レブロン・ジェームズの契約はどうなるのか? レイカーズへの影響も検証

Stephen Noh

小野春稀 Haruki Ono

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レブロン・ジェームズはこの夏、自身にとってもレイカーズにとっても大きな決断を迫られている。彼は2025-26年シーズンに5,260万ドルのプレーヤーオプションを持っており、6月29日までに行使すれば、来季は1年契約でチームに復帰することになる。また、その契約を破棄し、無制限フリーエージェントになることもできる。

ESPNのシャムズ・シャラニア記者によると、レブロンは来季レイカーズに復帰する見込みだという。彼の選択はこの上なく重要だ。なぜなら、レイカーズがどのようなロスターを作ることができるかに影響するからだ。

レブロン・ジェームズはプレイヤー・オプションを行使せずに新契約を結ぶだろう

昨年もまったく同じシナリオが起こった。レブロンは1年のプレーヤーオプションを行使することもできた。その代わりに彼は、2024-25年に4,870万ドル、2025-26がプレーヤー・オプションとなる新しい契約を結ぶことを選んだ。

この契約は、彼にとって2つの理由から有益だった。第一に、1年分の年俸を確保し、ケガや急な衰えに備えた保険としたこと。2つ目は、ノー・トレード条項を契約に盛り込むことができたことだ。

レブロンはこの夏、おそらく同じことをするだろう。彼はまだリーグでトップ15の選手であり、レイカーズには彼が去った場合、代わりの選手はいない。彼はおそらく、ノー・トレード条項の更新と年俸の確保を狙うだろう。

レブロンが2年目のプレーヤーオプション付きの2年契約にサインするのを期待しよう。そして、来年の夏にまた同じことを繰り返すのだ。

Julius Randle, LeBron James

レブロン・ジェームズの新契約の選択肢 

レブロンはプレイヤー・オプションを破棄して契約を結び直す可能性が高いが、新契約はいくつかのパターンが考えられる。以下でそれらを検証していこう。

1,レブロン・ジェームズがマックス額で契約した場合

レブロンが5400万ドル前後のマックス契約を優先する場合、レイカーズは贅沢税に入り、ファースト・エプロンまであと数百万ドルという状況になる。

この場合、レイカーズはフリーエージェントを追加するために570万ドルのミッドレベル例外条項を利用することができます。彼らはまた、ミニマム契約をオファーすることもできる。

それは選手を補強するための最善の手段ではないので、レイカーズはトレードでの補強に動くだろう。ファースト・エプロンを下回ることで、トレード資産の組み合わせ方に柔軟性が生まれるため、非常に重要である。

これはおそらく、最も起きる可能性の高いシナリオだ。レブロンは昨シーズン、わずかな減俸を受け入れた。The Athleticのジョバン・ブハとサム・アミックの報道によれば、彼は再びそれをすることはないとされている。

2,レブロン・ジェームズが減俸を受け入れた場合

レブロンは昨夏、レイカーズがスターターレベルの選手を獲得できるのであれば、減俸もいとわなかった。今季も似たような状況になるだろう。

レイカーズは1,410万ドルのミッドレベル例外条項が利用できれば、はるかに優秀な選手を獲得できる。

レブロンには昨年、犠牲を払ってもいいと思う選手の候補があった。ジェイムス・ハーデン、デマー・デローザン、クレイ・トンプソン、ヨナス・バランチュナスが含まれていた。今オフもフレッド・ヴァンブリート、ジュリアス・ランドル、ナズ・リードらとともに、ハーデンは再びフリーエージェントになる可能性がある。レブロンが再び減俸を提示する可能性もなくはない。

しかしそれは、いくつかの異なる理由で実現しないだろう。レブロンがかなりの額の減俸を受け入れる気があったとしても、彼らほどの選手たちに1410万ドルでの契約に同意してもらうのは難しいだろう。そして、このオフのFA選手の中に、そこまでの減俸をする価値のある選手はそれほど多くない。

よって、レイカーズはこの夏、フリーエージェントではなくトレードで選手を獲得することになるだろう。

3,レブロン・ジェームズが引退、退団、あるいは大幅減俸を受け入れた場合

レブロンがチームにいない場合、5,000万ドル以上のサラリーが浮く。レイカーズファンには残念なことだが、それでもフリーエージェントと契約するためのサラリーキャップスペースはない。1,410万ドルの例外条項はあるが、それだけだ。

かなり可能性の低い話ではあるが、レブロンは年300万ドル強のベテランミニマムでレイカーズに戻ってくることができる。

以前にもこのような選手はいたが、レブロンほど優れた選手はいなかった。例えば、デイビッド・ウェストはウォリアーズにベテランミニマムで移籍し、ウォリアーズで2つのリングを獲得してキャリアを終えた。

レブロンが最低額で契約すれば、オーナーは大幅に節約でき、レイカーズは贅沢税とエプロンの心配から解放される。理論的にはそうだが、きっと実現はしないだろう。1410万ドルのミッドレベル例外条項では、どんなトップクラスの選手とも契約することはできない。

レブロンが減俸を受け入れるる可能性は低いだろう。より可能性が高いのは、彼が5400万ドルで復帰し、チームが1巡目指名権との取引で先発センターを獲得することだ。

原文:LeBron James contract option, explained: How opt-in impacts Lakers free agency, trades in 2025-26

抄訳:小野春稀(スポーティングニュース日本版)

Stephen Noh

Stephen Noh started writing about the NBA as one of the first members of The Athletic in 2016. He covered the Chicago Bulls, both through big outlets and independent newsletters, for six years before joining The Sporting News in 2022. Stephen is also an avid poker player and wrote for PokerNews while covering the World Series of Poker from 2006-2008.

小野春稀 Haruki Ono

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。大学生。元はスポーティングニュースのNBAニュースを毎日楽しみにしていた読者であったが、今では縁あってライターとして活動している。小学生の時にカイリー・アービングのドリブルに魅了されNBAの虜に。その影響で中高6年間はバスケに熱中した。主にNBAの記事を執筆している。