日本時間9月29日、MLBのレギュラーシーズンが正式に終了したが、ニューヨーク・メッツほどがっかりしたチームはない。
メッツは2024年のリーグチャンピオンシップシリーズ進出を足掛かりにさらなる飛躍を目指し、オフシーズンに大きな動きを見せ、フアン・ソトと15年という巨額契約を結んだ。シーズン序盤は絶好調のスタートを切ったものの、後半戦で急失速し、ナショナル・リーグ東地区の首位争いでフィラデルフィア・フィリーズに大きく及ばなかった。
苦戦の結果、メッツはNLのワイルドカード最後の1枠を巡り、シーズンを通して苦戦を強いられたチームたちと争うことになった。そしてシーズン終了時、メッツは2025年にはまさかこんなことになるとは思ってもいなかった状況に陥っていた。
ここでは、メッツにとって今シーズンがいかに失敗に終わったかをまとめる。
メッツがポストシーズン争いから脱落
同29日の試合後、シンシナティ・レッズが最後のワイルドカード枠を獲得したため、メッツは正式にポストシーズン出場を逃した。ニューヨークはポストシーズン進出のためには、マイアミ・マーリンズに勝利し、レッズがミルウォーキー・ブルワーズに敗れる必要があった。
しかし、ニューヨークは願いを叶えられず、10月の野球を自宅で観戦することになった。レッズとメッツは同成績でシーズンを終えたが、シンシナティは直接対決の対戦成績で勝利し、2020年以来初めてポストシーズン進出を果たした。
なぜメッツはポストシーズンを逃したのか?
メッツの急降下は投手陣から始まった。シーズン開幕から6月中旬まで、メッツはリーグトップの防御率を誇り、チーム全体で防御率3点を下回っていた唯一のチームだった。しかし、6月13日以降、メッツの防御率は5.00をわずかに下回り、リーグで5番目に悪い数値となった。
これは、メッツが投手の怪我や調子の低下に悩まされたことが原因だ。グリフィン・キャニング、タイラー・メギル、フランキー・モンタスはいずれもシーズンを終える怪我に見舞われ、エースの千賀滉大はハムストリングの怪我でシーズンを棒に振ってしまい、復帰後も以前のような力を発揮できなかった。
その結果、メッツはローテーションの救世主として新人のノーラン・マクリーン、ブランドン・スプロート、ジョナ・トンに頼らざるを得なくなった。マクリーンは驚異的な活躍を見せたが、スプロートとトンは振るわなかった。さらに守備力の低さも相まって、メッツは失点を防ぐのに苦労した。
ニューヨークはトレード期限にライアン・ヘルズリー、タイラー・ロジャース、グレゴリー・ソトといったリリーフ投手を獲得して補強を試みたが、投手陣の課題を解決できなかった。メッツの攻撃力は後半戦ではリーグ屈指の強さを見せていたが、結局は無駄となった。
メッツ 7月28日以降のシリーズ結果
日付 | 対戦相手 | シリーズ戦績 |
7/28-30 | パドレス | 0勝3敗 |
8/1-3 | ジャイアンツ | 1勝2敗 |
8/4-6 | ガーディアンズ | 0勝3敗 |
8/8-10 | ブルワーズ | 0勝3敗 |
8/12-14 | ブレーブス | 1勝2敗 |
8/15-17 | マリナーズ | 2勝1敗 |
8/19-21 | ナショナルズ | 1勝2敗 |
8/22-24 | ブレーブス | 2勝1敗 |
8/25-27 | フィリーズ | 3勝0敗 |
8/28-31 | マーリンズ | 1勝3敗 |
9/1-3 | タイガース | 2勝1敗 |
9/5-9/7 | レッズ | 1勝2敗 |
9/8-11 | フィリーズ | 0勝4敗 |
9/12-14 | レンジャーズ | 1勝2敗 |
9/16-18 | パドレス | 2勝1敗 |
9/19-21 | ナショナルズ | 1勝2敗 |
9/23-25 | カブス | 2勝1敗 |
9/26-28 | マーリンズ | 1勝2敗 |
メッツにとって最後の2か月は苦しいものとなり、4度のスイープを喫し、勝ち越せたシリーズはわずか6つだけだった。その中には2度の7連敗が含まれており、今季通算では3度も7連敗を経験した。MLBの歴史上、このような状況からポストシーズン進出を果たせたチームはわずか1つしかない。
The Mets lost 7 straight in June. They lost 7 straight again in August. They lost 8 straight in September.
— OptaSTATS (@OptaSTATS) September 24, 2025
The only team in MLB history to have 3 separate 7+ game losing streaks & yet still make the playoffs was the 2006 Cardinals, who went on to win the World Series that year. pic.twitter.com/jYMmWELgqU
6月中旬まで時系列を延ばすと、メッツはMLB最高の45勝24敗を記録していたのに対し、その後ニューヨークはシーズンを38勝55敗で終えた。これは、この期間の野球界全体でも最悪の成績の一つだった。
原文:Mets playoff collapse, explained: How New York's miserable second half of season led to postseason miss
抄訳:佐藤瑞紀(スポーティングニュース日本版)