2025年のワールドシリーズは第7戦へと突入した。
ワールドシリーズは野球界で最も大きな舞台であり、チームが優勝まであと1勝と迫ったとき、その光は最もまぶしく輝く。だが、両チームがあと1勝で王座に届く状況になったとき——それはまさに歴史的な瞬間となる。
初めての「フォールクラシック(ワールドシリーズ)」が行われて以来、少なくとも10年に一度は「勝者総取り」の第7戦が存在してきた。そうした試合は、これまで数々の記憶に残る名勝負や忘れがたい優勝劇の舞台となってきた。
ここでは、ワールドシリーズの歴史に刻まれた「第7戦」の歩みをまとめる。
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WS Game 7s: How many?
これまでワールドシリーズの歴史上、第7戦は40回行われ、2025年の第7戦で41回目を迎える。
ここには、第2戦が引き分けとなり、第8戦で決着がついた1912年のワールドシリーズも含まれている。
前回W杯決勝戦はいつ?
前回のワールドシリーズ第7戦は2019年だ。現地時間10月30日、ワシントン・ナショナルズがヒューストン・アストロズを6対2で破り、優勝を果たした。
初WS Game 7はいつ?
最初のワールドシリーズ第7戦は1909年に行われた。同10月16日、ピッツバーグ・パイレーツがデトロイト・タイガースを8対0で破った。
MLB WS 第7戦 全試合
2025年を含めてワールドシリーズ第7戦は41回行われている。
以下はワールドシリーズの歴史における第7戦のリストだ。ワールドシリーズMVPは、1955年のワールドシリーズ以降に初めて導入された。
| 日付(現地時間) | 勝者 | 敗者 | 結果 | 開催地 | MVP |
| 1909年10月16日 | パイレーツ | タイガース | 8-0 | デトロイト | — |
| 1912年10月16日* | レッドソックス | ジャイアンツ | 3-2 | ボストン | — |
| 1924年10月10日 | セネタース | ジャイアンツ | 4-3 | ワシントンD.C. | — |
| 1925年10月15日 | パイレーツ | セネタース | 9-7 | ピッツバーグ | — |
| 1926年10月10日 | カージナルス | ヤンキース | 3-2 | ブロンクス, NY | — |
| 1931年10月10日 | カージナルス | アスレチックス | 4-2 | セントルイス | — |
| 1934年10月9日 | カージナルス | タイガース | 11-0 | デトロイト | — |
| 1940年10月8日 | レッズ | タイガース | 2-1 | シンシナティ | — |
| 1945年10月10日 | タイガース | カブス | 9-3 | シカゴ | — |
| 1946年10月15日 | カージナルス | レッドソックス | 4-3 | セントルイス | — |
| 1947年10月6日 | ヤンキース | ドジャース | 5-2 | ブロンクス, NY | — |
| 1952年10月7日 | ヤンキース | ドジャース | 4-2 | ブルックリン, NY | — |
| 1955年10月4日 | ドジャース | ヤンキース | 2-0 | ブロンクス, NY | ジョニー・ポドレス |
| 1956年10月10日 | ヤンキース | ドジャース | 9-0 | ブルックリン, NY | ドン・ラーセン |
| 1957年10月10日 | ブレーブス | ヤンキース | 5-0 | ブロンクス, NY | ルー・バーデット |
| 1958年10月9日 | ヤンキース | ブレーブス | 6-2 | ミルウォーキー | ボブ・ターリー |
| 1960年10月13日 | パイレーツ | ヤンキース | 10-9 | ピッツバーグ | ボビー・リチャードソン |
| 1962年10月16日 | ヤンキース | ジャイアンツ | 1-0 | サンフランシスコ | ラルフ・テリー |
| 1964年10月15日 | カージナルス | ヤンキース | 7-5 | セントルイス | ボブ・ギブソン |
| 1965年10月14日 | ドジャース | ツインズ | 2-0 | ミネソタ | サンディ・コーファックス |
| 1967年10月12日 | カージナルス | レッドソックス | 7-2 | ボストン | ボブ・ギブソン |
| 1968年10月10日 | タイガース | カージナルス | 4-1 | セントルイス | ミッキー・ロリッチ |
| 1971年10月17日 | パイレーツ | オリオールズ | 2-1 | ボルチモア | ロベルト・クレメント |
| 1972年10月22日 | アスレチックス | レッズ | 3-2 | シンシナティ | ジーン・テナス |
| 1973年10月21日 | アスレチック | メッツ | 5-2 | オークランド | レジー・ジャクソン |
| 1975年10月22日 | レッズ | レッドソックス | 4-3 | ボストン | ピート・ローズ |
| 1979年10月17日 | パイレーツ | オリオールズ | 4-1 | ボルチモア | ウィリー・スタージェル |
| 1982年10月20日 | カージナルス | ブルワーズ | 6-3 | セントルイス | ダレル・ポーター |
| 1985年10月27日 | ロイヤルズ | カージナルス | 11-0 | カンザスシティ | ブレット・セイバーヘイゲン |
| 1986年10月27日 | メッツ | レッドソックス | 8-5 | クイーンズ, NY | レイ・ナイト |
| 1987年10月25日 | ツインズ | カージナルス | 4-2 | ミネソタ | フランク・ビオラ |
| 1991年10月27日 | ツインズ | ブレーブス | 1-0 | ミネソタ | ジャック・モリス |
| 1997年10月26日 | マーリンズ | インディアンズ | 3-2 | マイアミ | リバン・ヘルナンデス |
| 2001年11月4日 | ダイアモンドバックス | ヤンキース | 3-2 | アリゾナ | ランディ・ジョンソン、カート・シリング |
| 2002年10月27日 | エンゼルス | ジャイアンツ | 4-1 | アナハイム | トロイ・グロース |
| 2011年10月28日 | カージナルス | レンジャース | 6-2 | セントルイス | デビッド・フリース |
| 2014年10月29日 | ジャイアンツ | ロイヤルズ | 3-2 | カンザスシティ | マディソン・バムガーナ |
| 2016年11月2日 | カブス | インディアンズ | 8-7 | クリーブランド | ベン・ゾブリスト |
| 2017年11月1日 | アストロズ | ドジャース | 5-1 | ロサンゼルス | ジョージ・スプリンガー |
| 2019年10月30日 | ナショナルズ | アストロズ | 6-2 | ヒューストン | スティーブン・ストラスバーグ |
| 2025年11月1日 | ドジャース | ブルージェイズ | 5-4 | トロント | 山本由伸 |
*1912年のワールドシリーズは、第8戦で決着。

最多第7戦のMLBチーム
第7戦の最多勝利
セントルイス・カージナルスはワールドシリーズ第7戦で8勝を挙げている。直近の第7戦勝利は2011年となっている。
| チーム | 勝利数 |
| カージナルス | 8 |
| ヤンキース | 5 |
| パイレーツ | 5 |
| ツインズ | 3 |
| ドジャース | 3 |
| アスレチックス | 2 |
| レッズ | 2 |
| タイガース | 2 |
第7戦の最多出場
ヤンキースはワールドシリーズ第7戦に12回出場している。ヤンキースが最後にワールドシリーズ第7戦に出場したのは2001年で、これまでの戦績は5勝7敗となっている。
| チーム | 出場回数 | 戦績(勝-敗) |
| ヤンキース | 12 | 5-7 |
| カージナルス | 11 | 8-3 |
| ドジャース | 8 | 3-5 |
| パイレーツ | 6 | 5-1 |
| ジャイアンツ | 6 | 1-5 |
| レッドソックス | 6 | 1-5 |
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WS延長10回ある?
ワールドシリーズ第7戦はこれまで5度の延長戦に突入しており、最近では2016年に行われた。
2016年ワールドシリーズの第7戦は10回まで続いた。
WS7戦サヨナラHRある?
ワールドシリーズ第7戦の歴史上では、サヨナラホームランが1度だけだ。
1960年、ビル・マゼロスキーが9回裏にソロホームランを放ち、ヤンキースを10対9で破った。
0勝3敗からWS第7戦あり?
MLBの歴史上、ワールドシリーズで0勝3敗から第7戦までもつれ込んだことは一度もない。
WS史上最高のG7パフォーマンス
ジャック・モリス 1991
- 投球回: 10
- 球数: 126
- 自責点: 0
- 被安打: 7
- 奪三振: 8
ジャック・モリスは、ワールドシリーズの歴史の中でも屈指のパフォーマンスを第7戦で見せつけた。
試合は延長戦にもつれ込んだものの、モリスは最後までマウンドに立ち続け、アトランタ・ブレーブス打線を完封。ミネソタ・ツインズを1-0の勝利、そしてチャンピオンへと導いた。
この試合でモリスは8奪三振を記録し、完全試合さながらの圧倒的な投球でチームに栄冠をもたらした。
マディソン・バムガーナ、2014
- 投球回: 5
- 球数: 68
- 自責点: 0
- 被安打: 2
- 奪三振: 4
わずか中2日の休養で、マディソン・バムガーナはブルペンから登板し、5回無失点の快投を見せた。
バムガーナはすでにこのシリーズの第1戦と第5戦に先発して勝利を挙げており、その圧倒的な貢献によりワールドシリーズMVPに選出された。
サンフランシスコ・ジャイアンツは第7戦を3対2で制し、カンザスシティ・ロイヤルズを下して優勝を果たした。

ビル・マゼロスキー 1960
- 打席: 4
- 安打: 2
- 得点: 2
- 打点: 1
- 本塁打: 1
MLB4年目のシーズン、ビル・マゼロスキーは前例のない偉業を成し遂げた。4打数2安打という結果が示すように、打席での存在感は際立っていた。
そして何よりも大きな一打となったのが、9回裏に放ったサヨナラ本塁打だった。これはワールドシリーズ第7戦史上、初のサヨナラホームランとして歴史に刻まれている。
ヨギ・ベラ 1956
- 打席: 3
- 安打: 2
- 得点: 3
- 打点: 4
- 本塁打: 2
ワールドシリーズで10度の優勝を誇るヨギ・ベラは、その大舞台でもまったく動じる様子を見せなかった。
1956年のワールドシリーズ第7戦で、ヤンキースは同じニューヨークを本拠地とするライバルチームを圧倒した。勝敗の行方がすでに大きく傾いていたとはいえ、ベラはこの試合で2本の本塁打を放ち、第7戦における新記録を樹立した。この功績だけでも十分に特筆に値する。
ルー・ブロック 1967
- 打席: 4
- 安打: 2
- 得点: 1
- 盗塁: 3
ルー・ブロックは、1967年のワールドシリーズ第7戦(対レッドソックス)で3つの盗塁を記録し、ワールドシリーズ新記録を樹立した。この偉業はいまだに記録として残っており、セントルイス・カージナルスが勝利してチャンピオントロフィーを掲げる大きな要因となった。
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WS第7戦の歴史
最多ホームラン
- チーム: 4本塁打、ヤンキース(1956)
- 個人: 2本塁打、ヨギ・ベラ(1956)
最多安打
- チーム: 17安打、カージナルス(1934)
- 個人: 4安打、4回(直近:ジョージ・ブレッド, 1985年)
最多奪三振
- チーム: 13奪三振、2回(直近:ヤンキース, 2001)
- 個人: 10奪三振、4回(直近:ロジャー・クレメンス, 2001)
最多盗塁
- チーム: 4盗塁、パイレーツ(1909)
- 個人: 3盗塁、ルー・ブロック(1967)
最多打点
- チーム: 10打点、3回(直近:カージナルス, 1985)
- 個人: 4打点、5回(直近:ヨギ・ベラ, 1960)
最大点差の試合
ワールドシリーズ第7戦での最大勝利点差は11点となっている。
ワールドシリーズ第7戦は2度にわたって11点差で決着している。1985年にはロイヤルズがカージナルスを11対0で破り、1934年にはカージナルスがタイガースを11対0で破った。
最長イニングの試合
- イニング: 12回、セネタースvsジャイアンツ(1924)
- 時間: 4時間28分、カブスvsインディアンズ(2016)
7戦最年少V投手
ジョー・ガラジオラは、ワールドシリーズ第7戦で勝利を経験した最年少選手である。
1946年のカージナルスの一員だったガラジオラは、チームが第7戦でレッドソックスを4対3で下したとき、20歳と245日だった。
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最年長投手が第7戦制す
アーサー・ローズは、ワールドシリーズ第7戦で勝利を経験した最年長選手である。
2011年のカージナルスの一員だったローズは、チームが第7戦でレンジャーズを6対2で下したとき、42歳と4日でした。
原文:Every Game 7 in World Series history: Full list, scores and records from MLB's best winner-take-all classics
抄訳:佐藤瑞紀(スポーティングニュース日本版)
