1勝3敗からの挽回は、簡単ではない。だが、不可能でもない。
NBAの歴史において、プレイオフで0勝3敗から逆転でシリーズを制したチームは存在しない。だが、1勝3敗から逆転したケースは少なくない。そしてそのうちのひとつは、NBAファイナルでの逆転だった。
最も直近で達成したのは、デンバー・ナゲッツだ。NBAプレイオフ2020で1回のみならず、2回も1勝3敗からシリーズを制した。2シリーズ連続での達成はこの時のナゲッツだけだ。
NBAプレイオフ2025では、東西両地区の決勝でシリーズ1勝3敗という展開になった。
イースタン・カンファレンスでは、ニューヨーク・ニックスがインディアナ・ペイサーズにホームで連敗スタート。敵地で1勝したが、第4戦を落とし、1勝3敗でホームでの第5戦に臨む。
一方、ウェスタン・カンファレンスではミネソタ・ティンバーウルブズがオクラホマシティ・サンダーに敵地で連敗。ホームでの第3戦で大勝し、3連敗を回避したが、第4戦で競り負け、1勝3敗で敵地での第5戦を迎える。
ここでは、シリーズ1勝3敗からの逆転劇の歴史を振り返る。
NBAプレイオフの歴史でシリーズ1勝3敗から逆転勝利したチームは?
NBAプレイオフでシリーズ1勝3敗から逆転を果たした例は13回だ。
最初は1968年のイースタン・ディビジョン・ファイナルのボストン・セルティックス。フィラデルフィア・76ersを下してファイナルに進出し、ロサンゼルス・レイカーズを倒して優勝を飾った。
2000年以降のプレイオフでシリーズ1勝3敗から逆転したのは6チーム。最も直近ではナゲッツだ。NBAプレイオフ2020のファーストラウンドでユタ・ジャズ、セカンドラウンドでロサンゼルス・クリッパーズを沈めている。
年 | シリーズ | 勝者 | 対戦相手 |
1968 | イースタン・ディビジョン・ファイナル | セルティックス | 76ers |
1970 | ウェスタン・ディビジョン・セミファイナル | レイカーズ | サンズ |
1979 | 東地区決勝 | ブレッツ | スパーズ |
1981 | 東地区決勝 | セルティックス | 76ers |
1995 | 西地区準決勝 | ロケッツ | サンズ |
1997 | 東地区準決勝 | ヒート | ニックス |
2003 | 東地区1回戦 | ピストンズ | マジック |
2006 | 西地区1回戦 | サンズ | レイカーズ |
2015 | 西地区準決勝 | ロケッツ | クリッパーズ |
2016 | 西地区決勝 | ウォリアーズ | サンダー |
2016 | NBAファイナル | キャバリアーズ | ウォリアーズ |
2020 | 西地区1回戦 | ナゲッツ | ジャズ |
2020 | 西地区準決勝 | ナゲッツ | クリッパーズ |
NBAファイナルで1勝3敗となったチームの成績
NBAファイナルの歴史において、1勝3敗となったチームの戦績は1勝36敗だ。
1勝3敗から逆転でNBAファイナルを制したのは、2016年にゴールデンステイト・ウォリアーズを下したクリーブランド・キャバリアーズだけだ。レギュラーシーズンで73勝と最多記録を樹立したウォリアーズを相手に逆転し、キャバリアーズはクリーブランドにとって52年ぶりとなるタイトルを手にした。
※この記事はスポーティングニュース国際版の記事を翻訳し、日本向けに一部編集を加えたものとなります。
翻訳:坂東実藍
編集:スポーティングニュース日本版編集部