4球団にまたがるマックス・シャーザーの異色なワールドシリーズ経歴

佐藤瑞紀 Mizuki Sato

Daniel Mader

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マックス・シャーザーの実績は、MLBの歴史上ほとんどの投手が及ばないほど圧倒的だ。

レギュラーシーズン通算200勝以上、3,000奪三振、サイヤング賞3回、1試合20奪三振、さらに2度のノーヒットノーランなど、シャーザーは2010年代から2020年代にかけて最も輝いた選手の一人だった。

しかも成功は個人記録にとどまらない。シャーザーはこれまでに7球団でプレイしており、そのうち4球団でワールドシリーズ進出を果たしている。複数のチームでチャンピオンリングを手にしたことで、彼は球界における“勝者”としてのレガシーを確立した。

ここでは、シャーザーのワールドシリーズでの歩みを振り返る。

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マックス・シャーザーはワールドシリーズで何回優勝したか?

マックス・シャーザーはこれまでに2度、ワールドシリーズ制覇を経験している。最初のタイトルは2019年のワシントン・ナショナルズで、2度目は2023年のテキサス・レンジャーズで手にした。

これまでシャーザーは合計4球団でワールドシリーズに出場しており、ナショナルズとレンジャーズに加えて、2012年のデトロイト・タイガース、そして2025年のトロント・ブルージェイズでもWSの舞台に立った。

2019年にはナショナルズの一員としてワールドシリーズで2試合に登板し、チームはヒューストン・アストロズを最終第7戦の激闘の末に破り、球団史上初の優勝を達成した。その後2023年、レンジャーズの一員として1試合に先発し、チームはアリゾナ・ダイヤモンドバックスを5試合で下して悲願の初優勝を飾った。

そして2025年には、ブルージェイズの一員としてロサンゼルス・ドジャースとのシリーズで2試合に先発登板した(結果は敗退)。

以下は、シャーザーのワールドシリーズでの歩みをまとめたものだ。

シーズンチーム対戦相手先発回数シリーズ結果
2012タイガースジャイアンツ10勝4敗
2019ナショナルズアストロズ24勝3敗
2023レンジャースダイアモンドバックス14勝1敗
2025ブルージェイズドジャース23勝4敗

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マックス・シャーザーのワールドシリーズ記録、歴史

マックス・シャーザーはこれまでのキャリアで、ワールドシリーズ6試合に先発し、通算成績は1勝0敗、防御率3.54、奪三振25、投球回28.0を記録している。彼はMLB史上唯一、4球団でワールドシリーズに登板した投手でもある。

ここでは、彼の“秋のクラシック”での試合ごとの成績となっている。

タイガースvsジャイアンツ 第4戦(2012)

  • 最終結果: ジャイアンツ 4-3 タイガース
  • シャーザーの成績: 6.1回、自責点3、被安打7、1四球、8奪三振 

シャーザーがワールドシリーズでデビューを果たしたのは2012年、当時所属していたタイガースがすでにシリーズで0勝3敗と王手をかけられていた状況だった。

「この舞台を心から楽しんでいる」とシャーザーは登板前、『Sports Illustrated』に語っている。「ワールドシリーズで投げられるなんて、一生に一度のチャンスだ。」

その年のレギュラーシーズンで、シャーザーは16勝7敗、防御率3点台、231奪三振を記録していた。第4戦ではサンフランシスコ・ジャイアンツのマット・ケインと投げ合い、6回1/3を投げて3失点。しかし、タイガースはまたしても勝利を逃し、ジャイアンツがスイープ第4戦でシリーズ制覇を果たした。

試合は、2回にブランドン・ベルトのタイムリースリーベースで1点を先制され、6回にはバスター・ポージーに2ランホームランを浴びて再びリードを奪われた。

タイガースはデルモン・ヤングのホームランで3対3の同点に追いついたが、ジャイアンツは10回にマルコ・スクタロの勝ち越しタイムリーヒットで勝利した。

ナショナルズvsアストロズ 第1戦(2019)

  • 最終結果: ナショナルズ 5-4 アストロズ
  • シャーザーの成績: 5回、自責点2、被安打5、3四球、7奪三振

2019年のワールドシリーズ第1戦、ワシントン・ナショナルズは勝利を収めた。この試合で先発のマウンドを託されたのがシャーザーだった。

シャーザーは5回を投げて7奪三振を記録。しかし、初回にユリ・グリエルの2点タイムリーツーベースを浴び、先制点を許した。それでもナショナルズ打線は中盤にヒューストン・アストロズのエース、ゲリット・コールを攻略。試合をひっくり返し、5対4でシリーズ初戦を制した。

登板後、シャーザーの後をパトリック・コービンや救援陣がしっかりとつないで勝利を守り切った。

ナショナルズvsアストロズ 第7戦(2019)

  • 最終結果: ナショナルズ 6-2 アストロズ
  • シャーザーの成績: 5回、自責点2、被安打7、4四球、3奪三振

2019年のワールドシリーズで、シャーザーは再びナショナルズの先発マウンドに上がった。チーム史上初の世界一がかかった第7戦での登板だった。シャーザーは5回を投げて2失点と、粘りの投球を見せた。

試合は序盤、ユリ・グリエルの本塁打とカルロス・コレアのタイムリーヒットでヒューストン・アストロズが2対0とリードを奪う展開に。しかし、ナショナルズ打線が終盤に爆発し、6対2で逆転勝利。

ワシントン・ナショナルズはついに球団史上初のワールドシリーズ制覇を達成し、シャーザーもその歴史的瞬間の中心に立っていた。

レンジャースvsダイアモンドバックス 第3戦(2023)

  • 最終結果: レンジャース 3-1 ダイアモンドバックス
  • シャーザーの成績: 3回、自責点0、被安打2、2四球、1奪三振

2023年シーズンはニューヨーク・メッツでベテランとして開幕したシャーザーだったが、最終的に2023年ワールドシリーズ第3戦でテキサス・レンジャーズの先発マウンドに立った。

この試合で彼は多くのイニングは投げなかったものの、シリーズが1勝1敗で並んだ状況で3回を投げて無失点と効果的な投球を見せた。かつて所属していたアリゾナ・ダイヤモンドバックスを相手に、シャーザーは3回を無失点、1奪三振で抑えた。

レンジャーズはコーリー・シーガーの本塁打とマーカス・セミエンのタイムリーヒットで3-1と勝利した。

ブルージェイズvsドジャース 第3戦(2025)

  • 最終結果: ドジャース 6-5 ブルージェイズ
  • シャーザーの成績: 4.1回、自責点3、被安打5、1四球、3奪三振

シャーザーは2025年ワールドシリーズ第3戦でブルージェイズの先発を務めた。シリーズが1勝1敗で並んだ状況での登板で、4イニングのみの投球にとどまった。

その4イニングで2本塁打を許した。2回にはテオスカー・ヘルナンデス、3回には大谷翔平にそれぞれ本塁打を浴びた。その後、シャーザーはメイソン・フルハーティに交代した。

この試合ではブルージェイズはさらに8人の投手を起用し、試合は18イニングに及び、ワールドシリーズ史上最長タイとなった。最終回にはフレディ・フリーマンのサヨナラ本塁打で、ブレンドン・リトルが敗戦投手として記録された。

ブルージェイズvsドジャース 第7戦(2025)

  • 最終結果: ドジャース 5-4 ブルージェイズ
  • シャーザーの成績: 4.1回、自責点1、被安打4、1四球、3奪三振

41歳のベテランとして、シャーザーはブルージェイズ対ドジャースの2025年ワールドシリーズで2登板目を果たした。何十年ぶりとなるトロントの優勝を目指す中で、シャーザーは再び安定した投球を披露した。

4回1/3を投げてわずか1失点に抑え、ブルージェイズは試合終盤までリードを保った。しかし、試合は歴史的な好勝負となり、ドジャースが粘りの打撃と守備で追い上げ、延長11回で勝利を収めたため、トロントは惜敗した。

    シャーザーのポストシーズン成績

    MLBでのキャリアを通じて、マックス・シャーザーは6球団で計11回のポストシーズンに出場している。これまでの通算成績は、33試合登板で8勝8敗、防御率3.78、182奪三振というものだ。

    ここでは、シャーザーの年度別および通算のプレーオフ成績となっている。

    シーズンチーム登板数(先発)勝敗防御率イニング被安打自責点WHIP与四球奪三振
    2011タイガース4 (3)1-15.7415.215101.53914
    2012タイガース3 (3)1-02.0817.11240.92426
    2013タイガース4 (3)2-12.8222.11271.031134
    2014タイガース1 (1)0-16.147.1751.0916
    2016ナショナルズ2 (2)0-13.7512.01051.00212
    2017ナショナルズ2 (1)0-13.687.1431.0948
    2019ナショナルズ6 (5)3-02.4030.02181.201537
    2021ドジャース4 (3)0-12.1616.21040.90523
    2022メッツ1 (1)0-113.504.2771.5004
    2023レンジャース3 (3)0-16.529.21171.6657
    2025ブルージェイズ3 (3)1-03.7714.11261.26611
    通算 33 (28)8-83.78157.1121661.1662182

    原文:Max Scherzer World Series history: Inside Blue Jays pitcher's championship wins, appearances
    抄訳:佐藤瑞紀(スポーティングニュース日本版)


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