オーランド・マジックはNBAの今オフシーズンで最初の大きなトレードに踏み切った。
マジックは6月15日(日本時間16日)、メンフィス・グリズリーズとのトレードで、ケンテイビアス・コールドウェル・ポープとコール・アンソニー、4つのドラフト1巡目指名権、ドラフト1巡目指名権交換権と引き換えに、デズモンド・ベインを獲得した。
今回の取引は、マジックにとって大きなリスクだ。ここでは、マジックの評価をまとめる。
選手のトレードを見れば、アンソニーやコールドウェル・ポープと引き換えにベインを獲得したのが勝利であることは確かだろう。ベインは2024-2025シーズンに平均19.2得点、6.1リバウンド、5.3アシストを記録しており、3ポイントショット成功率は40%に近い。
ただ、アンソニーとコールドウェル・ポープは、いずれも2024-25シーズンのマジックで重要な役割を担った選手たちだ。その彼らを手放すことは、決して小さなことではないだろう。
そしてこのトレードで最も重要なのは、マジックが4つものドラフト1巡目指名権を手放さなければならなかったことだ。非常に多くのドラフト資産を放出したのである。
トレードに含まれた指名権は、ことしの全体16位指名権、2026年のフェニックス・サンズ経由の1巡目指名権(貴重なものとなる可能性)、そして2028年と2030年の保護条件なし1巡目指名権だ。さらにマジックは2029年の軽い保護条件つきのドラフト指名権交換権も手放した。
マジックのジェフ・ウェルトマン社長は、この取引でどれだけの選手を手に入れたと考えているのだろうか。これだけのドラフト指名権が絡むトレードは、ベインというよりケビン・デュラント級の選手を獲得するような内容だろう。
加えて、ベインは素晴らしい選手であることが確かなものの、健康面がこれまで万全だったわけではない。これはマジックにとって大きな危険信号のはずだ。直近もケガの影響を受けたところだからである。そして彼らに必要なのは、パオロ・バンケロとフランツ・バグナーのコンビに信頼できるスターを加えることだったが、ベインはまだそれだけの実績を残していない。
ベインがシーズン出場70試合超だったのは、これまでのキャリアで一度だけだ。ここ3シーズンは平均57試合に満たない。すべてを投げ打ってでも踏み切る価値があるとは言えない数字だ。
そのため、今トレードのマジックの評価はD+となる。ベインはスターというほどではなく、その彼を獲得するのにマジックはスター級の代償を支払った。ベインは素晴らしくフィットするかもしれない。だが、彼を手に入れるのにドラフト資産を多く手放したことを、マジックは後悔するのではなかろうか。
原文:Magic trade grade: Instant reaction to Orlando’s huge, risky Desmond Bane trade(抄訳)
翻訳:坂東実藍
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