ニューヨーク・メッツは、ピート・アロンソとエドウィン・ディアスをフリーエージェントとして失った後、現地16日(金)に大きな補強に動いた。2025年ワールドシリーズで記憶に残るスイングを見せた選手、ボー・ビシェットと3年総額1億2600万ドル(1ドル158円換算で約199億800万円、以下同)の契約を結んだ。
この契約は、メッツにとって悲痛な2025年シーズンからの大幅な軌道修正だ。6月の時点では45勝24敗とメジャー最高勝率を記録していたものの、後半戦に崩れたメッツは最終的に83勝79敗でポストシーズン進出を逃した。
ビシェットの加入により、デイビッド・スターンズGMはリーグ屈指の強力な内野陣を構築した。昨季、打率.311と復活を果たし、第7戦の活躍でブルージェイズをワールドシリーズ制覇目前まで導いたビシェットは、フランシスコ・リンドーアと共に攻守の両面でチームの中軸を担う。
ビシェットの卓越したコンタクト技術にフアン・ソトの選球眼、リンドーアのリーダーシップを組み合わせることで、メッツはこの新たな中心選手たちがチームの歴代本塁打王であるアロンソの穴を埋められると賭けている。昨シーズンの失望を経て、ニューヨークは2026年により大きなものを手中に収めようとしている。
メッツの予想ラインアップ
| 打順 | 選手 | ポジション |
| 1 | フランシスコ・リンドーア | 遊撃 |
| 2 | フアン・ソト | 右翼 |
| 3 | ボー・ビシェット | 三塁 |
| 4 | ホルヘ・ポランコ | 一塁 |
| 5 | マーカス・セミエン | 二塁 |
| 6 | マーク・ビエントス/ブレット・ベイティ | 指名打者 |
| 7 | フランシスコ・アルバレス | 捕手 |
| 8 | タイロン・テイラー | 中堅 |
| 9 | カーソン・ベンジ | 左翼 |
ビシェットはメッツ打線の上位にラインアップされるだろう。内野の守備位置など多くの点は未定だが、ビシェット加入でメッツは攻撃力を強化する。
Your newest New York Met: pic.twitter.com/FkhGMz2MYA
— MetsMuse (@MetsMuse) January 16, 2026
ビシェットは2025年に復活を果たした。故障に悩まされた2024年を経て、打率.311、出塁率.357、長打率.483、18本塁打、94打点を記録し、5年間で3度目となるアメリカンリーグ最多安打に迫る活躍で、自身の卓越した打撃技術をリーグ中に再認識させた。
彼のスタイルは、積極的で広範囲に打ち分ける打撃アプローチが特徴的だ。逆方向への打球の割合はMLBでもトップクラスである。通算打率.294、常にボールをフェアゾーンに打ち返し、相手のミスを誘うの高打率のスラッガーは、リンドーア、ソトの後ろを打つアロンソの後釜をメッツにもたらす。
ビシェットのメッツでのポジションは?
ビシェットはメッツで複数のポジションをこなすことができるが、唯一守らないであろうポジションが本職の遊撃手だ。そこにはリンドーアがいるからだ。
当初の予想では、ビシェットは三塁を守る見込みとされている。ホットコーナーへの移籍は、メッツが今冬にトレードで獲得したベテランのゴールドグラブ賞受賞者マーカス・セミエンが二塁を守るためだ。
From a Mets official on Bichette:
— Steve Gelbs (@SteveGelbs) January 16, 2026
He will play 3B
Very rare to be able to get premium player like this on short term deal
RHH continues to balance lineup
Elite clubhouse presence and competitor. Exactly the type of guy we want on our team.
(メッツ関係者がビシェットについて:彼は三塁に入る。このクラスのトップ選手を短期契約で獲得できるのは稀なこと。ラインアップのバランスを取る右打者。クラブハウスで優れた存在感を発揮する、闘争心のある選手。まさに我々のチームに欲しかったタイプの選手)
さらに、ホルヘ・ポランコが加わったことで、メッツの内野陣は大きく変化する。ポランコは一塁手兼指名打者として起用され、実質的にピート・アロンソの後釜を担う見込みだ。ベテラン中心の内野陣が新たに組まれたことで、ブレット・ベイティやマーク・ビエントスといった若手選手は突如過密化したニューヨークのロスターの中で出場機会を争うことになる。
ビシェットの契約内容は
ビシェットとメッツは3年総額1億2600万ドルの契約で合意した。この契約は長期の後払いを伴わず、大幅な柔軟性と高い年俸額を提供する構造となっている。
ビシェットのメッツとの新契約は、コディ・ベリンジャーとその代理人スコット・ボラス氏が広めた契約モデルを踏襲しているが、その額はビシェットの契約の方が大幅に高い。両選手とも「お試し期間」後の将来をコントロールするため、短期・高平均年俸額(AAV)の構造となっており、選手側に複数のオプトアウト条項が付与されている。
どちらの契約も3年契約で、シーズン終了後に選手側にオプトアウト条項は付与されており、好成績を収めた場合、再びFAとなることが可能だ。ただ金銭面では大きな差がある。ベリンジャーの2024年契約総額は8000万ドル(年平均2660万ドル/約126億4000万円、年平均42億280万円)だったのに対し、ビシェットの契約総額は1億2600万ドル(年平均4200万ドル/約199億800万円、年平均66億3600万円)に達する。
実質的にメッツは、長期リスクを軽減するため同じ柔軟な「ベリンジャー・モデル」を採用している。だが新体制の内野陣にエリート級の高打率打者を確保するため、年間1500万ドル(約23億7000万円)のプレミアムを支払っていると言える。
ビシェットの年齢は?
ビシェットは現在27歳だ。
2016年のMLBドラフト2巡目全体66位でトロント・ブルージェイズに指名され、2019年7月29日にデビューを果たした。
ビシェットはブルージェイズ史上最も生産性の高い攻撃的遊撃手の一人として球団を去る。7シーズンで748試合に出場し、通算して打率.294、904安打、111本塁打を記録した。常に得点源として機能し、通算437打点、438得点を挙げ、在籍中に2度アメリカンリーグ最多安打を記録した。
またチームでの最初の400試合における最多安打記録と、ブルージェイズの遊撃手として通算100本塁打に到達したチーム史上唯一の選手というチーム記録も樹立している。
ビシェットのブルージェイズとしての最後の活躍は2025年のポストシーズンだった。特にワールドシリーズ第7戦で大谷翔平から放った3点本塁打は印象に残っている。
原文:Mets lineup projection with Bo Bichette: How star infielder fits with New York roster alongside Francisco Lindor
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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