オールスターゲームでの監督の采配が記憶に残ることはめったにない。だが、今年のアーロン・ブーン監督は例外となるかもしれない。
2024年のワールドシリーズに出場したニューヨーク・ヤンキースのブーン監督は、現地15日(火)の夜にアトランタで行われたオールスターゲームでアメリカン・リーグのチームを指揮した。そして、去年のワールドシリーズ第1戦でネスター・コルテスを起用した采配同様、このオールスターゲームでもブーンは試合終盤の不可解な采配を見せた。
両チームは、同点の試合のタイブレークとして初めて行われるホームランダービーに参加する打者3人を選出する必要があった。ブーンはその候補として興奮を誘う選手からそこまでの魅力を感じさせない選手まで3人の選手を選んだ。
アスレチックスのブレント・ルカー? 素晴らしい選択だ。シアトル・マリナーズのランディ・アロザレーナ。正当なチョイスだ。しかし、タンパベイ・レイズのジョナサン・アランダ? シーズン11本塁打のコンタクトヒッターを?
その選択は疑問視されたが、結果的にアランダは1本もホームランを打つことができず、アメリカン・リーグは4-3で敗北した。
「(スイングオフに参加する)選手たちは昨日のうちに選ばなければならなかった」とブーン監督は3人のチョイスについて地元メディア『SNY』のフィリップ・マルティネス氏に語った。
「まだ試合に出場していて、(試合終盤にも)準備のできている選手を選ぶようにした。それが私の選択だった」
アーロン・ジャッジやカル・ラリーのようなホームランバッターをブーン監督が選べなかったのは当然だった。試合終盤の時点で準備万端な選手でなければならなかったからだ。それでも少なくとも1人、ブーン監督が見逃していた選手がいた。
それはカンザスシティ・ロイヤルズのボビー・ウィットJr.だ。ウィットは終盤にも試合に出ていたし、本人も参加したいと思っていたと言う。ウィットは『MLB.com』のアン・ロジャース氏の取材で「選んで欲しかった」と語った。
覚えているかと思うが、ウィットはテキサス州アーリントンで開催された2024年のホームランダービーの決勝でテオスカー・ヘルナンデスに1本差で敗れた実績を持つ。
大局的に見れば、この一件がブーン監督のキャリアに汚点を残すわけではない。ただ、誰がオールスターゲームの監督を務めるかが重要かどうかを議論するなら、このケースは一例として上げるのに最適だろう。
原文:Yankees' Aaron Boone breaks silence on All-Star Game swing-off decisions
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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