ロサンゼルス・ドジャースは去年のポストシーズンを3人の先発投手でやりくりしていたが、このオフにそのうちの2人を放出することになんら心配をしていなかった。
ジャック・フラハティはワールドシリーズで2試合に先発し、ウォーカー・ビューラーは第3戦に勝利し、第5戦を締めくくった。しかし、ドジャースはこの2人のプレイオフの英雄をチームに残さなかった。2025年に向けてブレイク・スネルと佐々木朗希を獲得し、大谷翔平、クレイトン・カーショー、タイラー・グラスノーの復帰を見据えていたためだ。
この決断が正しかったかどうかを断言するのはまだ早すぎる。しかし現実はスネル、佐々木、グラスノーは怪我で故障者リスト入りし、大谷のナショナル・リーグでの投手デビューも具体的なスケジュールは未定のままである。
このままでワールドシリーズ連覇に挑むことができるのだろうか。ある記者がこの状況を打破するための驚きの提案をしてみせた。
現地3日(火)、米スポーツ・ケーブル局『ESPN』のジェフ・パッサン氏は、7月31日のトレード期限に向けたドジャースの「最適な補強候補」として、昨年12月にボストン・レッドソックスと1年2100万ドル(1ドル142円換算で29億8200万円)の契約を結び、ドジャースを去ったビューラーの名を挙げた。
「ドジャースが120勝を挙げるという考えはそもそも夢のような話だった。彼らはレギュラーシーズンの勝利を積み重ねるためにチームを編成しているわけではない。ポストシーズンで最も破壊力のある26人の選手を揃えることが目的だ」とパッサン氏は書いた。
「そして彼らは昨年、ビューラーが10月にどう変貌するかを目の当たりにしている。メッツ相手に4イニング無失点、ヤンキース相手にさらに5イニング無失点、そしてワールドシリーズ制覇を確定する最後の3アウト。ドジャースとビューラーが元の鞘に戻るにはレッドソックスが今季の可能性を諦めることが必要になる。現在のレッドソックスの状態は苦しいとはいえ、そこまで言うにはまだ早計だろう」
現在30歳のビューラーは今季、レッドソックスで46回2/3を投げて防御率4.44を記録し、42個の三振を奪っている。乱調な試合もあるが、一方で非常に良い投球も見せた試合もある。ただそれ以上に、ビューラーが真価を発揮するのはパッサン氏の指摘通り、ポストシーズンだ。ポストシーズンでのビューラーの通算防御率は3.04となっている。
現在29勝33敗のレッドソックスにはまだこの先、挽回できる可能性が残っている。しかし、レッドソックスは歴史的に言っても、期待を裏切ることにかけてはメジャーリーグでも屈指と言えるチームだ。ドジャースは密かに彼らの苦戦が続くことを願っているかもしれない。
原文:Dodgers could reunite with World Series hero in shocking Red Sox trade, per insider
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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