NBAの2025-2026シーズンに向けて、昨季西地区準決勝まで勝ち進んだデンバー・ナゲッツの展望をまとめる。
2024-25シーズン
成績:50勝32敗(西地区4位、カンファレンス・セミファイナル敗退)
昨季、レギュラーシーズン残り3試合というタイミングで、ナゲッツはマイケル・マローン・ヘッドコーチとカルビン・ブースGMを解任し、スポーツ界に衝撃をもたらした。引き継いだデイビッド・アデルマンの下で、チームはオールスター以降のスランプから巻き返し、第4シードを獲得。プレイオフではカンファレンス・セミファイナルまで勝ち進んだ。地区準決勝では一進一退の攻防の末に第7戦までもつれ込み、最終的に優勝したオクラホマシティ・サンダーを倒すまであとわずかだった。
ニコラ・ヨキッチを中心とするナゲッツが球団初優勝を飾ったのは2年前のことだ。アーロン・ゴードン、ジャマール・マレーといった選手たちも残っている。そして新しくなった上層部は、優勝を競うレベルでMVP受賞3回のヨキッチを支えられると信じるロールプレイヤーたちを加えた。
オフシーズンの動き
- 再契約:なし
- 新加入:ブルース・ブラウン(フリーエージェント)、ティム・ハーダウェイJr.(FA)、キャメロン・ジョンソン(トレード)、ヨナス・バランチュナス(トレード)
- ドラフト:なし
- 退団:ブラッコ・チャンチャー(米国外)、マイケル・ポーターJr.(トレード)、ダリオ・シャリッチ(トレード)
- 未契約FA:ディアンドレ・ジョーダン、ラッセル・ウェストブルック
ナゲッツは6年在籍のベテラン、ポーターJr.に別れを告げ、2024-25シーズンに自己最多の平均18.8得点を記録し、ブルックリン・ネッツで成長したキャメロン・ジョンソンを獲得した。一方、バランチュナスとハーダウェイJr.の加入、2022-2023シーズンの優勝メンバーであるブラウンの復帰で、ベンチメンバーの出場時間争いは興味深いものとなるはずだ。
ジョンソンは通算3ポイントショット成功率が39.2%、ハーダウェイJr.は36.1%。久しぶりにナゲッツは真のシューターが加わった。ヨキッチの負担を和らげるはずだ。さらにクリスチャン・ブラウンとペイトン・ワトソンがさらに成長すれば、ナゲッツには2022-23シーズンの魔法を再現するために必要なピースがそろうだろう。
ヨキッチは昨季、NBAの歴史で最も支配的なスタッツのひとつを記録した。得点、リバウンド、アシストでいずれもリーグトップ3入りを果たしたNBA史上初の選手となったのだ。今季は何を成し遂げられるだろうか。
注目選手
ニコラ・ヨキッチだ。彼がコートに立つたびにショーとなる。昨季は平均29.6得点、12.7リバウンド、10.2アシストを記録し、史上3人目となる平均トリプルダブルを達成した。31得点、21リバウンド、22アシストというスタッツも史上初だ。MVP受賞には至らなかったが、5年連続でMVP投票のトップ2入りを果たしている。
今季がヨキッチにとって魅力的となるのは、近年で最高のバックアップメンバーがそろっていることだろう。新体制はオフシーズンに層を厚くした。ヨキッチといえど、チームが必要とする時に常に100%でいられるようにするには補強が必要なのだ。いつだってやすやすと35得点をあげられるヨキッチだが、2025-26シーズンのナゲッツは彼がそれをしなくてもさらに良くなるだろう。
注目ポイント
ブラウンはどこまでいけるのか。昨季はチームで最も大きく飛躍し、平均得点は7.3から15.4に上昇。リードガードとして主軸を担った。フィールドゴール成功率も58%と自己最高を記録。71試合で二桁得点と、見事な安定ぶりだった。
カンザス大学時代にNCAAを制し、NBAでルーキーシーズンにタイトルを獲得したブラウンだが、成長を続け、NBAで最も急速に伸びている選手のひとりとなった。スコアラーとしての急成長に加え、守備も向上中で、フロントコートにおけるジョンソンの存在に適応し、もっと活躍できるはずだ。
原文:2025-26 Season Preview: Denver Nuggets(抄訳)
翻訳:坂東実藍
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