ロサンゼルス・ドジャースは現地時間9月9日時点でナショナルリーグ西地区首位に立っているが、9月は下位チーム相手に5連敗を喫するなど不振が深刻化している。特に精彩を欠いているのが、主にクローザーを務めるタナー・スコット投手だ。
9月のスコットはここまで5日、6日のボルティモア・オリオールズ戦、8日のコロラド・ロッキーズ戦に登板しているが、5日はサヨナラソロ本塁打、翌6日もサヨナラ2点タイムリーを浴びチームの敗戦を招く結果に。さらに、8日は先発のタイラー・グラスノー投手、2番手のブレイク・トライネン投手が8回までつないだ無安打リレーを、9回先頭にヒットを打たれたことで台無しにしている。
スコットは昨オフサンディエゴ・パドレスからFAになり、4年総額7200万ドル(約106億円)の大型契約でドジャースへ移籍した。だが、53登板、1勝3敗8ホールド21セーブ、防御率4.47といった今季成績は報酬に見合っている数字とは言い難い。9月に入ってからは特に精彩を欠く投球が目立つこともあり、ファンの間ではクローザーからの配置転換を求める声は少なくない。
ただ、現状ではスコットの序列を下げることはそう簡単な話ではないようだ。米メディア『エッセンシャリースポーツ』は「なぜドジャースはスコットに頼っているのか?彼らには他に選択肢がなかった。トライネンが代役になるわけもない。アレックス・ベシア投手は?彼は現在、右腹斜筋の肉離れで離脱中だ。しかし出場可能であっても、彼はどちらかと言えばセットアッパーの役割だ」と、トライネン、ベシアの2名はクローザーには適さないと主張。
さらに、「これにより、チームはカービー・イェーツ投手かマイケル・コペック投手を起用せざるを得なくなった。しかし、今季のイェーツとコペックは頼りにならない。ジャック・ドレーヤー投手、ベン・カスペリアス投手、ジャスティン・ロブレスキ投手といった面々は、エドガルド・エンリケス投手と同様に経験不足のカテゴリーに入る。おそらく、チームがスコットに賭ける理由の全てはそこに集約されるだろう」と、他投手に目を向けてもクローザーに値する存在は不在だと指摘した。
代役が見当たらないこと、高額なコストを払っていることなどから、スコットのクローザー起用は現段階では今後も継続の見込みのようだ。となると、現状を打破するための策は本人の奮起以外にはないが、次戦以降の登板で信頼を取り戻す投球を見せることはできるのだろうか。
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