーム | サラリー総額 | リーグ順位(総額の降順) |
---|---|---|
サンダー | 129,174,458ドル | 30位 |
ペイサーズ | 171,032,577ドル | 20位 |
原文:Pacers/Thunder NBA Finals would be the first under this difficult financial rule
抄訳:小野春稀(スポーティングニュース日本版)