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球団新記録樹立に貢献のヤンキース打者たちが使用する「トルピードバット」とは?MIT物理学者協力開発・新設計バットの詳細が明らかに

福島啓 Kei Fukushima

Daniel Mader

球団新記録樹立に貢献のヤンキース打者たちが使用する「トルピードバット」とは?MIT物理学者協力開発・新設計バットの詳細が明らかに image

2025シーズン開幕からわずか2試合、ニューヨーク・ヤンキースは「ブロンクス・ボンバーズ」のニックネームにふさわしい大活躍を見せた。

土曜日(現地時間3月29日)の午後に行われたミルウォーキー・ブルワーズ戦でヤンキース打線は相手を圧倒。20-9の勝利を飾り、新シーズン開幕からの成績を2勝0敗とした。

昨季のアメリカンリーグ覇者はアーロン・ジャッジの3発の活躍もあり、1試合9ホームランの球団新記録を樹立。しかし、ヤンキース専属アナウンサーのマイケル・ケイ氏は放送中、嵐のような長打の連発をより興味深いものとする情報を紹介した。土曜日の試合でヤンキースは新しいバットを使用していたというのだ。

ここでは、ヤンキースが新設計した、いわゆる「トルピードバット」(魚雷バット)について、またミルウォーキー戦で生まれた歴史的ホームラン数記録の詳細について紹介する。

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ヤンキースのバットの詳細が明らかに

土曜日の試合は2回裏の時点で既に4本のホームランがヤンキース打線から生まれていた。実況担当のケイ氏は放送中の一コマで、アーロン・ブーン率いるチームの変化として新たなバットの存在を強調した。

ケイ氏によれば、ヤンキースの分析部門は最近、遊撃手のアンソニー・ボルピーについて「研究」を行い、彼が従来仕様のバットのバレル部分(バットの太くなっている部分)でボールを打つことができていないことを明らかにした。この結果を活かし、彼らはバットの木材の大部分がよりラベルに近い場所に集まるよう加工することによって「バットのより硬い部分がボールに当たる場所になる」ように改良したのだ。

動画を見ると、バットの真ん中のラベル部分が確かに太くなっていることがわかる。

元ヤンキースの内野手ケビン・スミス氏はSNS上でバットのデザインについて投稿し、新設計バットは「トルピード(魚雷)」のようなバレルによって、打者にとって最もコンタクトする機会が多い部分に、よりバットにおける質量が集まるようになっていると説明した。また、彼はトルピードバットと従来のバットにどのような違いがあるか、わかりやすい比較をしてくれた。

「そう、ヤンキースはMIT(マサチューセッツ工科大学)の文字通りの天才物理学者のレニーという男を雇用している。彼が『トルピード』バレルを開発した。それぞれの打者が最もコンタクトをするバットの箇所により多くの木材を集めることにより、より大きな質量がその部分にもたらされる。その狙いとは打者の『バレル率』を増加させミスショットを減らすことである」

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MLBのバットに関するルール

MLBの規定 では「バットは滑らかで丸みをおびた棒状のもので、最も太い部分の直径は2.61インチ以下、長さは42インチ以下でなければならない」とされている。

これらの点から判断しても、ヤンキースのバットは規則に従ったものとなっている。新設計バットが今後も打席での成功をもたらし続けるのであれば、他のチームもバットの変更を検討するかもしれない。

ブルワーズ戦のヤンキースのホームラン

新設計バットを使ってヤンキース打線はブルワーズ相手に球団新記録となる9本のホームランを放った。そのパワーあふれる攻撃はポール・ゴールドシュミット、コディ・ベリンジャー、ジャッジの3人のMVP経験者による初回先頭3者連続初球ホームランという野球史に残る滅多に起こらない偉業からスタートした。

オースティン・ウェルズにも1回裏に一発が出て、これでヤンキースは4点目。試合開始から3者連続でホームランが生まれたのは 球団史上初、また初回に4本のホームランが出たのも 球団史上初 となった。

しかし勢いはこれで止まらず、この後もヤンキースは5本のホームランを加えた。この試合で3本のホームランを放ったジャッジは キャリア通算40回目のマルチホームランキャリア通算3度目の1試合3発 も達成した。この日はジャッジ含む以下7人の選手からホームランが飛び出した。

  • アーロン・ジャッジ(3本)
  • ポール・ゴールドシュミット
  • コディ・ベリンジャー
  • ジャズ・チザムJr.
  • アンソニー・ボルピー
  • オースティン・ウェルズ
  • オズワルド・ペラザ

MLBにおいて1試合で最も多くのホームランを放ったチーム

土曜日に9本のホームランを放ったヤンキースは1999年のシンシナティ・レッズの記録と並んで、MLBにおいて1試合に放ったホームラン数が歴代で2番目に多いチームとなった。

これを超えるのは1987年に1試合10本のホームランを記録したトロント・ブルージェイズのみとなる。

順位チームホームラン数日付(現地時間)
1位ブルージェイズ10本1987年9月14日
2位タイヤンキース9本2025年3月29日
-レッズ9本1999年9月4日
3位タイ18チーム8本過去30回記録

原文:Yankees new bats, explained: New York's redesigned bats lead to record home run performance vs. Brewers

翻訳・編集:福島啓(スポーティングニュース日本版編集部)

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