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クーパー・フラッグやヤニス・アデトクンボにトレードの可能性が浮上──NBAドラフト上位指名権を持つマーベリックス、スパーズ、シクサーズの選択肢は?

Stephen Noh

佐藤瑞紀 Mizuki Sato

クーパー・フラッグやヤニス・アデトクンボにトレードの可能性が浮上──NBAドラフト上位指名権を持つマーベリックス、スパーズ、シクサーズの選択肢は? image

マーベリックス、スパーズ、シクサーズは、2025年のNBAドラフトでトップ3入りを果たしたことにより、トレードの可能性が広がっている。

ドラフトロッタリーでチームのドラフト順位を上げたことを知ったフィラデルフィア・76ersの球団社長ダリル・モーリーができたことといえば、安堵して机に頭を伏せることだけだった。ドラフト6位以内に入らなければ指名権を失うリスクがあったシクサーズにとって、3位指名権を獲得できた瞬間に、フランチャイズの方向性が劇的に変わったと言っても過言ではない。

一方、ダラス・マーベリックスのGM、ニコ・ハリソンは1.8%の確率を乗り越えて1位獲得した後、大きな反応を見せた。彼は椅子から飛び上がり、叫びながら拳を振り上げ、スタッフたちと喜びを分かち合った。

マーベリックス、76ers、そして2位指名を獲得したスパーズにとって、ドラフト当日の決断は「誰を指名するか」だけに留まらない。これらのチームはいずれも通常の再建スケジュールよりも進んだ段階にあり、他チームからのトレードオファーも想定され、それに耳を傾ける価値がある。

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マーベリックスはクーパー・フラッグをトレードすべきか?

ハリソンは物議を醸すトレードを恐れない。ルカ・ドンチッチを安くで放出したこと以外にも、カイリー・アービング、PJ・ワシントン、ダニエル・ギャフォード、ケイレブ・マーティンらを獲得した際も批判の声はあった。

ハリソン自身、「今勝つこと」へのプレッシャーを認識しており、ドンチッチ放出後のコメントでもそのことを示唆している。

「僕にとっての未来とは3〜4年後のこと。10年後なんてわからないよ。その頃には僕もジェイソン・キッドも地中に埋まってるかもしれないし、あるいは自滅してるかもね」

しかし、アービングの大怪我がそのタイムラインを狂わせた。ACLの手術からの回復により、来季の大半または全休の可能性がある。フラッグがいかに優れた選手であっても、現在のマブスには健康なポイントガードが控えのブランドン・ウィリアムズしかおらず、2026年に優勝を狙えるチーム構成ではない。

マーベリックスがすべきは、アンソニー・デイビスをトレードしてフラッグを中心とした完全な再構築を始めることだ。だが、現実に何が起こるかは予測できない。

月曜日のロッタリー前、ダラスにはヤニス・アデトクンボを獲得する可能性は皆無だった。 ただ、今でもハリソンが3年計画を信じているなら、そのカードを切るかもしれない。そんな大胆な判断を下すGMはNBAに29人もいないだろうが、ハリソンはその「残り1人」かもしれない。

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スパーズはディラン・ハーパーをトレードするのか?

スパーズにとっては事情が大きく異なる。ディラン・ハーパーは明らかに今ドラフトのNo.2候補で、素晴らしいプロスペクトだ。ただしフラッグほどのインパクトはなく、彼をトレードしてもそこまで物議を醸すことはないだろう。

ハーパーとビクター・ウェンバンヤマは面白い組み合わせになるかもしれない。ハーパーは優れたパサーであり、ピック&ロールを使ってウェンバンヤマのためにより簡単なシュートチャンスを作れる選手だ。しかし、彼はまだ19歳で、優勝争いに加われるレベルに成長するには時間がかかる。すでにNBAトップ10の選手であるウェンバンヤマを抱える中で、スパーズはどれだけ我慢できるだろうか?

さらに、スパーズのバックコートにはすでに有望な選手が多数いる。ステフォン・キャッスルは新人王を獲得したばかりで、ディアロン・フォックスも新たに加入。しかもフォックスを獲得するために、スパーズはかなりの対価を支払っている。そのため、ハーパーに与えるプレータイムがあるのかは疑問だ。

これまで一貫して「忍耐」を掲げ、リーグ屈指の育成スタッフを擁している彼らは、この才能をうまく育て上げる可能性も高い。だが同時に、より即戦力であるヤニスやケビン・デュラントのようなスターを狙うオプションも無視できない。

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76ersは3位指名権をトレードするのか?

ドラフトロッタリー前の時点で、シクサーズの未来はかなり暗かった。今季、タンク(故意に負けて指名権を狙う)をしていたわけではなく、むしろ勝とうとしていたのに、結果はリーグで5番目に悪い成績だった。

そんな中での3位指名権の獲得は76ersにとって「脱出カード」になり得る。4年2億1200万ドルのポール・ジョージの契約、そして今後3年間で1億9200万ドルが残るジョエル・エンビードの契約はどちらも今後のチーム構成を圧迫するかもしれない。

この3位指名権を使えるなら、彼らはジョージかエンビードのどちらか(他の2つの1巡目指名権と一緒に)をパッケージにして、ヤニスやデュラント、または他のトレード可能なスターを狙える可能性がある。 さらに、ジャレッド・マケインも非常に魅力的なトレード資産だ。もし半月板を負傷しなければ、彼はおそらく新人王を獲得していただろう。

モーリーは先日のポッドキャスト「Rights to Ricky Sanchez」で、エンビードがMVPレベルでプレーできると信じているとコメントした。

「ジョエルが戻ってくるなら、最高レベルでのプレーになるはずだ。正直、彼が衰える未来はまったく想像できない」

モーリーはリーグでも最も大型トレードに積極的なGMのひとりとして知られており、もし彼が本気でエンビードに賭けるなら、この3位指名権を動かすことは大いにあり得る。

原文:Cooper Flagg and Giannis Antetokounmpo trade possibilities for Mavericks, Spurs, 76ers after draft lottery
抄訳:佐藤瑞紀(スポーティングニュース日本版)

Stephen Noh

Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

佐藤瑞紀 Mizuki Sato

京都府生まれ、立命館大学卒。The Sporting Newsのアシスタントエディター。大学在学中は、ファッションに携わり、Levi'sやセレクトショップでスタッフとしてキャリアをスタート。大学卒業後に上京し、ファッションとカルチャーを結びつけた記事を執筆。バスケ未経験ながら、2015年にカリーのプレーに魅了され、NBA観戦が大好きになる。