カル・ラリー(ローリー)は、そのポジションを考慮すれば、メジャーリーグ(MLB)史上でも屈指と言っていいシーズンを送っている。
マリナーズのキャッチャーであるラリーはMLBでトップの50本塁打をマークしている。この数字自体驚くべきものだが、このバッティングに加え、ほぼ毎日のようにキャッチャーとしてプレーし、リーグ屈指の投手陣のパフォーマンスを最大限に引き出すために尽力している点も評価すべきだ。
通常、キャッチャーは守備を重視するポジションであり、打撃よりもキャッチャーとしての役割に重点を置いている選手が多い。そのため、このポジションでラリーのようにパワーを発揮することは他のポジションと比べると稀で、ラリーはMLBの歴史に名を刻むチャンスを手にしている。
ここでは、MLB史上最も多くのホームランを記録したキャッチャーたちを紹介する。
1位:カル・ラリー/50本(2025年マリナーズ)

ラリーはサルバドール・ペレスの記録を破るペースでホームランを量産してきたが、そのペースは軽々と新記録を達成するハイペースだった。すでにラリーは、オールスターブレイクの時点で史上2位だったジョニー・ベンチを抜き去った。
そして8月17日(日)のリトルリーグ・クラシックでペレスの記録に1本差に迫ると、24日(日)、シーズン130試合目となるアスレティックス戦の初回に待望の今季48号を放ち、ついにMLB史上1位タイに並んだ。
No. 4️⃣8️⃣!
— Seattle Mariners (@Mariners) August 24, 2025
Big Dumper has tied the all-time single-season home run record for a catcher 🔥 #TridentsUp pic.twitter.com/HT3anJzm5E
ラリーとペレスがタイ記録で並んでいたのは1時間ほどしかなかった。続く2回の第2打席、ラリーはこの試合 2本目のホームランを放ち、即座に記録更新を果たした。
Cal Raleigh stands alone!
— Seattle Mariners (@Mariners) August 24, 2025
Big Dumper is the first catcher in @MLB history to reach 49 home runs in a single season. #TridentsUp pic.twitter.com/jVllJypOGr
2位:サルバドール・ペレス/48本(2021年ロイヤルズ)

2021年、サルバドール・ペレスは48本塁打を放ち、キャッチャーのシーズン最多本塁打記録を更新した。51年間続いたジョニー・ベンチの記録を破り、ロイヤルズのチーム最多本塁打記録にも並ぶ、ペレスにとってキャリア最高のシーズンとなった。
SALVY 🙌
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) September 20, 2021
Salvador Perez breaks the MLB record for most HR by a catcher in a single season (46)
(via @Royals)pic.twitter.com/WY199R3y4a
( サルビー 🙌 サルバドール・ペレスが、キャッチャーのシーズン最多本塁打記録を更新(46号))
No. 48 for @SalvadorPerez15 ties the @Royals record for most in a season 🤯 pic.twitter.com/tdpVQsrZap
— MLB (@MLB) September 30, 2021
(サルバドール・ペレスが、ロイヤルズのシーズン最多本塁打記録に並ぶ48号)
3位:ジョニー・ベンチ/45本(1970年レッズ)

長い間、ジョニー・ベンチが打ったシーズン45本塁打は、キャッチャーの最多本塁打記録として破られることはない記録だと考えられてきた。レッズの殿堂入り選手であるベンチは1970年に初のMVPを獲得する過程で、リーグトップの45本塁打、148打点を記録するキャリアハイの成績を残した。
Today In 1970: Cincinnati #Reds catcher Johnny Bench is named the National League MVP after leading the league with 45 HR and 148 RBI! #MLB #Legend #MVP #Baseball #History pic.twitter.com/462RrDQzBE
— Baseball by BSmile (@BSmile) November 18, 2024
(1970年の今日:シンシナティ・レッズのキャッチャー、ジョニー・ベンチが、45本塁打、148打点でリーグトップの成績を残し、ナショナルリーグのMVPに選ばれた!)
4位:ハビー・ロペス/43本(2003年ブレーブス)

1990年代後半から2000年代初頭にかけて、ハビー・ロペスはリーグ屈指の名捕手として活躍した。キャリアハイのシーズンとなったのは32歳だった2003年のブレーブス時代だ。ロペスはそれまでのキャリアハイを9本上回る43本のホームランを放った。そのキャリアで本塁打30本を超えるのは2度目だった。ロペスは代打やDHとしての出場ではなく、キャッチャーとして出場した試合で43本中42本のホームランを打って、この数字を残した。
July 20, 2003 | Mets at Braves
— Braves on TBS (@BravesOnWTBS) July 20, 2025
“Three-run homer Javy López and just like that, it’s a one run game!” - Skip Caray pic.twitter.com/1dDqPobTTI
(2003年7月20日メッツvsブレーブス、ハビー・ロペスの3ランホームランで、一気に1点差の試合に!」 - スキップ・キャレイ)
5位タイ:ロイ・キャンパネラ/41本(1953年ドジャース)

1シーズンで40本以上のホームランを打った最初のキャッチャーは、1953年のロイ・キャンパネラだった。この年、3度のMVP受賞のうち2度目を獲得したキャンパネラは、ブルックリン・ドジャースでリーグトップの41本塁打を放ち、142打点を記録した。この記録は、ジョニー・ベンチが更新するまで17年間破られることがなかった。
5位タイ:トッド・ハンドリー/41本(1996年メッツ)

1996年、27歳のトッド・ハンドリーは、メッツで41本のホームランを記録した。これはそれまでの彼のキャリアハイ25本を大きく上回るものだった。ハンドリーはこの年、2度のオールスター出場のうちの1度目を果たし、メッツのシーズン最多本塁打記録を更新した。この記録はカルロス・ベルトランが並ぶまで10年間、そしてピート・アロンソが更新するまで23年間チーム記録として輝いた。
9/14/1996: Todd Hundley hit his 41st and final home run of the season. That was good for at least a share of the #Mets’ single-season record until Pete Alonso broke it in 2019.#LGM (via MLB) @genymets @RisingAppleBlog pic.twitter.com/rCjqaTQrsm
— MLB Daily Dingers (@MLBDailyDingers) February 22, 2024
(1996年9月14日:トッド・ハンドリーがシーズン41本目となるホームランを放った。この記録は2019年にピート・アロンソが更新するまで、メッツのシーズン最多本塁打記録だった。)
7位タイ:ジョニー・ベンチ/40本(1972年レッズ)

シーズン45本塁打を達成してから2年後、ジョニー・ベンチは1972年に再び40本塁打の大台に到達し、2度目のMVPを受賞した。これにより、ベンチはMLB史上初めてキャリアで2度40本塁打を達成した捕手となり、その記録はピアッツァが登場するまで27年間彼1人のものだった。
7位タイ:マイク・ピアッツァ/40本(1997年ドジャース)

マイク・ピアッツァは、MLB史上屈指の打撃力を誇るキャッチャーとして知られ、1993年から2002年までの全盛期には10シーズン中9シーズンで30本以上のホームランを放った。1997年、ドジャースでの最後のフルシーズンにおいて、ピアッツァはキャリア初となる40本塁打を達成し、キャリアハイの打率.362を記録。MVP投票では2位にランクインした。
Mike Piazza's home run, over the left field pavilion and out of Dodger Stadium, 1997. pic.twitter.com/NYUSY1zjud
— Dodgers Archive (@DodgersArchive) February 17, 2021
(1997年、ドジャー・スタジアムのレフト場外へ飛び出すマイク・ピアッツァのホームラン。)
7位タイ:マイク・ピアッツァ/40本(1999年メッツ)

1998年シーズン途中にピアッツァはマーリンズへトレードされ、その後マーリンズからメッツへと移籍したが、ピアッツァはそこでも成功を収め続けた。メッツでの最初のフルシーズン、ピアッツァはキャリア2度目の40本塁打を達成し、トッド・ハンドリーのチーム記録に1本差と迫った。また、124打点を記録し、1997年のキャリアハイに並んだ。
4/28/1999 Mike Piazza slugs a walk-off two-run home run off of Trevor Hoffman to beat the Padres 4-3.@mikepiazza31 pic.twitter.com/PYjiQmWmfj
— This Day in Mets History (@NYMhistory) April 28, 2023
(1999年4月28日、マイク・ピアッツァがトレバー・ホフマンからサヨナラ2ランを放ち、パドレスを4-3で下した。)
原文:Most home runs by a catcher: Where Cal Raleigh's 2025 HR total ranks compared to MLB record
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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