NBAの2025-2026シーズンに向けて、デトロイト・ピストンズの展望をまとめる。
2024-25シーズン
成績:44勝38敗(東地区6位、プレイオフ・ファーストラウンド敗退)
2024-25シーズンはピストンズにとって大いに誇れるシーズンだった。わずか1シーズンで、リーグワーストの成績から、プレイイン・トーナメントを経ずにプレイオフに進出するまでに浮上したのだ。ポストシーズンは早期敗退にとどまったかもしれない。だがそれでも、ピストンズは2008年以来となるプレイオフでの白星を手にし、ニューヨーク・ニックスを相手にあわや第7戦まで持ち込む寸前だった。
それだけピストンズが一変したのは、主軸の若手たちの成長によると言えるだろう。特に際立ったのが、ケイド・カニングハムだ。昨季は1試合平均のスタッツを各種伸ばし、初のオールスター選出も果たした。23歳のスターには、昨季の成功を基にチームをさらに成長させることが課される。
オフシーズンの動き
- 再契約:ポール・リード
- 新加入:ジャボンテ・グリーン(フリーエージェント)、キャリス・ルバート(FA)、ダンカン・ロビンソン(サイン&トレード)
- ドラフト:チャズ・ラニアー(全体37位指名)
- 退団:シモーネ・フォンテッキオ(トレード)、ティム・ハーダウェイJr.(FA)、デニス・シュルーダー(サイン&トレード)、リンディ・ウォーターズ三世(FA)
- 未契約FA:マリーク・ビーズリー
今オフシーズンのピストンズの哲学は、昨年と似たものだった。才能ある若手の主力を支えるベテランを加えて向上させるというものだ。
シュルーダーがサクラメント・キングスに去ったが、ルバートの獲得で新たにボールハンドラーを加えた。通算3ポイントショット成功率39.7%のロビンソンは、デンバー・ナゲッツと契約したハーダウェイJr.の代わりとしてショット力の穴を埋めるだろう。
また、リードの残留もピストンズにとってオフシーズンの重要な一手だった。特にポストシーズン、ニックスとのシリーズでアイザイア・スチュワートがひざのケガにより大半を欠場した際に、リードは役立つ控えビッグマンであることを証明している。
注目選手
ジェイデン・アイビーだ。おそらく、ピストンズが前年から30勝も増やした中で最も印象的だったのは、23歳のアイビーが元日のオーランド・マジック戦で左腓骨を骨折し、シーズンの残りを欠場したにもかかわらず、それだけの成績を残したことだっただろう。
負傷離脱するまでのアイビーは、ピストンズの快進撃をうながした大きな要因のひとつだった。NBAドラフト2022で全体5位指名されたアイビーは、30試合で自己最多のスタッツを記録。1試合平均17.6得点、3ポイントショット成功率40.9%をマークしている。
完全回復したアイビーは、カニングハムの負担軽減を含め、多くの分野でピストンズに勢いをもたらす。昨季は自己最多の1試合平均4.4ターンオーバーだったが、ユーセージ率がリーグ有数だったことに伴う。2番手のボールハンドラーとして戦列に復帰したら、その数字は減っていくだろう。
注目ポイント
東地区の戦力低下を、ピストンズは生かせるだろうか?
昨季はプレイオフ・ファーストラウンドでのホームコート・アドバンテージ獲得までわずかだった。そしてピストンズを上回ったチームのうち、ボストン・セルティックスとインディアナ・ペイサーズの2チームは、ジェイソン・テイタムとタイリース・ハリバートンが昨季プレイオフでアキレス腱を負傷したことで、後退する可能性がある。
トップ4入りは簡単なことではないだろう。オフシーズンでロスターを強化したチームたちとも競わなければならない。特に注目はオーランド・マジック(デズモンド・ベイン獲得)とアトランタ・ホークス(クリスタプス・ポルジンギス加入)だ。
しかし、カニングハムがけん引し、健康なアイビーが復帰して、若手の主軸が安定して成長を続けられるのなら、ピストンズは東地区で上位に食い込む好位置にあると言えるだろう。
原文:2025-26 Season Preview: Detroit Pistons(抄訳)
翻訳:坂東実藍
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