今井達也は現在まだ日本でトレーニング中だが、次の行き先は明らかになってきたようだ。
「スポニチアネックス」の報道では、27歳の右腕はポスティング期限が現地1月2日((日本時間3日午前7時)に迫る中、近く渡米する計画だという。渡航日はまだ確定していないと今井は語っているが、この渡米タイミング自体が狭まりつつある交渉プロセスに緊迫感をもたらしている。
フリーエージェント市場も同様だ。
マイケル・キングがヤンキースを選ばずにサンディエゴに戻ったことで(ヤンキースは一度もオファーを出さなかった)、今井は先発投手を補強しようとするヤンキースにとって最も現実的な選択肢となった。米メディアでは既にヤンキースとカブスを最も有力な移籍先候補として報じており、日本のメディアもヤンキースを最有力候補と位置付けている。
今井自身は憶測が飛び交う中でも冷静さを保っている。
「僕は何もできないので」と言う今井は代理人のスコット・ボラス氏と連絡を取り合っており、近い将来にアメリカへ向かう予定だと語った。そして来春開催のワールドベースボールクラシック(WBC)出場よりも、将来の所属チームを優先すると付け加えた。
ここから先の動きはヤンキースにとって非常に重要だ。獲得可能な投手の選択肢が急速に狭まっているからだ。
元メッツGMのスティーブ・フィリップス氏は今週初め、MLBネットワークラジオで次のように説明していた。
「現在の報道によれば、ヤンキースは先発投手を積極的に獲得しようとしており、今井かマイケル・キングのいずれかを獲得できる状況にある」とフィリップス氏は語っていた。
キングはもういない。そして補強の選択肢は狭まっている。
ヤンキースは過去にも日本のエリート投手を追ってきた。大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希を追いかけながら、結局は獲得できなかった。ヤンキースが最後に 日本から獲得した日本人スター投手は2014年の田中将大だった。
だが、今回は状況が異なる。ドジャースは獲得競争に影響を与える存在とはみなされていない。というのも、今井自身が「彼らと対戦する方が加入するよりましだ」と明言しているためだ。最近も日本のメディアに対して「彼らは自分を必要としていない」と語っている。
これにより、これまで立ち塞がってきた障害が消え、今井獲得の可能性は高まった。
ただ今井には可能性と不確実性の両面がある。
今井 は西武ライオンズで2シーズンにわたって圧倒的な活躍を見せ、 337イニングで365奪三振、防御率2.14という成績を残した。その原動力は、90マイル以上の速球と、相手を圧倒するスライダーだ。メジャーリーグでの登板経験はないが、ヤンキースはこれまでこうした選手をうまく順応させてきた実績がある。
必要性は言うまでもない。ゲリット・コールは開幕戦に間に合わないだろう。カルロス・ロドンもまた故障者リストでシーズンをスタートすると予想される。クラーク・シュミットは今年の試合の大部分を欠場する可能性がある。マックス・フリードとルイス・ギルはローテーションの一角として計算できるが、いずれもローテーションをの核となる投手ではない。
今井が太平洋を渡る準備を進め、ポスティング期限が近づいている今、ヤンキースはもはやフリーエージェント市場を監視している場合ではない。
彼らは今、カレンダーを注視しているはずだ。
そして間もなく、答えが出る。
原文:Japanese ace Tatsuya Imai’s U.S. Trip signals MLB decision is close
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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