ロサンゼルス・レイカーズのスーパースターであるレブロン・ジェームズは、2025-2026シーズンのプレイヤーオプションを行使した。新契約の再交渉ではなく、珍しく契約最終年のオプトインだ。
エージェントのリッチ・ポールは、「レブロンの人生とキャリアのこのステージにおいて、何が彼にとって最善なのかを評価したい」と述べており、変化の可能性を示唆した。
『ESPN』のデイブ・マクメナミン記者は、ポールがジェームズのトレードに関して4チームからコンタクトがあったものの、本格的な対話はしていないと話したと伝えている。
2010年のサイン&トレードでのマイアミ・ヒート移籍を除き、ジェームズはNBAでのキャリアにおいてトレードされたことがない。だが、ポールの言葉から、8シーズンを過ごしたレイカーズでの日々がトレードで終わるかもしれない。
4チームとはどこなのか。どんなトレードの可能性があるのか。ここでは、それらをまとめる。なお、ジェームズの契約にはトレード拒否条項があり、本人にはあらゆる取引を拒む権利がある。
レブロン・ジェームズのトレード案

ニューヨーク・ニックス
- レイカーズ獲得:OG・アヌノビー、ミッチェル・ロビンソン、タイラー・コーレック
- ニックス獲得:レブロン・ジェームズ、ブロニー・ジェームズ
レイカーズのメリット:層に厚みをもたらせられる。
ジェームズを失っても、アヌノビーにロビンソンと2人の質の高いスターターを得られる。後者はルカ・ドンチッチのようなガードと組んで活躍できるセンターだ。一方、アヌノビーは3&D(3ポイントショットと守備を得意とする選手)で、守備においてドンチッチを補うことができる。
さらに重要なのはアヌノビーが1997年生まれ、ロビンソンが1998年生まれであること。レイカーズは大幅な若返りで大きな展望を描くことができる。
ニックスのメリット:15年前の可能性が実現となる。
バスケットボールの聖地にジェームズ。見逃せないだろう。
また、ニックスはさらに多才なウィングを重視しつつあり、新ヘッドコーチ就任が報じられているマイク・ブラウンは、かつてジェームズを指導したことがある。ジェイレン・ブランソンとはIQが高いコンビとなるだろう。混戦となるイースタン・カンファレンスでの飛躍が見込まれる。
ミケル・ブリッジズやジョシュ・ハートもいるため、ウィング過多となるかもしれないが、ニックスはカール・アンソニー・タウンズのバックアッパーとなるビッグマンを新たに獲得するための柔軟性もある。ただ、ジェームズもある程度5番としてプレイするかもしれない。

ダラス・マーベリックス
- レイカーズ獲得:ダニエル・ギャフォード、ケイレブ・マーティン、クレイ・トンプソン、PJ・ワシントン
- マーベリックス獲得:レブロン・ジェームズ、ブロニー・ジェームズ
レイカーズのメリット:ファイナル進出時のマブスのようになる。
ドンチッチが前面に立ち、ギャフォードとのコンビはロブの脅威となる。マーティンがペリメーターディフェンダーとなり、トンプソンというシャープなシューターと、ワシントンという3&Dもいる。ドンチッチを長くとどめるなら、慣れたタイプを加えることは確実な方法だ。
近年の問題だった層の厚みも増すことができる。移籍を狙う選手たちにとっての魅力的な新天地候補にもなるだろう。
マーベリックスのメリット:層が厚いため4人放出でも揺るがない。
実現すればジェームズはマーベリックスにとって4人目の元ドラフト全体1位指名選手となる。アンソニー・デイビスにカイリー・アービングと、彼のお気に入りである元チームメイトたちとのコンビも再結成だ。そしてクーパー・フラッグはジェームズの後継者となる。
主力選手たちを失うことになるが、それでも元ドラフト全体1位指名が4人おり、リムに向かっていくセンターのデレック・ライブリー二世や、ディアンジェロ・ラッセルといったガード、ナジ・マーシャルやマックス・クリスティーといったウィングたちも擁している。優勝を狙えるロスターだ。

ゴールデンステイト・ウォリアーズ
- レイカーズ獲得:ジミー・バトラー、クインテン・ポスト
- ウォリアーズ獲得:レブロン・ジェームズ、ブロニー・ジェームズ
レイカーズのメリット:別のスターを確保できる。
バトラーは以前ほど若くない。だが、2024-25シーズンはウォリアーズで適応力を見せた。契約は残り2年で、レイカーズが大型補強を望む2027年にフリーエージェントとなる。
ポストはフロントコートの層を厚くするためのプラスの選手だが、ドンチッチとバトラーが組むことで、レイカーズはリーグ屈指でポストシーズンに強い2人を擁することになる。
ボールを支配するドンチッチにバトラーが調整できるかの疑問はあるかもしれない。だが、バトラーはステフィン・カリーのシステムでも柔軟性を見せた。
ウォリアーズのメリット:レブロンとステフ、これだけで十分だ。
以前から騒がれる共演のラストチャンスとなるだろう。2024年のパリ・オリンピックで示したとおりなら、カリーが38歳、ジェームズが41歳であっても、リーグ全体の脅威となるはずだ。
実現すれば、ほかのベテランたちが最低年俸でもウォリアーズに加わろうとするだろう。実質的に1対1の交換だけに、ロスターのほかの選手たちを保つこともできる。ロールプレイヤーたちがそれぞれの役割で活躍し続けられるということだ。

クリーブランド・キャバリアーズ
- レイカーズ獲得:未定
- キャバリアーズ獲得:レブロン・ジェームズ、ブロニー・ジェームズ
レイカーズのメリット:正真正銘のセンターを獲得できる。
この取引なら、ジャレット・アレンが含まれることはほぼ確実だ。リムプロテクトやロブの脅威となり、ドンチッチとのコンビで活躍できるだろう。
つまり、レイカーズはペリメーターの守備とショットを強化することで、2024年のNBAファイナルに進出したマーベリックスが成功した方程式を再現できるというわけだ。
これはドンチッチを長く残すためにも役立つだろう。レイカーズの獲得が未定なのは、キャバリアーズがジェームズ獲得に動くには、サラリー調整のためのトレードをまず実現させなければいけないからだ。それができなければ、取引はノーチャンスとなる。
キャバリアーズのメリット:近年のプレイオフで躍進に至らなかった要素を手に入れられる。
それがジェームズだ。混戦の東地区において、彼を加えることは非常に大きい。
主力選手たちを失うのは痛手だ。しかし、キャバリアーズはダリアス・ガーランド、ドノバン・ミッチェル、エバン・モーブリーという主軸トリオを保てるだろう。これまで築いてきた構造を大きく壊すことにはならない。
うまくいき、地元で再び優勝となれば、ジェームズは物語のようにキャリアを締めくくれる。そこまで至らずとも、ジェームズの契約はトレードされる選手たちの契約とほぼ同時期までだけに、キャバリアーズは前述の3人を中心としたチームづくりを進める柔軟性を手にしておける。
原文:LeBron James trade packages: How these four NBA teams could offer best landing spots for Lakers superstar(抄訳)
翻訳:坂東実藍