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NBAドラフトの指名順を決めるドラフトロッタリーとは? その仕組みと歴史を徹底解説

大西玲央 Reo Onishi

及川卓磨 Takuma Oikawa

佐藤瑞紀 Mizuki Sato

NBAドラフトの指名順を決めるドラフトロッタリーとは? その仕組みと歴史を徹底解説 image

5月12日(日本時間13日 午前8時)に2025年のNBAドラフトロッタリー(ドラフト指名権抽選会)が行なわれる。ドラフトロッタリーとは一体どういう仕組みなのだろうか?

ここではドラフトロッタリーに関するよくある質問に回答する形式で、その仕組みと歴史について解説する。

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NBAドラフトロッタリー2025の開催日はいつ?

NBAドラフトロッタリー2025は、2025年5月12日(同13日 午前8時)に開催される。今年はイリノイ州シカゴで開催される。

ドラフトロッタリーに参加するチームは?

ロッタリー参加資格があるチームは、プレイオフに出場することができなかった14チーム。

チーム成績勝率1位獲得確率
ジャズ17勝65敗20.7%14.0%
ウィザーズ18勝64敗22.0%14.0%
ホーネッツ19勝63敗23.2%14.0%
ペリカンズ21勝61敗25.6%12.5%
シクサーズ124勝58敗29.3%10.5%
ネッツ26勝56敗31.7%9.0%
ラプターズ30勝52敗36.6%7.5%
スパーズ34勝48敗41.5%6.0%
サンズ(ネッツ経由でロケッツへ)36勝46敗43.9%3.8%
ブレイザーズ36勝46敗43.9%3.7%
マーベリックス39勝43敗47.6%1.8%
ブルズ39勝43敗47.6%1.7%
キングス240勝42敗48.8%0.8%
ホークス(スパーズへ)40勝42敗48.8%0.7%

[1] サンダーに譲渡される可能性あり
[2] ホークスに譲渡される可能性あり

ドラフトロッタリーのフォーマットとは?

2019年のNBAドラフトから、2017年9月28日にNBA理事会が承認した変更が導入された。

新フォーマットでは、最下位のチーム(そのシーズンのリーグ最低勝率チーム)は5位以上の指名権が保証される。2018年までは4位以上が保証されていた。

さらに下位3チームの全体1位指名権獲得確率は14%に一律化される。2018年までは最下位チームが25%、下から2番目のチームが19.9%、同3番目のチームが15.6%という確率だった。

トップ3以降の11チームの同確率は徐々に減っていく仕組みとなっている。例として、最初の3チーム(14%)と4番目のチーム(12.5%)の確率の差は1.5%、4番目と5番目(10.5%)の差は2%、5番目と6番目(9%)の差は1.5%だ。

上位4つの指名順が抽選で決定され、残りのロッタリーチームはレギュラーシーズンの勝率が低い順に割り当てられる。

ドラフトロッタリーに参加する各チームの抽選確率は?

2019年から導入された新フォーマットによる各チームの全体1位指名権獲得確率は、レギュラーシーズンの勝率が低い順に以下の通りになる。

チーム > 1位指名の確率

チーム1 > 14.0%
チーム2 > 14.0%
チーム3 > 14.0%
チーム4 > 12.5%
チーム5 > 10.5%
チーム6 > 9.0%
チーム7 > 7.5%
チーム8 > 6.0%
チーム9> 4.5%
チーム10 > 3.0%
チーム11 > 2.0%
チーム12 > 1.5%
チーム13 > 1.0%
チーム14 > 0.5%

15位から60位の指名権は?

1巡目の残りの指名権(15~30位)と2巡目指名権(30~60位)はレギュラーシーズンの勝率が低い順に決まる。各チームには原則として1巡目と2巡目指名権がそれぞれひとつずつ与えられる。

昨年(2024年)のNBAドラフトロッタリーの勝者は?

2024年のNBAドラフトロッタリーはアトランタ・ホークスが全体1位指名権を獲得し、その指名権でザカリー・リザシェイを指名した。

初めて導入されたのはいつ? NBAドラフトロッタリーの歴史

1984年7月、ソルトレイクシティで行なわれたNBA理事によるミーティングにて、1985年のNBAドラフトからプレイオフに出場できなかったチームによる抽選で、指名順位を決めることが決定された。

1966年から1984年までは、各カンファレンスの最下位チームがコイントスによってどちらが1番目に指名するかを決め、残りのチームは、レギュラーシーズンの勝率の低い順に割り当てられていた。さらにドラフトロッタリーは1巡目だけ1985年に導入されたシステムで、プレイオフ不出場チーム(もしくはトレードによって指名権を獲得したチーム)の1巡目の順位が抽選で決定され、2巡目は勝率の低い順に割り当てられた(1989年にドラフトが2巡目までに限定されるまでは、3巡目以降も勝率の低い順に割り当てられていた)。

1986年4月に理事会が手順変更に合意し、抽選によって決定されるチームは上位3位までの指名権に変更された。残りのプレイオフ不出場チームはレギュラーシーズンの勝率が低い順に割り当てられた。すなわち、最下位のチームは4位以上の指名権、下から2番目のチームは5位以上の指名権といった具合に、ある程度の指名順位が成績によって保証されていた。

さらに1989年10月の変更で、理事会は1990年のNBAドラフトロッタリーから加重式システムを採用した。この年のロッタリーは、リーグのチーム数増加によりロッタリーチームが11チーム存在した。抽選では66個のチャンスのうち、最下位のチームが1位指名権を獲得する可能性があるのが11個、下から2番目のチームが10個、そしてロッタリーチーム内でトップの成績だったチームは1個のチャンスが与えられた。

1993年11月に理事会は新たなロッタリーシステム導入を承認し、1994年のNBAドラフトロッタリーから採用された。成績の低いチームが上位3位指名権を獲得する確率が上昇し、プレイオフをギリギリで逃したチームの確率が低下した。このシステムでは、最低勝率チームが1位指名権を獲得する確率が16.7%から25%に上昇した一方、ロッタリーチーム内でトップの成績だったチームの確率は1.5%から0.5%に減少した。

同システムでは、1から14までの番号が振られた14個のピンポン玉を機械に入れて抽選する形となった。この14個の球のうち4個を取り出したときの組み合わせは1001通り存在する。このうちの1000通りの組み合わせがロッタリーチームのレギュラーシーズンの成績に基づいて割り当てられるという方法だ。4つの球が引かれて、4つの数字の組み合わせが決定され、その組み合わせを持っているチームに1位指名権が与えられる。4つの球は再び機械に戻され、2位指名権と3位指名権を決定するために抽選を繰り返す(割り当てられていない1001通り目が出た場合は、再度抽選を行なう)。

1995年10月、トロント・ラプターズとバンクーバー(現メンフィス)・グリズリーズがリーグに加入したことにより、ロッタリーに参加するチームは11から13に増加した。1996年のドラフトロッタリーから、最下位のチームは引き続き1位指名権獲得確率が25%、下から2番目から6番目のチームの確率が少し下がり、7番目の確率は変わらず、8番目から12番目の確率は少し上がり、13番目は変わらないということになった。

2004年のNBAドラフトロッタリーは、シャーロット・ボブキャッツ(現ホーネッツ)が増えたことで14チームで行なわれた。この年のボブキャッツはリーグ加入時の取り決めに従って、4位指名権が確定していたため、ロッタリーでほかの指名順を獲得する機会はなかった。

2017年、NBA理事会は記事上部の変更を、2019年から導入することを承認した。

参考:2025 NBA Draft Lottery: Odds, history and how it works by NBA.com

大西玲央 Reo Onishi

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。国際基督教大学卒。NBA Japan / The Sporting Newsのシニアエディター。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、通訳なども行なっている。訳書には『コービー・ブライアント 失う勇気』『レイ・アレン自伝』『デリック・ローズ自伝』「ケビン・ガーネット自伝』『ヤニス 無一文からNBAの頂点へ』。

及川卓磨 Takuma Oikawa

スポーティングニュース日本版編集長。千葉県生まれ、茨城県育ち。日本大学在学時を含めて丸14年間バスケットボール専門誌の編集者として企画立案・取材・執筆・編集・誌面制作・ウェブサイト運営等あらゆる編集業務に携わる。2013年秋にNBA日本公式ウェブサイト『NBA Japan』編集長に就任し、サイトやSNSアカウントの立ち上げに携わると同時にメディア運営を主導。2022年4月より現職。主な競技経験はバスケットボール、野球、サッカー。

佐藤瑞紀 Mizuki Sato

京都府生まれ、立命館大学卒。The Sporting Newsのアシスタントエディター。大学在学中は、ファッションに携わり、Levi'sやセレクトショップでスタッフとしてキャリアをスタート。大学卒業後に上京し、ファッションとカルチャーを結びつけた記事を執筆。バスケ未経験ながら、2015年にカリーのプレーに魅了され、NBA観戦が大好きになる。