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ガーディアンズのスティーブン・クワンがトレードデッドラインの喧騒の中で見せた一面とは?

Billy Heyen

石山修二 Shuji Ishiyama

ガーディアンズのスティーブン・クワンがトレードデッドラインの喧騒の中で見せた一面とは? image

メジャーリーグ(MLB)のトレードデッドラインとなった木曜の正午頃、人々が注目していたのはスティーブン・クワンが「トレードされるかどうか」ではなく、「どこにトレードされるか」という点だった。

当日、クリーブランド・ガーディアンズは試合がなかったため、フロントオフィスはトレードデッドラインに全力を注いでいたに違いない。だが、ガーディアンズはシェーン・ビーバーをトロント・ブルージェイズにトレードしたものの、最終的にクワンをトレードに出すことはしなかった。

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その日、クワンは一日中電話に張り付いていたわけではなかった。彼は子供向けのベースボール・キャンプを主催していた。

地元紙『コロンバス・ディスパッチ』のアダム・ジャーディ氏はX(旧Twitter)にそのキャンプの様子を投稿した。

『スティーブン・クワンは今日、野球キャンプを開催した。私たちはリアムにクリスマス・プレゼントとしてチケットを購入していた。彼は数ヶ月前から楽しみにしていた。だが雨が降り、プレーすることはできなかった。するとクワンはキャンプの参加者と一人一人に会い、個別に写真を撮影してくれた。おそらく彼にとってはキャリアで最もストレスの多い日だったろうが、子供たちにとってはとても意味のあることだった』

トレードの噂が飛び交う中でもそうした姿勢を貫けるのは特別な人間だけだ。

私たちはともすると、トレードデッドラインに発表されるトレードが住宅や家族など、多くの人たちの生活に様々な面で影響を与えていることを忘れがちだ。

クワンはこれまで所属してきた唯一のMLBのチームを離れ、引っ越さなければならない状況に陥る寸前だった。それでもクワンはベースボール・キャンプに姿を見せ、その優しい一面を見せていた。

今季のクリーブランドは、クローザーのエマニュエル・クラセがスポーツ賭博調査の一環として休職処分を受けたこともあり、ポストシーズン争いから外れる瀬戸際に立たされている。

だが、クワンにはフリーエージェントになるまでまだ2シーズン残っている。ゴールドグラブ賞とオールスター選出の経験もある彼が、この厳しい時期にガーディアンズを去ったとすれば辛い一日になったに違いない。

だが、クワンはチームに残留した。クワンがMLBのキャリアで 最もタフな一日を乗り越え、今もガーディアンズのキャップをかぶっている今後はもっとベースボール・キャンプが開催され、その優しさと素晴らしさに満ちた時間が 増えるかもしれない。

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原文:Guardians' Steven Kwan shows kindness on the most stressful day of his career
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)

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Billy Heyen

Billy Heyen is a freelance writer with The Sporting News. He is a 2019 graduate of Syracuse University who has written about many sports and fantasy sports for The Sporting News. Sports reporting work has also appeared in a number of newspapers, including the Sandusky Register and Rochester Democrat & Chronicle

石山修二 Shuji Ishiyama

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。生まれも育ちも東京。幼い頃、王貞治に魅せられたのがスポーツに興味を持ったきっかけ。大学在学時に交換留学でアメリカ生活を経験し、すっかりフットボールファンに。大学卒業後、アメリカンフットボール専門誌で企画立案・取材・執筆・撮影・編集・広告営業まで多方面に携わり、最終的には副編集長を務めた。98年長野五輪でボランティア参加。以降は、PR会社勤務・フリーランスとして外資系企業を中心に企業や団体のPR活動をサポートする一方で、現職を含めたライティングも継続中。学生時代の運動経験は弓道。現在は趣味のランニングで1シーズンに数度フルマラソンに出場し、サブ4達成。