シアトル・マリナーズにとってこのオフの最優先事項はジョシュ・ネイラーとの再契約だ。
その次に解決すべき問題が三塁のポジションだ。
エウヘニオ・スアレスはこのオフ、フリーエージェントとなる。トレードデッドラインでダイヤモンドバックスから移籍してきた後は不振が続いたスアレスの再契約はマリナーズにとって優先度は低いと思われる。つまり代役が必要となる可能性がある。
あと1点取れていれば、ワールドシリーズ出場に手が届いたかもしれないと考えれば、マリナーズはスアレスが去った後に大型補強へ動く可能性が高い。
そんな中、複数の関係者が「マリナーズにぴったり」と口を揃えるのが、日本の三塁手・村上宗隆だ。村上は日本プロ野球(NPB)の日本人選手によるシーズン最多本塁打記録(56本)を保持するスラッガーだ。
米ケーブル局『ESPN』のカイリー・マクダニエル氏 は現地6日(木)に村上獲得へ向けてマリナーズが必要となるだろう契約額の予想を公表した。彼の予測は、5年8000万ドル(1ドル154円換算で約123億2000万円、以下同)プラス1300万ドル(約18億5900万円)のポスティング費用だ。
「堅実な四球率を見込める即戦力のホームランヒッターというのが真っ当な予想だが、打率は低く、走塁や守備の面での価値はあまり期待できない。最低ラインはカイル・マンザード(ガーディアンズ)やマット・ウォールナー(ツインズ)、まあまあの線でスペンサー・トーケルソン(タイガース)、理想のシナリオはブレント・ルーカー(アスレティックス)クラスといったところだろう」とマクダニエル氏は書いている。
「契約予想額は比較対象とした選手たちからすると奇妙に映るかもしれない。村上に5000万ドル(約77億円)を超えるオファーを出す球団は少ないだろう。しかし、明確な武器を持ちながらクオリファイング・オファー(QO)の対象外となる20代半ばの野手はFA市場に多くない。こうした選手はトレード市場で高値が付けられるのが常だ。比較対象として挙げられるのはジョーイ・ギャロ(レンジャーズ)だ。彼をダメな選手だと思っているファンは多いが、27歳のシーズンには彼は4.4WARを記録している。そして来年は村上が26歳のシーズンにあたる」
村上の獲得を狙っているのはマリナーズだけではない。
新たな日本人スター選手獲得へ向けた積極的なアプローチと底知れぬ資金力を考慮すれば、ロサンゼルス・ドジャースは常に有力な獲得候補だ。
マクダニエル氏はシカゴ・カブスとニューヨーク・ヤンキースも可能性として挙げているが、カブスは一、三塁の補強の必要性は低い。
村上獲得に最も必要性を感じ、獲得に向けた意欲を持つチームという意味では、マリナーズが一番かもしれない。サードのポジションが空く可能性があり、またスペシャルなシーズンを送りながらもあと一歩及ばなかったチームは早急に改善する必要性に駆られているためだ。
マクダニエル氏の予想が正しければ、マリナーズは8000万ドル(約123億2000万円)を上回るオファーを提示することもあるだろう。村上が噂通りの活躍を見せる選手であれば、8000万ドルを多少オーバーしたとしても、結果的には適正価格だったという評価に落ち着くからだ。
原文:This is what the Mariners need to pay to sign Munetaka Murakami to a free agent contract
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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