ロサンゼルス・ドジャースは日本時間11月1日(現地時間10月31日)、トロント・ブルージェイズとのワールドシリーズ(WS)第6戦に3-1で勝利し、シリーズ通算3勝3敗と優勝に逆王手をかけた。接戦を締めくくったのはタイラー・グラスノーだったが、マウンド上では“ゾーン”に入ったような状態だったという。米メディア『ドジャースビート』が報じている。
この日のドジャースは両チーム無得点で迎えた3回表、2死一、二塁でウィル・スミスがタイムリー二塁打を放ち1点を先制。この後2死満塁となると、ムーキー・ベッツにも2点タイムリーが飛び出した。
3点を先制したドジャースはその裏に1点を返されるも、4回以降は得点を許さず、3-1と2点リードで9回裏へ。しかし、8回裏からマウンドに上がっていた佐々木朗希が無死二、三塁の大ピンチを招いたところで、デイブ・ロバーツ監督は同10月28日(27日)のWS第3戦で先発を務めたグラスノーを中3日でリリーフ起用する勝負に出た。
グラスノーは先発が本職だが、同10月5日(4日)に行われたフィラデルフィア・フィリーズとのナショナルリーグディビジョンシリーズ(NLDS)第1戦でリリーフ起用されている。本人は「正直、自分が登板するとは思ってなかった。そんなに確信していたわけじゃないけど、試合終盤で流れが停滞してきたから、『よし、俺が出番かも』って思ったんだ」と、試合が進むにつれ登板の予感が強まっていたという。
マウンドに上がったグラスノーは最初の打者を一飛に打ち取った後、続く打者には左翼方向へのライナーを放たれるも、左翼のキケ・ヘルナンデスが前に出て捕球。さらに、二塁から飛び出していた走者をランニングスローでアウトにし、ダブルプレーで試合終了という形になった。
グラスノーはわずか3球で火消しに成功したこの日の投球について、「ただ投球をこなすだけだ。一つ一つの投球に集中し、それを実行できれば、結果はついてくる。状況や何かに気を取られることはなかった。余計なプレッシャーもなかった。ただ自分の投球をしようとし、それ以上は考えないようにしていたんだ。ウォームアップはほとんどせず、マウンドに立った。思考は一切働かなかった。それでうまくいったんだ」と回顧。
また、「子供の頃から、あらゆる投球シーンを空想してきたんだ。試合を締めくくる場面やWSでの先発登板とか。いつも考えていたよ。本当にすごいことだ。まだ実感が湧かないんだ。WSでセーブを挙げるとは、本当に信じられないよ」と感慨深さもにじませたという。
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