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打線の厚みを取るか投手陣強化を図るか、村上宗隆の加入はホワイトソックスの方針変更を意味するのか?

石山修二 Shuji Ishiyama

Kristie Ackert

打線の厚みを取るか投手陣強化を図るか、村上宗隆の加入はホワイトソックスの方針変更を意味するのか? image

シカゴ・ホワイトソックスは自身の手でこのオフを複雑にしてしまったかもしれない。この数ヶ月間の流れに真っ向から反する形の動きをとったためだ。

『MLBネットワークラジオ』に出演した元GMのジム・ボウデン氏は現地21日(日)朝に日本の強打者・村上宗隆を獲得した 今、ホワイトソックスがルイス・ロベルトJr.をトレード放出する可能性は低いと予測した。村上を打線の中心に据えることがロベルトのバッティングにプラスになるとチームは考えているはずとボウデン氏は語った。

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だがこの見解は今冬のチームの動きとは明らかに矛盾する。ロベルトは昨夏のトレードデッドライン前からトレードの噂が絶えず、その動きは今も続いている。現地日曜朝には 米全国紙『USAトゥデイ』のボブ・ナイチンゲール氏 が、ホワイトソックスはシンシナティ・レッズ、ニューヨーク・メッツとロベルトを巡り活発に交渉中だと報じた。

「村上宗隆獲得後のシカゴ・ホワイトソックスの次の動き:彼らは依然としてルイス・ロベルトを投手層の強化のために放出したいと考えており、ニューヨーク・メッツとシンシナティ・レッズとの交渉を進めている」とナイチンゲール氏は報じた。

ボウデン氏の考えは、ホワイトソックスが現在のロベルトに問題を抱えていることを示している。

過去数シーズンにわたって、ロベルトはいくつもの怪我を重ね、不安定なプレイを続けてきた。股関節、ハムストリング、手首、視力の問題など、いずれも致命的な故障ではなかったが、これらが続いたことで勢いを持続してプレイすることはできなかった。2025年の成績は110試合に出場し、打率.223、14本塁打、OPS.661、33盗塁、彼の運動能力は依然として健在だ。スプリント速度はリーグ最高水準を維持しており、強打率とバレル率からもバットスピードが衰えていないことがうかがえる。

だが結果は伴わず、ライバルチームに付け入る隙を与える結果となった。

ロベルトの契約 はその潜在能力を考慮すればチームにとって有利な内容だ。しかし市場価値は低下している。もはや将来性だけでロベルトを獲得するチームはない。その契約には故障離脱のリスクが織り込まれているからだ。

ここで村上の登場だ。

シカゴは村上と2年総額3400万ドル(1ドル157円換算で約53億3800万円)の契約を結んだ。日本での実績を積んだ25歳にとっては予想より短い契約期間となった。NPBでの8シーズンで村上は打率.273、246本塁打、OPS.950を記録し、2022年には日本人選手史上最多となるシーズン56本塁打を放ってMVPを獲得した。斜筋の負傷で56試合の出場に留まった2025年も彼は22本塁打を放ち、OPSは1.040を超えた。

それでもMLBのスカウトたちは 村上の空振りの多さ からMLBのエリート級の投手たちの球速、特にゾーン高めのスピードボールにどう対処できるかを疑問視している。村上の契約が当初想定されたような長期契約とならず、2年にとどまったのは主にそのためだ。

ホワイトソックスにとって村上は打線の中軸を打つ選手となるだろう。そしてロベルトにとってはこれまでいなかった、自分の前後を打つ頼れる選手の獲得となった。もし、ロベルトの不安定な成績はラインナップに恵まれなかったためだとチームが考えているのであれば、ロベルトを残留させる方が理にかなっている。コンディションを取り戻したロベルトが恵まれたラインアップでプレイできれば、どんなトレードよりも即座にチームに価値をもたらすだろう。

しかし、他チームの考えはまた別だ。

メッツの関心が示すように、他チームは依然としてロベルトを買い時と見なしている。そしてシカゴがそれを無視するのはもったいない話でもある。どちらがプラスになるか、ホワイトソックスが見計らっている可能性は十分にある。表向きはじっと我慢しながらも、その陰で密かに村上加入がロベルトの市場価値を上げるかどうかを見ているのかもしれない。

ただ状況は変化したことは確かだ。この数ヶ月間、ロベルトのトレードは避けられないと考えられていた。だが村上の獲得でホワイトソックスが閉ざそうとしていたロベルト残留の扉は再び開かれた。

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原文:Did the Murakami signing just scramble the White Sox’s offseason plans?
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)

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Staff Writer

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