野球は筋書きのないドラマだとよく言われる。
だが、もし誰かがこの脚本を書いたなら、ドラマチックすぎるとして却下されたことだろう。現地23日(金)の夜、メジャーリーグのダイヤモンドに戻ってきたロナルド・アクーニャJr.はそんなドラマのようなストーリーを描いてみせた。
この日の試合はアクーニャにとっては2024年5月26日、ベースランニング中に左膝の前十字靭帯を断裂して以来ほぼ1年ぶりの試合だった。362日ぶりのメジャーの打席に立ったアクーニャはパドレスの右腕ニック・ピベッタを前に1回裏の先頭打者として打席に入った。
ピベッタが「打ち取るための速球」を投げると、アクーニャはそれを「フェンスを越えるための速球」と見逃さずにスイング。アクーニャは復帰戦の初球で467フィートの飛距離を記録するホームランをスタンドへと叩き込んだ。
完全復活の瞬間だった。
HE IS BACK.
— MLB (@MLB) May 23, 2025
Ronald Acuña Jr. homers on the first pitch he sees! pic.twitter.com/LZgwO3b8kZ
(復活。ロナルド・アクーニャJr.が初球をホームラン!)
アクーニャ復帰の唯一の懸念点は、彼がどれだけ走れるかだ。
万全の状態だった2023年シーズン、アクーニャは73盗塁と41本塁打を記録した。
だが、スタンドに叩き込んでしまえば、早く走る必要はない。ただゆっくりとベースを一周してくればいいだけだ。
世界で最も優れた野球選手の一人であるアクーニャは、信じられないほどの喜びでプレーしてみせる選手でもある。そんな彼にこの瞬間が訪れたことは必然なのかもしれない。これまでのキャリアに対するご褒美のようなものだろう。
そして、この先もこうした歓喜の時はまだまだやってくるはずだ。
原文:Braves' Ronald Acuña Jr. makes epic injury return on very first pitch he sees
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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