アトランタ・ブレーブスはレギュラーシーズン最終月となる9月、キム・ハソンをウェイバー公示から獲得する決断を下した。近年、遊撃手のポジションはチームの弱点となっていたからだ。キムはこの機会を最大限に活かし、瞬く間にフリーエージェント市場で注目を集める存在となった。キムはアトランタでのプレーを楽しんだとも認めている。
「最高だった。タンパベイでも楽しんでいたが、アトランタではもっと野球が楽しめたと思う。タンパベイでは体調不良や痛みに悩まされ続けて申し訳なかった」とキムは語った。
現地15日(月)、キムはブレーブスと1年契約で再契約した。
「遊撃手のキム・ハソンがアトランタ・ブレーブスに残留する。キムは月曜日に1年2000万ドル(1ドル154円換算で約30億8000万円、以下同)の契約に合意し、チームはこのオフの重要な優先課題を解決した。この契約でキムの年俸は400万ドルアップ(約6億1600万円)する。彼は2月にタンパベイと結んだ2年総額2900万ドル(約44億6600万円)の契約に含まれていた1600万ドル(約24億6400万円)の選手オプションを拒否していた。その契約でキムは1300万ドル(約20億200万円)を手にしていた。ブレーブスは月曜夜にキムとの新契約を発表した」と 米ケーブル局『ESPN』は報じた。
他のチームがキムに対して長期契約を提示していたと報じられる中、キムの代理人であるスコット・ボラス氏は短期的な価値の最大化に焦点を当てていた。そしてブレーブスのアレックス・アンソポロスGMはその戦略を見事に活用した。
「近年、チームはトップクラスのフリーエージェント以外と1億ドルクラスの長期契約を結ぶことを避けている。その状況を踏まえ、ボラス氏は方針を転換した。クライアントに短期契約を繰り返し結ばせ、当初狙っていた総額を獲得させる戦略だ。ピート・アロンソは昨オフにメッツとそうし、アレックス・ブレグマンもまた(レッドソックスと)同様の契約を結んだ。ボラスが両選手をクライアントに抱えているのは偶然ではない」と ブレーブスのニュースを報じる『HTHB』のエリック・コール氏 は書いている。
「今回のケースでは、ブレーブスは自らが求めるものを明確に把握するとともに、ボラス氏の代理人を務める選手からそれを引き出す方法も理解していた。その結果、チームは有利な立場に立つことができた」
ブレーブスは今オフ、完璧に近い動きを見せている。昨季のプレーオフ進出を逸したブレーブスは今や、ナショナルリーグ東地区でフィラデルフィア・フィリーズに真正面から挑める戦力を整えつつある。
アンソポロス氏は選手との交渉だけでなく、スコット・ボラス氏という野球界随一の難敵エージェントとの駆け引きも見事にこなしている。今回のキムの契約がシーズン前半で実を結べば、その先の契約延長も十分にあり得る展開だ。
原文:Braves leveraged Scott Boras' blueprint with Pete Alonso, Alex Bregman to re-sign Ha-Seong Kim
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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