ティンバーウルブズの新進気鋭のスーパースター、アンソニー・エドワーズは、2024年プレイオフにて、サンズとの第1戦の第3クォーター終盤、憧れのケビン・デュラントに何か叫びながらコートを後にした。
「ああ!俺はなんて言った?なんて言った?」笑顔のデュラントに向かって、エドワーズは繰り返した。当時、デュラントが2つのリング、2つのファイナルMVP、リーグMVPを獲得していたのに対し、まだプレイオフシリーズで勝利したことのなかったエドワーズの大胆な行動だった。
その8日後、エドワーズはその言葉を裏付けるように、40得点、9リバウンド、6アシストを記録し、ウルブズがサンズとのシリーズを制するのに貢献した。
それから1年以上が経過し、エドワーズはさらに3つのシリーズを突破した。デュラントとデビン・ブッカーが所属するサンズに勝利したのがその始まりだ。
まだ24歳の誕生日から数ヶ月しか経っていないが、エドワーズはNBAの最高峰の舞台で、NBAのレジェンドたちを圧倒してきた。キャリア初のタイトル、そしてミネソタのフランチャイズ・ヒストリーを見据える彼が、その過程で破ってきた伝説の選手たちを振り返ってみよう。
アンソニー・エドワーズのレジェンド撃破の歴史
エドワーズはプレイオフシリーズで4勝3敗の成績を残している。ステフィン・カリーは2025年の第2ラウンドでわずか13分の出場にとどまったが、エドワーズは勝利した4シリーズでいずれもファイナルMVP受賞者を撃破している。
そのファイナルMVP受賞者とは、デュラント、カリー、ニコラ・ヨキッチ、レブロン・ジェームズであり、スターに範囲を広げればブッカー、ジャマール・マレー、ルカ・ドンチッチ、ジミー・バトラー、ドレイモンド・グリーンらも破っている。
彼のプレイオフ勝利の歴史を振り返ってみよう。
2024年 1回戦:ウルブズ 4-0 サンズ— ケビン・デュラント
スタッツ: 31.0得点、8.0リバウンド、6.3アシスト
エドワーズのシリーズ初勝利は、ミネソタのフランチャイズ史上初のスウィープ(4勝0敗)での勝利でもあった。彼とウルブズは、2度のファイナルMVPに輝いたデュラントが率いるサンズを退け、第4戦の後エドワーズは以下のように語った。
Ant on KD: "I watch every last one of his games since I been about 5 ... excited to play with him this summer, talk a little trash let him know I sent him home" pic.twitter.com/zyPnYALBgi
— CJ Fogler 🫡 (@cjzero) April 29, 2024
2024年 カンファレンス準決勝:ウルブズ 4-3ナゲッツ — 二コラ・ヨキッチ
スタッツ:27.7得点、5.1リバウンド、5.7アシスト
ミネソタがディフェンディング・チャンピオンを打ち負かしたのは、エドワーズの活躍が大きかった。ウルブズは、ファイナルMVPのニコラ・ヨキッチと王者をアウェイでの歴史的な逆転劇となったGAME7で破った。
2025年 1回戦:ウルブズ 4-1 レイカーズ — レブロン・ジェームズ
スタッツ:26.8得点、8.4リバウンド、6.2アシスト
ウルブズの2025年プレイオフ初戦の相手は、ファイナルMVPを4度獲得したジェームズとスーパースターのドンチッチ率いるレイカーズという、前評判の高い相手だった。しかし、ウルブズは動じることなく、第1戦でレイカーズのホームコートを奪い、5戦でシリーズを突破した。
“Make that next step now. Come on” - lebron to anthony Edwards pic.twitter.com/IneUuWue45
— Jamal Cristopher (@JamCristopher) May 1, 2025
2025年 カンファレンス準決勝:ウルブズ 4-1 ウォリアーズ — ステフィン・カリー
スタッツ:26.2得点、7.6リバウンド、5.6アシスト
ウルブズは準決勝で2022年ファイナルMVPのステファン・カリー、プレイオフ・ジミーを擁するウォリアーズに挑んだ。カリーはこのシリーズでわずか13分の出場にとどまったが、エドワーズはゴールデンステイトを軽く見てはいなかった。
ウルブズはわずか5試合でウォリアーズを破り、2年連続、フランチャイズ史上3度目のウェスタン・カンファレンス決勝に駒を進めた。
アンソニー・エドワーズのプレイオフ記録、スタッツ
ここまでのNBAのプレイオフキャリアで、エドワーズは20勝を挙げ、平均27.4得点、6.5リバウンド、5.6アシストを記録した。NBAでの最初の5シーズンで、エドワーズは4度のプレイオフ出場を果たし、いくつかのカテゴリーではすでに1位の記録を残している。
エドワーズのプレイオフ通算20勝はフランチャイズ記録であり、プレイオフでの40点オーバー5回というのもフランチャイズ記録である。2025年のウェスタン・カンファレンス決勝では、ウルブズのプレイオフ得点ランキングで歴代1位のケビン・ガーネットまであと16点に迫っている。
ウォリアーズとの第5戦で、エドワーズはプレイオフ通算1000得点を達成した6番目に若い選手となった。彼より若い年齢でこのマイルストーンに到達したのは、コービー・ブライアント、トニー・パーカー、ジェイソン・テイタム、ジェームズ、デュラントだけである。
アンソニー・エドワーズのプレイオフでのスタッツ
スタッツ | 記録 |
シリーズ戦績 | 4勝3敗 |
勝利数 | 20 |
得点 | 27.4 |
リバウンド | 6.5 |
アシスト | 5.6 |
FG成功率 | 46.8 |
3PT成功率 | 38.9 |
FT成功率 | 80.2 |
スティール | 1.5 |
ブロック | 0.9 |
原文:How Anthony Edwards became NBA's 'legend killer': Timeline of playoff wins over LeBron James, Nikola Jokic, more
抄訳:小野春稀(スポーティングニュース日本版)