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ジェイソン・テイタムの負傷はセルティックスとNBAの今後にどう影響するのか?

Stephen Noh

坂東実藍 Miran Bando

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ボストン・セルティックスのジェイソン・テイタムは、ニューヨーク・ニックスとのイースタン・カンファレンス・セミファイナル第4戦で、アキレス腱断裂という重傷を負った。

テイタムの負傷はセルティックスだけでなく、リーグ全体の今後にも影響するかもしれない。

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ジェイソン・テイタムの負傷はセルティックスの今後にどう影響する?

テイタムはここ3シーズンのMVP投票でトップ6に入っていた選手だ。今季の投票もその流れは続くだろう。彼がいれば、セルティックスには数年間連続でタイトルを競っていくチャンスがあった。そして彼がいなくても、彼らが良いチームであることは変わらない。しかし、優勝という目標は保留となる。

セルティックスはテイタムの負傷の前から、今季優勝リングを手にできなければチームを解体させるかもしれないとのうわさがあった。『ESPN』のボビー・マークス記者とブライアン・ウィンドホースト記者によると、このままなら来季の年俸は5億ドル(約715億円/1ドル=146円換算)を上回り、NBA史上最高額のチームになると見られている。

セルティックスが大型トレードを行わない限り、その数字は下がらない。そしてフリーエージェントとなる主な選手はアル・ホーフォードだけだ。そのほかの選手たちは保証契約下にある。一定の限界があるチームにとっては多額の支出となるだろう。一部の放出は避けられないと見られる。

最も可能性が高いのは、34歳のドリュー・ホリデーだろう。非常に効果的な選手であることは変わらない。だが、3240万ドル(約46億3320万円)という年俸は、コストカットのために最も容易な選択肢となる。また、クリスタプス・ポルジンギスも3070万ドル(約43億9010万円)の契約最終年となる選手だ。ジェイレン・ブラウンの5310万ドル(約75億9330万円)はリーグで11位の高額年俸であり、さらに今後3年で上昇する。デリック・ホワイトは来季の年俸が2810万ドル(約40億1830万円)だが、どのチームも欲しがる人材だ。

この夏は、これらの選手すべてに関するトレードがうわさされるだろう。そしておそらく、セルティックスが財政的に悪い状況に陥らないように、少なくとも彼らのうちひとりは放出されるはずだ。

セルティックスがこれらの選手をキャップスペースがあるチームとトレードし、引き換えの選手の年俸を請け負わない可能性もある。その条件を満たすのは、ブルックリン・ネッツとユタ・ジャズだ。ほかにも、デトロイト・ピストンズとメンフィス・グリズリーズに、セルティックスが引き受けるサラリーが下回る不均衡なトレードを成立させられるキャップスぺースがある。

これらのチームが絡んで、よりクリエイティブで複雑な三角トレードとなる可能性もあるだろう。それは最も実現の可能性が高いかもしれない。この場合、セルティックスは高額サラリーを引き換えに請け負うことなく、もっと多くの有力チームとのトレードを行える可能性がある。

セルティックスが本当にトレードを行う場合、2年以内に優勝を競えるだけの戦力を保ったチームとし、テイタムが高いレベルで復帰できるのを願うのが狙いとなるだろう。

ケビン・デュラントは30歳でアキレス腱断裂から復帰を果たした。コービー・ブライアント、クレイ・トンプソン、ルディ・ゲイといった選手たちも、全盛期ほどではなくとも復帰を遂げている。

テイタムはまだ27歳だ。上記の選手たちよりも若さが味方になる。選手の肉体はそれぞれ異なるものだが、テイタムが再びコートに戻ってきた時に、オールスター級のままでいられる可能性は十分だ。

その時のセルティックスは、優勝した時ほどのグループではないかもしれない。だが、テイタムが90%の状態で戻ってこられれば、依然として優勝を競えるだけのチームとなるはずだ。

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ジェイソン・テイタムの負傷はNBAの今後にどう影響する?

テイタムが離脱し、セルティックスの戦力が低下すれば、東地区はさらに混戦となる。今季の地区決勝にはインディアナ・ペイサーズが進出した。もう1チームはニックスになることが有力だ。これは誰も予想しなかったことだろう。

それなれば、来季はどのチームが台頭するか分からない。クリーブランド・キャバリアーズ、ニックス、ペイサーズ、あるいはほかのダークホースとなるチームにチャンスがあるだろう。フィラデルフィア・76ersはNBAドラフト2025で全体3位指名権を獲得し、流れを変えられるかもしれない。ヤニス・アデトクンボが東地区内で移籍し、新天地を優勝を競えるようなチームとするかもしれない。様々な可能性があるのだ。

イーストは好チームのすべてがこの夏、大きな動きに出るべきだ。こういった機会はそうそう訪れるものではない。トロント・ラプターズはカワイ・レナードの1年レンタルというトレードに踏み切り、2019年に球団史上唯一となるNBA優勝を達成した。来季はそういったことがあるかもしれない。

原文:Jayson Tatum injury: Celtics will likely make trades this summer as championship window shifts(抄訳)
翻訳:坂東実藍


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Stephen Noh

Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

坂東実藍 Miran Bando

フリーランスライター。NBAや欧州サッカーを中心に担当。執筆業は約20年の40代。マジック・ジョンソンのような華麗さを夢見るが、現実は地味キャラ。ならば目指すはサネッティのような継続性か。日々、子どもたちの世話に追われながらバスケとサッカーを追い続け、地道に各種媒体へ寄稿。