王者バックス、ファイナルMVPヤニス・アデトクンボらが残した記録

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アトランタ・ホークスとイースタン・カンファレンス・ファイナル(東地区決勝)を戦っていた3週間ほど前、ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボは左ひざを負傷し、プレイオフの残りの試合に出場できるか五分五分の状態だった。

だが、今の彼を見てほしい。

「The Greek Freak」(ギリシャの超人/アデトクンボの愛称)は、これ以上ないというタイミングで、おそらくはキャリア最高のパフォーマンスを披露し、2度のレギュラーシーズンMVP(2019、2020年)に続くファイナルMVP受賞を果たした。バックスが105-98でフェニックス・サンズに勝利し、50年ぶりにタイトルを手にした7月20日(日本時間21日)のNBAファイナル2021第6戦で、アデトクンボは50得点をあげている。

ここに至るまで、第6戦でもファイナル全体を通じても、アデトクンボは見事なスタッツを残してきた。今ファイナルにおけるアデトクンボやバックスに関する重要なスタッツをいくつか振り返ってみよう。

ファイナルMVP

アデトクンボはファイナルMVPを受賞した選手の中で、最もドラフトでの指名順位が低かった選手のひとりだ。

ドラフト指名順位が低かったファイナルMVP受賞者

ファイナル選手ドラフト指名順位
1983モーゼス・マローン指名なし(ABAでキャリア開始)
1979デニス・ジョンソン29位
2007トニー・パーカー28位
1989ジョー・デュマース18位
2021ヤニス・アデトクンボ15位
2014 & 2019カワイ・レナード15位

また、アデトクンボは外国人選手(米国外出身選手)として4人目のファイナルMVP受賞者となった。

ファイナルMVPを受賞した外国人選手

選手ファイナル
ヤニス・アデトクンボ2021
ダーク・ノビツキー2011
トニー・パーカー2007
アキーム・オラジュワン1994, 1995

締めくくりに大仕事

優勝を決めた第6戦で、アデトクンボは50得点をあげたが、これはNBAの歴史で2人目の数字だ。前回この記録を達成したのは、ボストン・セルティックスとの1958年のファイナル第6戦で50得点をあげたセントルイス・ホークス(現アトランタ・ホークス)のボブ・ペティットだ。

アデトクンボはファイナルで平均35.2得点、13.2リバウンド、5.0アシストをマークした。前回、ファイナルで平均35得点&10リバウンド&5アシスト超を達成したのは、レブロン・ジェームズだ。クリーブランド・キャバリアーズがゴールデンステイト・ウォリアーズに2勝4敗で敗れた2015年のファイナルで、ジェームズは35.8得点、13.3リバウンド、8.8アシストを記録している。

『Elias Sports Bureau』によると、第6戦のアデトクンボはチーム総得点の47.6%をあげた。ファイナルにおける単一試合での1選手の得点比率としては、最も高い部類に入る数字だ。

ファイナルの単一試合でのチーム総得点に対する1選手の得点比率上位

日付(現地)選手(チーム)得点比率対戦相手チーム総得点中の選手得点
1950年4月8日ジョージ・マイカン(レイカーズ)54.40%ナショナルズ(敵地)68得点中37得点
1998年6月14日マイケル・ジョーダン(ブルズ)51.70%ジャズ(敵地)87得点中45得点
1993年6月16日マイケル・ジョーダン(ブルズ)49.50%サンズ(ホーム)111点中55得点
1962年4月14日エルジン・ベイラー(レイカーズ)48.40%セルティックス(ホーム)88得点中42得点
2021年7月20日ヤニス・アデトクンボ(バックス)47.60%サンズ(ホーム)105得点中50得点
1954年4月11日ジョージ・マイカン(レイカーズ)47.60%ナショナルズ(ホーム)63得点中30得点

連敗スタートも心配無用

ファイナル第2戦が終わったときは、バックスのタイトルへの望みが失われたかに思われた。0勝2敗と連敗スタートを切り、いずれも10点差以上をつけられての黒星だったのだ。しかし、バックスは史上5チーム目となる連敗スタートからの逆転優勝を果たした。

ファイナルチーム対戦相手シリーズ結果
2021バックスサンズ4勝2敗でバックス
2016キャバリアーズウォリアーズ4勝3敗でキャバリアーズ
2006ヒートマーベリックス4勝2敗でヒート
1977ブレイザーズ76ers4勝2敗でブレイザーズ
1969セルティックスレイカーズ4勝3敗でセルティックス

その他のスタッツ

アデトクンボの活躍はファイナルだけではなく、プレイオフを通じてのものだった。今プレイオフで彼は、634得点、269リバウンド、108アシストを記録している。単一のポストシーズンで600得点&250リバウンド&100アシスト超を達成したのは、1984年のラリー・バード(632得点、252リバウンド、136アシスト)、1993年のチャールズ・バークリー(638得点、326リバウンド、102アシスト)に続く3人目だ。

そのほか、プレイオフとファイナルにおけるアデトクンボの特筆すべきスタッツの一部を紹介する。

  • ファイナルでのフィールドゴール成功率は61.8%。FG成功率60%超で平均30得点&10リバウンド&5アシスト超を記録したのは史上初。
  • ファイナルでの1試合平均30得点&FG成功率60%超は、2000年のシャキール・オニール(38得点、61.1%)以来2人目。
  • 1954-55シーズンのショットクロック導入以降、単一プレイオフで平均30得点&FG成功率55%超は、出場10試合以上の選手の中で6人目の記録(アデトクンボは平均30.2得点、FG成功率56.9%、その他の選手たちは以下)。
選手シーズン
カリーム・アブドゥル・ジャバー1970、1974、1977、1980年
シャキール・オニール1998、2000、2001年
バーナード・キング1984年
レブロン・ジェームズ2017年
カワイ・レナード2021年
  • アデトクンボ(平均35.2得点、13.2リバウンド、5.0アシスト)、クリス・ミドルトン(24.0得点、6.3リバウンド、5.3アシスト)、ドリュー・ホリデー(16.7得点、6.2リバウンド、9.3アシスト)は、全員がファイナルで1試合平均15得点&5リバウンド&5アシスト超を達成したNBA史上初のトリオに。

原文:Key stats, facts to know from Bucks' championship run by NBA.com(抄訳)


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Contributing Writer