ロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズが、NBAでの23シーズン目を前に自身初の決断を下した。
6月30日(現地29日)に『ESPN』のシャムズ・シャラニア記者が報じたところによると、ジェームズは5260万ドル(約75億7440万円/1ドル=144円換算)のプレイヤーオプションを行使し、2025-2026シーズンもレイカーズに残る。
ジェームズがフリーエージェント市場に出ないことを選んだのは初めてだ。新シーズンに向けてレイカーズへの献身を意味する。一方、エージェントのリッチ・ポールは、ジェームズがさらなるNBA優勝を目指し、別のチームでキャリアを終えようとするかもしれないと示唆した。
ここでは、ジェームズの契約やこれまでの決断、ポール発言の今後の意味などをまとめる。
レブロン・ジェームズのプレイヤーオプション行使
2024年にジェームズは2年1億140万ドル(約146億160万円)の契約を結んだ。2025-26シーズンはプレイヤーオプションだった。
オプションを破棄していたら、ジェームズはFAになっていた。FAになれば、ジェームズはレイカーズ残留のための再契約を交渉したり、別のチームに移籍することも可能となる。だが、ジェームズと契約できるほどキャップスペースが空いているチームは、現時点ではNBAにいなかった。
これまで、ジェームズはオプションを行使してこなかった。だが、今回の行使やポールの発言は、ジェームズをめぐるトレードの可能性を残したかたちだ。
レブロン・ジェームズのプレイヤーオプションの歴史
- 2010年:クリーブランド・キャバリアーズとの契約最終年を破棄、マイアミ・ヒートと6年契約
- 2014年:ヒートとの契約を破棄、キャバリアーズと2年契約(2年目はオプション)
- 2015年:オプションを破棄、2年の再契約(2年目はオプション)
- 2016年:オプションを破棄、3年の再契約(3年目はオプション)
- 2018年:オプションを破棄、レイカーズと4年契約(4年目はオプション)
- 2020年:レイカーズと2年の延長契約
- 2022年:レイカーズと2年の延長契約
- 2024年:オプションを破棄、2年の再契約(2年目はオプション)
- 2025年:オプションを行使、FA回避
レイカーズはレブロン・ジェームズをトレードするのか?
現時点でレイカーズにおけるジェームズの今後に関して決断は下されていない。だが、エージェントの発言はあらゆる選択肢があることを示唆している。
また、オプション行使で、新契約を結んだ選手に適用されるトレード制限がなくなる。しかし、ジェームズの場合は契約にトレード拒否権がある。これに加えてレイカーズの球団売却の件もあり、ジェームズをめぐるトレードの可能性は難しいかもしれない。
ポールはESPNでこのオフシーズンに「レイカーズの動きを注視」と話した。
レブロンは優勝を競いたいと望んでいる。レイカーズが未来に向けて構築しているところなのは理解しているが、現実的な優勝のチャンスを評価する。8年にわたるジーニー(バス)やロブ(ペリンカ)とのパートナーシップには非常に感謝しており、レイカーズはキャリアにおいて重要な一部だと考えている。
我々は将来に向けて備えながら、今勝つことの困難も理解している。レブロンの人生とキャリアのこのステージにおいて、何が彼にとって最善なのかを評価したい。毎年彼は残りを大事にしたいと望んでいるんだ。レイカーズはそれを理解し、サポートして、彼にとってのベストを望んでいる。
昨季、レイカーズはダラス・マーベリックスからスーパースターのルカ・ドンチッチを獲得するという大きな動きに出た。レギュラーシーズンの成績は50勝32敗。ウェスタン・カンファレンスの第3シードを獲得している。だが、プレイオフはファーストラウンドで第5戦の末に敗退した。
競争が激しい西地区において、レイカーズがタイトルを競うほどの位置に立つには、いくつか手を打つ必要があるだろう。ジェームズと契約を結んだまま、それらを実現できるかは不明だ。
レブロン・ジェームズの通算収入
2024-25シーズンまでのジェームズの収入は以下のとおり。2025-26シーズンのオプション行使を含めると、通算で5億8000万ドル(約835億2000万円)を上回る。
シーズン | チーム | 年俸 | 年齢 |
2003-04 | キャバリアーズ | $4,018,290 | 19 |
2004-05 | キャバリアーズ | $4,320,360 | 20 |
2005-06 | キャバリアーズ | $4,621,800 | 21 |
2006-07 | キャバリアーズ | $5,828,090 | 22 |
2007-08 | キャバリアーズ | $13,041,250 | 23 |
2008-09 | キャバリアーズ | $14,410,581 | 24 |
2009-10 | キャバリアーズ | $15,779,912 | 25 |
2010-11 | ヒート | $14,500,00 | 26 |
2011-12 | ヒート | $12,896,159 | 27 |
2012-13 | ヒート | $17,545,000 | 28 |
2013-14 | ヒート | $19,067,500 | 29 |
2014-15 | キャバリアーズ | $20,644,400 | 30 |
2015-16 | キャバリアーズ | $22,970,500 | 31 |
2016-17 | キャバリアーズ | $30,963,450 | 32 |
2017-18 | キャバリアーズ | $33,285,709 | 33 |
2018-19 | レイカーズ | $35,654,150 | 34 |
2019-20 | レイカーズ | $37,436,858 | 35 |
2020-21 | レイカーズ | $39,219,566 | 36 |
2021-22 | レイカーズ | $41,180,544 | 37 |
2022-23 | レイカーズ | $44,474,988 | 38 |
2023-24 | レイカーズ | $47,607,350 | 39 |
2024-25 | レイカーズ | $48,728,845 | 40 |
通算 | $528,195,302 |
原文:LeBron James player option, explained: How Lakers star's contract impacts free agency, future in LA(抄訳)
翻訳:坂東実藍