1チームによるMLB史上1試合最多本塁打は何本?|ヤンキースがレイズ戦で1試合9ホーマーを記録

David Suggs

石山修二 Shuji Ishiyama

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100年以上も前にベーブ・ルースが芸術の粋に高めてからというもの、メジャーリーグ(MLB)の各チームはホームランへの畏敬を抱き続けてきた。

その憧憬はMLBが新たな形へ発展していく中でも色褪せることなく残っている。むしろ、バット・スピードと打球角度の向上、さらに『Three True Outcome(守備に影響されない打者の『3つの真の結果』/ホームラン、四球、三振)が重視されることになった近年はさらに注目を集めるようになったと言っていいだろう。

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そして、ホームランは今日なお野球において最も魅力的な光景の一つでもある。その動きは、厳格でありながら滑らかだ。ホームプレートの中央を舞ったボールは一瞬にして煙と灰に変わる。投手はその打球の行方を見ることさえできず、苦悶の表情でしゃがみ込む。

その投手から18.44メートル離れたところでは、打ち返した男が自らの成果を嬉しそうに眺めている。そして長い一瞥を投げかけた後、塁間を飛び跳ねるように一歩ごと軽やかさを増して走り抜けていく。

21世紀の野球において、もはやホームランは単なるゲームの一要素ではない。ホームランはこのスポーツの最も重要な要素であり、選手に報酬をもたらし、監督を解雇する理由にもなるものだ。

では、リーグ史上1試合で最も多くのホームランを打ったのはどのチームだろうか? ここではこれまでの記録をまとめる。

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MLB史上の1試合最多本塁打記録は?

1試合の最多本塁打記録は、ア・リーグ東地区のチームが上位を独占している。過去ア・リーグ東地区の10チームが1試合で8本以上のホームランを記録しており、中でも1987年のブルージェイズが1987年9月14日に行われたオリオールズ戦で10本の本塁打を放ってこのリストのトップに立っている。

この試合で、アーニー・ウィットは3本のホームランをエキシビション・スタジアムのスタンドに放り込み、ランス・ムリニクス、ジョージ・ベルも2本のホームランを放った。さらにロイド・モズビー、ロブ・デューシー、フレッド・マグリフも花火を打ち上げた。

近年では2025年にヤンキースが2度(9本、2025年3月29日対ブルワーズ戦、9本、2025年8月19日対レイズ戦)、カブスが1度(8本、2025年7月4日対カージナルス戦)、アスレティックスが1度(8本、2024年7月14日対フィリーズ戦)、この記録に肉薄している。

ヤンキースは、1試合で8本以上のホームランを4度達成した唯一のチームで、2025年だけでも2度の1試合9本塁打を達成している。

現地8月19日(火)のレイズ戦では、コディ・ベリンジャー、ジャンカルロ・スタントン、ホセ・カバジェロの3選手が2本ずつ、アーロン・ジャッジ、ベン・ライス、ジャズ・チザムJr.が1本ずつで合計9本のホームランを記録した。

1シーズンに1試合8本以上のホームランを打ったチームが最も多かったのは2019シーズンで、この年はリーグ史上最多となる5チームがこの記録を達成した。

過去には計35チームが1試合で8本以上のホームランを記録している。そしてこの35チームは全てその試合に勝利している。

ここでは1試合の最多ホームラン数の記録を以下にまとめる。

順位チーム日付対戦相手ホームラン数スコア
1ブルージェイズ1987年9月14日オリオールズ10勝 / 18-3
2ヤンキース2025年8月19日レイズ9勝 / 13-3
 ヤンキース2025年3月29日ブルワーズ9勝 / 20-9
 レッズ1999年4月9日フィリーズ9勝 / 22-3
5カブス2025年7月4日カーディナルス8勝 / 11-3
 アスレティックス2024年7月14日フィリーズ8勝 / 18-3
 ブルージェイズ2024年7月10日レッドソックス8勝 / 18-4
 ナショナルズ2019年8月18日ブルワーズ8勝 / 16-8
 ダイヤモンドバックス2019年6月10日フィリーズ8勝 / 13-8
 ツインズ2019年4月20日オリオールズ8勝 / 16-7
 ツインズ2019年5月23日エンゼルス8勝 / 16-7
 ドジャース2019年3月28日ダイヤモンドバックス8勝 / 12-5
 ナショナルズ 2017年7月27日ブルワーズ8勝 / 15-2
 メッツ2015年8月24日フィリーズ8勝 / 16-7
 オリオールズ2015年6月16日フィリーズ8勝 / 19-3
 レッドソックス2013年9月4日タイガース8勝 / 20-4
 ブルージェイズ2010年8月7日レイズ8勝 / 17-11
 ヤンキース2007年7月31日ホワイトソックス8勝 / 16-3
 タイガース2006年6月18日カブス8勝 / 12-3
 ブレーブス2005年5月28日カブス8勝 / 13-12 (延長11回)
 レンジャーズ2005年6月30日エンゼルス8勝 / 18-5
 レンジャーズ2005年5月21日アストロズ8勝 / 18-3
 ガーディアンズ2004年7月16日マリナーズ8勝 / 18-6
 ドジャース2002年5月23日ブルワーズ8勝 / 16-3
 タイガース2000年6月20日ブルージェイズ8勝 / 18-6
 ガーディアンズ1997年4月25日ブルワーズ8勝 / 11-4
 アスレティックス1996年6月27日エンゼルス8勝 / 18-2
 エクスポズ1978年7月30日ブレーブス8勝 / 19-0
 レッドソックス1977年7月4日ブルージェイズ8勝 / 9-6
 ツインズ1963年8月29日セネタース8勝 / 14-2
 ジャイアンツ1961年4月30日ブレーブス8勝 / 14-4
 レッズ1956年8月18日ブレーブス8勝 / 13-4
 ブレーブス1953年8月30日パイレーツ8勝 / 19-4
 ヤンキース1939年6月28日アスレティックス8勝 / 23-2

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原文:Most home runs by team in an MLB game: Yankees threaten record with HR barrage vs. Rays
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)

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David Suggs

David Suggs is a content producer at The Sporting News. A long-suffering Everton, Wizards and Commanders fan, he has learned to get used to losing over the years. In his free time, he enjoys skateboarding (poorly), listening to the likes of Stevie Wonder, Marvin Gaye and D’Angelo, and penning short journal entries.

石山修二 Shuji Ishiyama

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。生まれも育ちも東京。幼い頃、王貞治に魅せられたのがスポーツに興味を持ったきっかけ。大学在学時に交換留学でアメリカ生活を経験し、すっかりフットボールファンに。大学卒業後、アメリカンフットボール専門誌で企画立案・取材・執筆・撮影・編集・広告営業まで多方面に携わり、最終的には副編集長を務めた。98年長野五輪でボランティア参加。以降は、PR会社勤務・フリーランスとして外資系企業を中心に企業や団体のPR活動をサポートする一方で、現職を含めたライティングも継続中。学生時代の運動経験は弓道。現在は趣味のランニングで1シーズンに数度フルマラソンに出場し、サブ4達成。