NBAの2025-2026シーズンに向けて、昨季王者王者オクラホマシティ・サンダーの展望をまとめる。
2024-25シーズン
成績:68勝14敗(西地区1位、NBA優勝)
昨季はサンダーにとって歴史的なシーズンだった。シェイ・ギルジャス・アレクサンダーはチームを2シーズン連続となるウェスタン・カンファレンスのトップシードに導き、MVPを受賞。そしてサンダーは移転後初となるNBA優勝を飾った。
タイトルを手にするまでの道のりで、サンダーは数々の記録を打ちたてた。次は、NBA で2017-2018シーズンのゴールデンステイト・ウォリアーズ以来となる連覇という厳しい課題が始まる。
オフシーズンの動き
- 再契約:シェイ・ギルジャス・アレクサンダー(延長)、チェット・ホルムグレン(延長)、エイジェイ、ミッチェル(延長)、ジェイレン・ウィリアムズ(延長)、ジェイリン・ウィリアムズ(延長)
- 新加入:なし
- ドラフト:トーマス・ソーバー(全体15位)、ブルックス、バーンハイザー(全体44位)
- 退団:ディロン・ジョーンズ(トレード)
- フリーエージェント退団:なし
サンダーはタイトル防衛に「壊れていなければいじるな」というアプローチで臨む。優勝した昨季の出場時間の95%を担った選手たちが残留したからだ。1試合平均出場時間のチーム上位13選手は全員残っている。ギルジャス・アレクサンダー、ジェイレン・ウィリアムズ、そしてホルムグレンの主力3選手とは、オフシーズンに長期の延長契約を結んだ。
NBAドラフト2024で全体12位指名されたニコラ・トピッチも、今季ローテーションに加わるだろう。ひざの前十字じん帯の負傷で昨季を欠場した選手だ。一方で、今季の新人ソーバーはオフシーズンのワークアウト中に前十字じん帯を負傷してシーズン欠場となる。
昨季のサンダーはNBAで最も若いチームだった。それでも、歴代最多の得失点差や、NBA史上最多の二桁点差勝利数を記録している。そして1年の経験と優勝実績を積んだ今季のチームも、27歳以上はアレックス・カルーソとケンリッチ・ウィリアムズの2選手だけだ。さらに、サム・プレスティGMには層を厚くしていくためのドラフト指名権が大量にある。サンダーは今後数年、もっとタイトルを目指して競っていくための絶好の位置につけているのだ。
注目選手
ジェイレン・ウィリアムズだ。4シーズン目に臨む彼は、新たなスーパースターとして頭角を現してきている。
NBAドラフト2022で全体12位指名されたジェイレン・ウィリアムズは、昨季初めてオールスターに選出。また、オールNBAサードチーム、オールディフェンシブ・セカンドチームにも選ばれた。
平均得点(21.6)と平均アシスト(5.1)は3シーズン連続で伸びており、ギルジャス・アレクサンダーが休んでいたり、苦しんでいる時に、重要な局面でスコアラーとなれることも証明している。NBAファイナル第5戦で40得点をあげたことで、本格的に誰もが知る存在となった。
まだ24歳で、さらに向上する余地もある。
注目ポイント
サンダーは再び相手を苦しめるディフェンスができるのか?
3シーズン連続でオールNBAチームに選ばれたギルジャス・アレクサンダーが、攻撃面で貢献するのは確実だ。ジェイレン・ウィリアムズとホルムグレンも、それぞれ攻撃において自分たちの役割を増している。ただ、サンダー優勝の大きな要因となったのは、守備から攻撃への切り替えだ。昨季のターンオーバー差(+566)はNBA記録の数字だった。
サンダーはギルジャス・アレクサンダー、ジェイレン・ウィリアムズ、そしてケイソン・ウォレスと、3選手がスティールでNBAトップ7に入った。そこにカルーソやルーゲンツ・ドートらも加わり、サンダーの守備はNBA屈指となっている。ただ、タイトルを手にしても、すべての試合で同じような強度の守備ができるのだろうか?
昨季、サンダーが敗れたのは、試合の流れを変えるような得点ラッシュにつながるターンオーバーを相手に強いることができなかった場合だ。だが、サンダーにそれができるなら、対戦相手は王者を倒すためにボールの扱いに気をつけなければならない。
原文:2025-26 Season Preview: Oklahoma City Thunder(抄訳)
翻訳:坂東実藍
✍️この記事はいかがでしたか? 読後のご意見・ご感想をぜひお聞かせください
NBA関連記事
- ロサンゼルス・レイカーズのシーズンプレビュー|NBA 2025-26シーズン
- シカゴ・ブルズのシーズンプレビュー|NBA 2025-26シーズン
- チームと個人で最多の数字は? NBA 2024-25シーズンのスタッツを振り返る
- NBAカップ準決勝とコーチチャレンジに関する一部ルールが変更 NBAが発表
- 【リポート】NBAでミラクルショットが増えるかも? クォーター終盤の長距離砲スタッツ集計が変更へ