ロサンゼルス・ドジャースはチームのトップ・プロスペクトであるダルトン・ラッシングをメジャー昇格させる決断を下した、とスポーツニュースサイト『The Athletic』のファビアン・アルダヤ氏が報じた。この昇格に伴い、ベテラン捕手のオースティン・バーンズはDFAとなった。
バーンズは野手の中でもっと長い期間ドジャースに在籍している選手だった。これまでドジャースで2度のワールドシリーズ制覇を経験しており、ウィル・スミスの控え捕手として出場機会は限られていたが、今季もここまで13試合に出場している。仮にドジャースが彼を手放したとしても、チーム内での人望が厚いベテランだけに新たなチームを見つけるのは比較的容易だろう。
一方、スミスの控えとして週に数試合出場させるためにラッシングを昇格させたとすれば理にかなっているとは言い難い。ただ、ラッシングは捕手以外のポジションもこなせる万能性を持った選手だ。今季の3Aでも捕手以外に、一塁とレフトで出場している。そして、打率.308/出塁率.424/長打率.514、5本塁打をマークしている打棒もある。今回バーンズの代わりの控え捕手として昇格してきたラッシングだが、マイケル・コンフォートのポジションを脅かす可能性もあるだろう。
「ラッシングは今季のマイナーリーグでの出場機会の大半をキャッチャーとして出場しているが、一塁手(9試合)、指名打者(4試合)、左翼手(2試合)でも出場している」とアルダヤ氏は書いた。
「そのユーティリティ性に加え、左打者であるラッシングの打力が出場機会を切り開く可能性がある」
ドジャースはこのオフにコンフォートと1700万ドル(1ドル147円換算で約24億9900万円、以下同)の契約を結んだ。だがコンフォートはここまで打率.172と不振を極めており、今後の出場機会が限られてくる可能性も高まっている。
ラッシングは過去2シーズン、レフトで32試合に先発出場しているが、これはドジャースが昨年スミスに10年1億4,000万ドル(約205億8000万円)の延長契約を結んだためと考えられる。スミスが正捕手の座を確保している中で、ラッシングの出場機会を作り、その打撃を活かす方法を考える必要があるからだ。
ラッシングは攻撃面においてバーンズ(打率.214)よりもプラスになると見込まれている。しかしチーム内の評価を考えれば、彼の出場機会がスミスの控え捕手のみという可能性は低いと考えられる。とはいえ、ラッシングがレフトで起用されるとしても、即座にコンフォートのポジションを脅かすとも考えづらい。
ただ、テオスカー・ヘルナンデスが復帰してくると状況は一変する可能性がある。アンディ・パヘスとヘルナンデスがレギュラーで出場する中、もしラッシングが早々に結果を残せば、ドジャースは彼をスタメンで起用する方法を模索することになるだろう。フレディ・フリーマンが今のような成績を残している中、ラッシングが一塁に入ることはない。そして故障でもない限り、大谷のいる指名打者のポジションを務めることもない。となると、残るはコンフォートが苦戦しているレフトのポジションということになりそうだ。
原文:Dodgers' Dalton Rushing decision indirectly threatens struggling veteran's job
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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